上川「天草の乱、という史実を基にした、いわゆるロックミュージカルですね。私がその天草四郎時貞を演らせていただきます。」
中川「僕は、神の声を持つ少年・シロー、という役を演らせていただきます。」

●和風のストーリーですが、ロックミュージカルという話を聞いた時に、最初はどんな印象を持たれましたか

上川「僕は数多く劇団☆新感線のお芝居は拝見していまして、一筋縄ではいかない作品に常に仕上がっておりますので、今回もおそらくベースは日本的なものを用いながらも、十二分に新感線ワールドになっていくんだろうと確信しています。」
中川「ロックミュージカルですから、やっぱり何かこう、アグレッシブルな、パワフルな、そんな舞台になることはきっと間違いないんでしょうけれども、ただ、先ほどの記者会見で演出の方、脚本の方の話を聞いていて、凄く――定かでは無いですけれども――これから稽古をやるにつれて、確信していく部分ではあると思うんですけれども、とっても音楽的な部分、そして芝居的な部分、このバランスがもしかしたら今までの日本の舞台、またはミュージカル、またはジャンルに当てはめずにライブ・・・生のモノですね・・・ナマのものとして、きっと異質なものとして世に出て行くのかなあ、という予感が凄くしています。音楽的な舞台、それはきっと誰もが素直に感動できる舞台じゃないかな、と思います。

●（会見場に置かれていたオブジェを指し）これは舞台に実際に使われるものですか

東宝「こればポスターのデザインに使われたオブジェです。」

●こういったモノを見ると、イメージが沸きませんか

中川「沸きますよね。あの、ロックミュージカルという感じがこれを見ると凄くするのは僕だけでしょうか(笑)。カッコイイです。」

●他の出演者の方々も豪華ですが、今日の記者会見で顔を合わされて、改めて感じた意気込みなどをお聞かせください

中川「先ほどもちょっとお話させていただいたのですが、上川さんと一緒に演らせていただくという話を初めて聞いた時に、――僕は丁度、本当にテレビっ子の世代で――「大地の子」という番組を見させていただいた時に、本当に感動したんですね。僕が中学生くらいの時かな・・・再放送もされているので、再放送でも勿論見ているのですが、あの「大地の子」を演じていらっしゃった上川さんと一緒に演らせていただく、しかも劇団☆新感線と東宝が一緒に手を組んでやる、今年年末の一番大きい舞台。それだけでまず僕はワクワクしているのと同時に、凄く計り知れない緊張感の中に居るんですね。なのでまずは、挨拶、それと遅刻しない(笑)、基本的な部分を必ず守って、あとは礼儀作法も有ると思うんですけれども、何よりも舞台の上に乗った時に失礼の無いように、そしてしっかりと魂で、心で・・・生意気かも知れませんが、芝居を楽しむことが出来たら良いな、と期待に燃えています。」
上川「中川さんの邪魔にならないように・・・」
中川「何でそんなことを・・・(笑」
上川「したいと思います。はい。」
中川「そんなことは無いです。」

●二人とも同じ「しろー」という役柄を演じられますが、二人の関係はどういったものになるのでしょうか

上川「あまりご説明してしまうとご覧になっていただく方に失礼になってしまうと思いますので、奇しくも天草の乱が始まる直前に出会ってしまった同じ名前の二人、ですよね。そこに因果が有ったという事以外、僕はこれ以上申し述べられませんね。」
中川「僕も三日ほど前にいただいて、部屋の色んな場所で、椅子に座りながらとか、お風呂に入りながらとか、取り敢えず全部読ませていただきました。まだ仮稿の段階なので、これから当然――基本の筋は変わらないとは思うんですけれど――細かく色々変わっていくと思うんですけれど、関係というのは、名前だけ同じで、後は全然、育ちも生まれも全然違う。ただ、人を感動させる、とか人を動かす、または、時代を変える、時代を切り開く人物という事で、まったく違う二人のしろー、場所も違えば年齢も違うしろーが、そのタイミングで出会う。そこで二人は惹かれ合うものが有る。または惹かれ合うだけでなく助け合う。そして、戦いに出て行く。その先の部分は舞台を観てのお楽しみですね。」
上川「皆さんがご存知の天草四郎というのは戦の指揮、陣頭に立った男だったと言われていますけれど、同時に美少年であったと。きっといのうえさんや中島さんがそれを題材にして、指揮の部分を私が、美少年の部分を中川君に、とお分けになったんだと僕は認識してます。
中川「(笑)いや、そうかも知れないです。・・・そうかも知れないというのも可笑しいですね(笑)。でも、僕の場合は「神の声を持つ少年」なので、僕は歌で、民を、民というか周りの人達の心を動かしていく。そういう意味では、今、上川さんが仰られた部分の役目も担いながら、同時に「神の声を持つ」という部分が僕にとっては大きい課題であり、また目標なのかな、と思っています。」

●最後に、舞台を観に来る方、観に来ようとされている方にメッセージを

上川「多分、決してこれまでご覧になった事の無い舞台が今年の12月に幕を開けることになります。是非、その未体験なお芝居をご覧にお出でください。」
中川「年末という事で、もう一年が終わってしまうという実感が先にたってしまうのですが、年を締めくくるに相応しい何か、メッセージだったりテーマというものがきっと隠されているのではないかな、と思います。ロックミュージカル『ＳＨＩＲＯＨ』その名前を聞くからに、ゾクゾクっとしませんか。是非観に来てください。お願いいたします。」