2000年10月〜2001年1月にかけてパリで初演されて以来、フランス全土、ベルギー、スイス、カナダで上演され、200万人以上というフランス演劇史上、最高の観客動員数を記録したスペクタクル・ミュージカル『十戒
(LES DIX COMMANDMENTS)』。
セシル・B・デミル監督、チャールトン・ヘストン主演の映画「十戒」でも有名な、旧約聖書の「旧エジプト記」に書かれている、イスラエルの民をエジプトから解放したモーゼの人生を描いたこのミュージカルには、演出・プロデュースにフランス映画界を代表する映画監督エリ・シュラキ、音楽にフランスの国民的アーティストで音楽プロデューサーでもあるパスカル・オビスポを迎え、衣裳はフランスの世界的ファッション・デザイナー、ソニア・リキエルが始めて舞台衣装のデザインを手掛けるなど、一流のアーティストが集結してこの壮大な叙事詩のミュージカル化が行われました。
この作品は、2003年の夏に予定されていたヨーロッパ公演を全て終了し、キャスト・スタッフが一旦解散したものを、今回の日本公演に当たって主催者である関西テレビ放送が製作会社「7Art社」の協力を得て、当時のキャスト・スタッフ一人一人に呼びかけて再結集、同時にヨーロッパ各地に散らばっていた美術セット、小道具、衣裳なども回収し、来年1月より国内でリハーサルを行っての上演となります。
10月6日に都内で行われた製作発表には、演出のシュラキ氏、音楽のオビスポ氏を始め、オリジナル・キャストでもあるモーゼ役のセルジオ・モスケットさん、ラムセス役のアメッド・ムイシさん、ヨケベッド役のアンヌ・ヴァランさん、セフォラ役のクラリス・ラヴァナンさんが来日し、舞台装置を模したステージに衣裳で登場。劇中から「L'envie
d'aimer」「Mon frere」 の2曲のナンバーを披露すると、詰め掛けた報道陣からはその迫力にざわめきが起きます。
実際の舞台は幅40m、高さ12m、奥行20m、組み立てに36時間が必要と言う、ミュージカル史上最大級のもの。映画のカット割りのようなめまぐるしい舞台転換や、背景に映像を用いるなどして視覚的に観客をその世界に引き込みます。
また劇中では台詞が一切無く、全てが音楽と歌で構成されていますが、フランスではその音楽アルバムが156万枚、シングルカット(合計4枚)が200万枚の大ヒットとなり、メインテーマ「L'envie
d'aimer」はセリーヌ・ディオンが英語版「The Greatest Reward」としてカヴァーしました。
そして、この作品の日本版テーマ曲「Blessing 祝福」を披露してくれたのは、特別ゲストとして登場した平原綾香さん。30人以上のアーティストから彼女を指名したというオビスポ氏は、控室の「平原綾香様」の張り紙を胸に貼り付けて登場し、「「Jupiter」を聴いて低音のハスキーなところが魅力的だなと思った。この曲を歌って頂けて感激しています。」とすっかりお気に入りの様子。
対して平原さんも「ご本人の前で歌うのはとても緊張しましたが、素晴らしい曲に出会えて感謝しています。キャストの皆さんの歌をリハーサルで聴いて、素晴らしくて一人で興奮してしまいました。」と感動のコメント。歌の後では二人で抱き合う場面も見られるなど、会見会場は公演に向けて一足早い盛り上がりをみせていました。