シアターフォーラム    
シアターフォーラム 『エリザベート』大阪記者懇親会・質疑応答−1

 2001年に続く四大都市縦断公演として、2004年3月〜5月・東京、8月・名古屋、10月・福岡、11月〜12月・大阪で上演されるミュージカル『エリザベート』

 その大阪公演に向けて2004年9月21日に開かれた記者懇親会の会場では、ご挨拶に引き続いて、出席された小池修一郎氏(訳詞・演出)、一路真輝さん(エリザベート役)、内野聖陽さん(トート役)、山口祐一郎さん(トート役)と、報道陣との質疑応答が行われました。

●2004年の再演ではエリザベートの意思の強さが出てきたように思えるのですが、一路さんのエリザベートに対する印象というのは変わったのでしょうか

一路 2000年に演じていた時は――本当はいけないことだと思うのですけれども――エリザベートという役を演じる前に、自分の中の宝塚のトートをどうやって拭い去ろうかとか、そういう事がまず大きな課題として在ったので、ちょっとエリザベートに振り回されていたところが有ったんですね。でも、4年という月日の中で、その間に色々な国の『エリザベート』を観ることが出来て、とても日本人感性のエリザベート像を2000年の時は創っていたな、ということを感じたんです。それで今回のエリザベートに関しては、自分が演った初演の時のエリザベートを全く忘れて、一からもう一回創りたいなと思って演っています。初演の時は、かなり運命に翻弄されるような役作りをしたのですけれど、今回はその過酷な運命を自ら自分が選んだエリザベートになった、と言うか、している感じですね。だから、印象的には初演の時よりもちょっと強さとかエゴイスティックな部分が前面に出てしまったかな、と思うのですが、その反面、どんどん自分が崩れて行く部分も逆に浮き彫りに出来たかな、とも思っているので、個人的には今回のエリザベートの方が自分は気に入っています(笑)。・・・すみません、自分で言ってしまいました(笑)。


●このようなエリザベートの変化に対して、トートからのアプローチの仕方で変わったところはありますか

内野 相変わらず官能的に悩ましく(笑)、アプローチしようと努力しているのですが・・・。一路さんが仰ったように以前のシシィとかなり印象が違っていまして、演じていてもかなりキツイと言うか(笑)、意思が凄く強い女性というイメージが強くなったので、その分演っていてより楽しくなりましたね。例えばデュエットが今回一曲増えたんですよ。今までシシィと死というのは凄く近い存在なのにデュエットが一曲も無かったんですよね。今回そういうところで関わり合うシーンが増えて、僕的には人間にも勝るような・・・感情のやりあいというか、そういうものが楽しめるので、観ていても納得いきやすいんじゃないか、あの一曲が加わった事で、そうとう解りやすくなった部分も有ると思っています。・・・アプローチはよりシシィとの絡みを楽しむようになってきましたね(笑)。

山口 今、一路さんが「私は、今のシシィが一番いい」と、「女優をやっていて、今演じている舞台上の演技が実にいい」という風に仰っていたんですけれども・・・
(一路「そこまで言ってないでしょ!(笑)」)
 お客様はお金を払っているのですが、僕はお金を頂きながら、それを間近で、その魅惑と言うか、その誘惑に毎日どう打ち勝つかと。そういうとても幸せな、それでいて演じているのか、これは何か試されているのか、と、いろんな事を考える、そんな楽しい舞台を、以前とは違って毎回過ごしています。


●今回、かなり演出が変わっているようですが、その狙いは何でしょうか

小池 今ちょっと話題に出ましたけれど、「私が踊るとき」という楽曲が加わり、私たちが2000年の時に創ろうとしていた「運命に翻弄される、数奇な運命を辿った一人の女性・・・皇后になり、そして最後に暗殺される。」という観点から、非常に強い“死”というものとお互いの気持ちをぶつけ合うナンバーが出たことで、もっと積極的に取り組んで行く姿、生きることと向かい合って行くエリザベートが現れました。
 そして、やはり運命に翻弄されることを象徴していた歌を一曲カットしたので、そこで自ずと軸が、死と直接戦っていくエリザベートというものがどんどん表に出てきたと思います。それがそれぞれのトートを演る方からしても、本当に直に向かい合うことが出来て、それが多分一つの新しいエネルギーになっていると思います。同じライフストーリーであっても光の当て方が変わった、と解釈していただくと良いかも知れません。ちょっと見え方が変わる、という事でしょうね。
 今回はスタッフの中に??島ア徹さんというコンテンポラリーダンスの方が加わって下さいまして、新たに死の世界とエリザベートの接点というのを非常に明確に描いてくださっていると思うので、これがまたそういう印象を与えているかな、と思います。あとは美術も変わっております。


●舞台装置は全体的に変えられたということですよね

小池 舞台装置は、――いつもそういう前提で美術の方とお話をしてきたのですが、――ハプスブルグ家の霊廟のイメージを拡大していただきました。前回は鏡などを使って、ちょっとトリッキーな迷路みたいなものを創ろうとしたのですけれども、今回は霊廟の中で裁判劇が行われるという事を強調しております。


●衣裳とか振付も一新されたということなのでしょうか

小池 衣裳に関しましては何点かの違いだと思います。内野さんはかなり違うかも知れませんし(笑)、一路さんも何点かは違いますね。でも基本的なコンセプトはそう変わった訳ではございません。トートダンサーと呼ばれる死のダンサーのメンバーは違う長さのモノを着ていたりしていますので、あるいは凄く変わった印象を持たれるかも知れません。
 そのトートダンサーの振付の部分は非常に変わっています。他のミュージカルナンバーはベーシックには前回のものを――美術が変わりましたので、場所が変わった感じで、――まったく変えたのではなくリニューアルしております。















ミュージカル『エリザベート』

 大阪公演は 2004年11月3日(水・祝)〜2004年12月12日(日)、 大阪・梅田の梅田コマ劇場にて
 電話予約は コマ予約センター  06-6377-7777 まで

コマ劇場サイト 


   

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