シアターフォーラム    
シアターフォーラム 『レ・ミゼラブル in コンサート』製作発表/質疑応答‐前半

 11月9日に千葉・海浜幕張駅前のWBGマリブウエスト27階にある「bayfmスタジオ・マリブ」で行われた、『レ・ミゼラブル in コンサート』製作発表&ミニコンサートの質疑応答の前半の模様をお伝えいたします。
 参加されたプリンシパル・キャストは石井一孝さん、今井清隆さん、マルシアさん、笹本玲奈さん、岡田浩暉さん(ご挨拶順)の方々です。

●実際の舞台とコンサートの違いで、戸惑われたこと、面白かったことなどを教えてください

石井 本編を何年も演ってきたのですけれど、コンサートは初めてだったので「どんなものかな」と思っていたのですが、実際に歌い始めてみると、テンションとか、そういうものは全く変わらないですね。ある意味では動いた方が演りやすい曲も有ると思うんですけれども、何ら変わりない手ごたえというか、ジャベールとかファンティーヌとかと絡んでいくところも――目線を合わせないとか言うのはあるんですけれども、――それ以外の気持ちの部分では全く変わらなくて、こういうシステムだったら日本中の色んな場所に行けるし「これは面白いシステムだな。こういうのもアリなんだな。」と思いました。
 それがまた『レ・ミゼラブル』の作品の大きさなのかな、こういう形式でも伝わるものは変わらないなっていうのを本当に思いましたね。ですから、僕は意外と何ら変わらなかったですね。

今井 本編ではマイクを頭に仕込むんですけれど、コンサートではスタンドマイクで歌っているものですから、お芝居する時につい相手の顔を見て、マイクから外れて声が全然届かなかったりとか、最初はそういう戸惑いが有りました。けれども、ずっと正面を見て歌っていますから、歌っている顔の感情の変化が見えることで、「コゼットの方を向いている時は、あんな表情をジャン・バルジャンはしていたのか。」とお客様から言われたりしたので、そういう良い所もコンサートには有って、また違った感じで楽しめると思います。

マルシア もう皆さんが仰ることが全部ですね。言う事ございませんわ(一同笑)。勿論パフォーマンスを演っている時もそうなんですけれど、一曲づつ凄く大事に伝えようというのがコンサートの場合はちょっとアップして、お客様に全部を本当に丁寧に丁寧に、というのと、サイドにバルジャンとか色んな方が居て演技も含めて歌っていますが、お客様がバルジャンになったり、相手役になる場合もございます。だから、良いことばかりなのよ! ・・・失礼、良いことばかりでございます(一同笑)。
 本当に演りづらいとかは全くございませんね。郷に入れば郷に従え・・・これはこれでコンサートでは凄く味わえるものがございます。わかりますか(一同笑)? OK!

笹本 私は出ていて凄く得したなと思ったのが、例えばマルシアさんがソロを歌っている間は本編では娼婦の早替わりをしているので(観られなかったのが)、観られたりするのが凄く得ですし、近くでジャン・バルジャンとかジャベールの曲を聴けるというのも凄く得ですね。
 逆に緊張するのは、本編では「オン・マイ・オウン」は舞台上でたった一人なんですけれども、後ろに何十人もずらーって皆が観ているというのが、背中に視線を感じて凄く緊張するんですけれども、逆に良い刺激にもなります。

岡田 もう全部言われてしまって言う事が無いんですけれど、現実的に話をすると、時間的に少し本編よりも短くなっているということがありますよね。その分、本編と比べたらタイトに聴けるというところは有ると思います。後はもう皆さんの仰る通りで、当然お芝居もしている訳なんですけれども、皆さん会場を見て演っているので、表情も良く解りますし、そういった面で凄く楽しいと思いますね。


●『レ・ミゼラブル』という作品の魅力を教えてください

石井 良く聞かれる質問で、何と言ったら良いか解らないのですけれど、このドラマ性ですかね。勿論音楽が素晴らしいですけれど、凄くドラマティックで「良くぞビクトル・ユゴー、こういうストーリーを書いたな。」という、ちょっとこれが一つの作品とは思えないくらいの起伏があるんですよね。3ッ分くらいの作品が一つになっているかのような起伏がそのまま歌う側、演じる側にとっては感情の起伏を表現できるという喜びにも繋がるので、その辺が僕は魅力だと思います。

今井 音楽は言うまでも無いんですけれど、色んな形の愛が沢山詰まっていて、親友に対する愛だとか、自分の彼氏に対する愛だとか、自分の子供に対する愛だとか、そういうのをもう一度考え直させてくれるというか、「非常に深い作品だな」と、いつも自分たちも感動しながら演っていますけれども、その辺が魅力ですね。

