シアターフォーラム    
シアターフォーラム さよなら芸術座・第3弾公演 『東京駅』製作発表会見

 昭和32年4月の開場以来、ストレートプレイからミュージカルまでバラエティに富んだ名作の数々を世に送り出してきた劇場・芸術座が2005年3月をもって新ビル建設の為に48年間の歴史を一時閉じる事になりました。

 その“さよなら芸術座”公演の第3弾として2004年11月〜12月に芸術座の舞台を彩るのは、昭和44年9月に原作=三島由紀夫、脚色・演出=菊田一夫『春の雪』で初舞台を踏んで以来、『花筵』『女の一生』などの座長を務めてきた佐久間良子さん。
 脚本には商業演劇から歌舞伎まで幅広く活躍を続ける水谷龍二氏を、演出には西川信廣氏を迎え、初共演となる杉浦直樹さんとの“洒落た大人のラブストーリー”に挑みます。

 赤れんがの東京駅の中に大正4年から建つ東京ステーションホテルを舞台に、米大統領候補の暴露本を巡る奇想天外なストーリーのこの芝居。9月30日、その舞台となる東京ステーションホテルでスタッフ・キャストが出席しての製作発表会見が行われました。


 最初に、この作品が東宝公演では初めての脚本となる水谷龍二氏が「佐久間さんや杉浦さん、江波さんのような大先輩の役者さんに脚本を書かせていただけるのは光栄で、緊張もしましたが楽しみながら書きました。洒落た現代のコメディをやりたかったので、舞台を楽しみにしています。」と挨拶。

 続いて、演出の西川信廣氏が「佐久間さんとは何度か仕事をしていますが、他の方とは初めてでワクワクしています。特に杉浦さんはファンで嬉しく思っていますし、水谷さんの脚本を初めて演出できるのも緊張しながら楽しみです。芸術座でも情感のある芝居ではなく、ジャズが似合うような洒落た大人のラブ・コメディでミステリーも入っているので、劇場に来て楽しんで欲しいと思います。」と抱負を語ります。


 その後は出演者が順番に今回の舞台に掛ける意気込みを述べます。

 現在は出版者の社長で、18年前東京駅から駆け落ちをしようとした柏淑子役の佐久間良子さん。「人生において男女の恋はボタンの掛け違いで別れが生じますが、18年前に逢う約束をした相手と偶然再会します。過去と現在のはざまの中で、細かい科白の裏側を掘り下げて、ラブになったり、コメディになったりという楽しいドラマを演じていければいいと思っています。これまでは昔の時代モノが多かったのですが、今回は今まで演じた事の無い洒落た芝居ですので、若い方に芸術座に足を運んで頂いて、軽快な芝居にしていきたいですね。」

 作家を目指していた18年前に、淑子と駆け落ちを約束したが東京駅に現れなかった重村恭平役の杉浦直樹さん。「初めての芸術座で、最後にやっと間に合いました。芸術座は好きで色々な芝居を観ていますが、水谷さんの脚本は初めて、西川さんの演出も初めて、佐久間さんとは映画やテレビで共演していますが他の人は初めてで、緊張すると同時にファイトも燃えてきています。芸術座に間に合ったという思いで、面白い舞台にしたいですね。」

 淑子の出版者の副社長で、積極的な性格の江田早苗を演じる江波杏子さん。「佐久間さんとは数年前から何本か御一緒させていただいて尊敬していますし、杉浦さんには憧れていました。水谷さんを始め、今の演劇界で活躍する若手の方と一緒出来るのが嬉しいですね。水谷さんの脚本は科白が非常に細かくて、ドラマは大きいのですが、日常的で繊細な科白の積み重ねが実は最後に非常に大きな世界観になるんです。その繊細な科白を薄紙を重ねる様に作っていきたいと思います。」

 元スーパーモデルで米大統領の元愛人、暴露本出版を目論むケリー・牧野を演じる成瀬こうきさん。「2年前に宝塚歌劇団を退団して、「私は舞台を演りたい」と復帰を決めた最初に、伝統ある芸術座の舞台に素晴らしい先輩方と御一緒出来て光栄に思っています。男役でしたので、女性役も初めてで戸惑いや緊張もありますが、2年間の充電を生かして、自分も舞台を楽しみながら、御客様にも楽しんで欲しいと思います。毎日ひとつでも新しい面を見つけて、色んな自分を発見して行きたいので期待してください。」

 ケリーのマネージャー、寺沢一役の川ア麻世さん。「この芝居はステーションホテルを舞台にしていますが、今日、東京駅を見ていて、そこに普通に居る人たちの中にも色々な物語があることを実感しました。そうした日常的な臭い、色を芸術座の舞台の上で見ていただければ良いと思います。」

 日本語・英語・中国語を操る謎の中国人、李泰源を演じる小宮孝泰さん。「芸術座は初めてで、物事を妨害する謎の中国人役ですが、はっきり言えばコメディ・リリーフです。大先輩方を翻弄する役なので、自分も楽しみですし、御客様にも楽しんで欲しいですね。」

 それぞれ、個性的で豪華なキャスト、そして旬のスタッフで送る「さよなら芸術座」シリーズ第3弾『東京駅』。
 2004年・冬――東京駅・銀の鈴から始まり、東京ステーションホテル203号室で展開する様々なドラマ。
 2004年の棹尾を飾るにふさわしいこの舞台で、あなたももう一度芸術座に思い出を作ってみませんか。

西川信廣 水谷龍二
左より:西川信廣(演出)、水谷龍二(作)
杉浦直樹、佐久間良子
左より:杉浦直樹、佐久間良子
江波杏子、川ア麻世
左より:江波杏子、川ア麻世
小宮孝泰、成瀬こうき
左より:小宮孝泰、成瀬こうき

東京ステーションホテル
東京ステーションホテル



これからの芸術座公演

2004年11月4日(木)〜12月28日(火)
 『東京駅』(水谷龍二=作 西川信廣=演出)
出演:佐久間良子・杉浦直樹・江波杏子・成瀬こうき・川ア麻世・小宮孝泰 ほか
前売:2004年10月 9日(土) 開始

2005年1月2日(日)〜2月28日(月)
 『お登勢』(原作=船山馨 脚本=飯島早苗 演出=水谷幹夫)
出演:沢口靖子・山本陽子・葛山信吾・国生さゆり・大高洋夫・金子昇・松山政路 ほか
前売:2004年12月 4日(土) 開始

2005年3月4日(金)〜3月27日(日)
 『放浪記』(菊田一夫=作 三木のり平=潤色・演出 本間忠良=演出補)
出演:森光子・池内淳子・米倉斉加年・有森也実・斎藤晴彦・大出俊・山本学 ほか
前売:2004年11月20日(土) 開始

チケット:東宝テレザーブ 03-3201-7777
お問合せ:芸術座 03-3591-2333

東宝サイト 


   

 関連ニュース
 

特集・動画ページ


フォロミー 過去のニュース
次のニュース
当サイト掲載の情報・写真等の転載を禁じます。
Copyrigh(c) Theater forum 1999-2007 All Rights Reserved