マルシア もう、仰ることはございません!(一同笑) 本当に、今、今井さんが私の科白を全部盗っちゃって(一同笑)
今井 そうなの?
マルシア もう今言う事を全部言われてしまって・・・
今井 じゃ、今度は最初にそっちから。
マルシア (立ちあがって今井さんの方に進んで)いやいや、違う違う違う(一同笑)。
今井 あ、違うんだ・・・
マルシア 本当に「まさにその通り」でございますね(笑)。本当に色んな愛がございまして、その愛の形が全て舞台に表れていて、それがキャッチするお客様の中にドーンと行くという感じなのと、勿論音楽もそうでございますが、時代は関係ないという事。今でも愛は生きている、時代は関係なくこうやって舞台も出来る訳でございます。それを音楽を通して、ラブイズオールという感じですね。演っていてそう思いますね。人間の喜怒哀楽も、いろんな怒りとか喜びとか良く表れていると思います。

笹本 『レ・ミゼラブル』という本は本当は長いんですけれども、その長い小説を上手く3時間に纏めてある、というのと、後は音楽がやっぱり素晴らしいという事ですかね。音楽を聴いただけ、歌詞のないメロディを聴いただけでもその曲が怒っているのかとか、泣いているのかということが凄く良く解る、ドラマ性の在る音楽というのが素晴らしいと思います。

岡田 本当に言う事が無くなっちゃうんですけれどね(笑)、・・・マルシアの時点で無くなっていますからね(一同笑)。とにかく、俳優の大先輩たちが、――本当に沢山いろいろドラマを演られているでしょうし、舞台も演られていると思うんですが、――そういった方たちが本当に深く愛されるほど本当に良いドラマ、良い舞台なんですよね。演れば演るほど感動が出て来るので、本当に出会えて良かったなと思っていますし、少しでもその感動を皆様に伝えられるように頑張りたいと思っています。


●今回のコンサートでは、今まで『レ・ミゼラブル』を演っていない色々な土地に行かれるということで、楽しみにしている事がありましたら教えてください

司会 ではこれは、岡田さんから
岡田 やったー!(笑)。やっぱり長い時間演るものなので、体力がとっても必要なんですよね。ですからやっぱり美味しいもの、地元の美味しいものが本当に楽しみですね。あとは時間が有れば身体をほぐしながら――今回は沢山話そうと思いまして(一同笑)、――散歩したり、土地の風光明媚なスポットに行くというのも一つの楽しみであります。

笹本 (出演が)千葉県のみなので・・・地元なので電車で通って普通の通勤みたいな感じですけれど(一同笑)・・・こういう場合はどうしたらいいでしょうかね・・・普通に千葉県なのでディズニーランドでも行って、――いつもの事なんですけれど(笑)――地元だからなあ・・・家でご飯食べます(一同笑)。

マルシア 私は千葉県もそうですし、名古屋とか、『レ・ミゼラブル』では初めて地方に行くんですね。・・・どうしようか(一同笑)・・・解らないですね、地方に行くという事は生活が無い訳でございますから。私、寝る事が大好きなんですね。低血圧なので。
石井 関係有るの?
マルシア 有るんですよ。多分17時間は寝られますよ。一日与えられたら一日寝てるもん。だから、公演の時は7時間前に起きて、お散歩して、マラソンして・・・言ったな、マルシア!(一同笑)・・・で、美味しいものを食べて、公演を上手く演って、ホテルに速攻戻って寝る、と。そういう法則で自分を作っていこうと思います。絶対にね。だって、私、生活が無いから・・・
今井 生活してないから(笑)
マルシア そうそう・・・(立ちあがって)違う! 地方へ行くと、――千葉とかは自分で通うよ、――だから、うるさいのが居ないじゃん、「ママー!」とか。でも、それはそれでエンジョイします。

今井 地方に行くと、――ウチの実家も結構田舎なんですけれど――本当に東京まで出て来られないという人が結構多いんですよ。家庭の事情が有るし、子供を見なくちゃいけない、学校にやらなきゃいけない、とか、東京まで出てくると泊まらなくちゃいけなくて、ホテル代もかかるし、とてもじゃないけれど今の家計をやりくりして行くってことは出来ないという(会場笑)。結構そういう人の話を聞くので、是非そういう人たちに来て、手軽に楽しんでいただきたいなって・・・そういう人たちに観せてあげたい、という風に思っています。

石井 僕は地方公演大好きでして、中古レコード屋に行くのが趣味なんです。日本中の中古レコード屋および“BOOK OFF”に行くのが趣味ですので(一同笑)、千葉県の“BOOK OFF”香川県の“BOOK OFF”これは軒並み全部しらみつぶしに全部行こうと思っております。(会場より「すご〜い」の声)
マルシア じゃ“BOOK OFF”に行けば石井さんに会える、と。(一同爆笑)
石井 会えるんですよ(笑)。公演を演っていないときは居ますから。
司会 なるほど。そして公演7時間前のお城の公園などではマルシアさんに会える、と。
マルシア あの、走ってますから。
石井 散歩ね。
マルシア うん、散歩とね。


---------- 後半に続く ----------



   

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