シアターフォーラム    
シアターフォーラム 『ミス・サイゴン』上演900回達成、特別カーテンコール

 1992年4月〜1993年9月の日本初演以来、12年ぶりとなる再演が2004年11月23日まで、東京・日比谷の帝国劇場で行われているミュージカル『ミス・サイゴン』。
 初演では504日間で745公演が行われたこの大作ミュージカルですが、今回、11月12日(金)夜の部で通算上演回数900回を迎えて、記念の特別カーテンコールが行われました。


 公演が終了し、拍手の中で全出演者が揃って深々と礼をして袖に下がると、通常の倍にあたる100本の花束が舞台に投げ入れられ、再び舞台に登場した出演者がそれぞれ拾ったところで、「火がついたサイゴン」の曲と共に舞台上から“ご声援ありがとうございます 900回上演達成”と書かれた大きなボードが降りてきて、客席からは一段と大きな拍手が湧き上がります。

 それを見上げていた、エンジニア役の市村さんがジャケットの内ポケットからマイクを取り出し、客席に沸き起こる手拍子を制して、「いよいよ第3幕の開始でございます。」と一言、改めて客席からは大きな拍手が起きます。

 最初に2幕冒頭でジョンが歌う「ブイ・ドイ」の時に映像が出なかったトラブルを詫びた市村さん。「…につきましても、今日は900回という目出度い記念公演でございます。」と頭上の看板を仰ぎ見て「ちなみに私事ですが、明日で丁度700回目を迎えます。」と話すと客席と出演者から歓声と拍手が起こり、市村さんは袖で涙を拭くポーズをしてそれに応えます。


 続いて、その市村さんに紹介されて、出演者が順番にご挨拶を行います。

 松たか子さん(キム)
 「本日はありがとうございました。900回の舞台に立っていられて非常に光栄です。ちょっと受け売りなのですが、何年か後に、もし『ミス・サイゴン』が上演された時に、「何の話しだろう?」って観た人が思うくらい平和になっていればいいな、と願います。ありがとうございました。」

 井上芳雄さん(クリス)
 「本日は本当にありがとうございました。僕は800回記念公演の時も出させていただいていたのですが、900回の時も出させていただき、こうなったら1000回、2000回と『ミス・サイゴン』が続いて行くといいな、と思っております。今日はありがとうございました。」

 岡幸二郎さん(ジョン)
 「本日はご来場ありがとうございます。先ほど市村さんの方からも有ったのですけれど、2幕の「ブイ・ドイ」、いつも以上にあそこに映っている子供たちの思い、私は映像が無い分、感情を込めてブイ・ドイコーラス隊と共に歌ったつもりなのですが、客席まで届いたでしょうか?(場内拍手) ありがとうございます。これが生の舞台の良い所という風に解釈して、皆さん11月23日までやっております。映像が見たい方、またお越し下さい(場内笑)。1000回、2000回と続く様に頑張って行きたいと思います。本日はありがとうございます。」

 石川ちひろさん(エレン)
 「本日はどうもありがとうございました。8月から『ミス・サイゴン』を上演しまして、本当に台風がとても多くて、お客様をここに残して缶詰になって電車が止まっちゃった時もありました。あと地震も沢山・・・まだ続いているんですけれども、そんな中劇場に足を運んでくださって、本当にありがとうございました。」

 戸井勝海さん(トゥイ)
 「今日は本当にありがとうございます。きゅうはっ・・・噛んじゃった!(場内笑) 900回と言うことなんですが、申し訳無いんですが私はまだ15回しか演らせていただいてないんですが、こんな場に居させて頂ける事を本当に幸せに思っております。900回という数字は本当に物凄い数字で、沢山の先輩方が血の滲むような思いで創られて来たものだと思っていますので、その思いをしっかり背負って、明日からまた舞台に立ちたいと思います。今日はありがとうございました。」

 平澤由美さん(ジジ)
 「(ベトナム語(?)で挨拶の後)カンパニーの中で最も現地人に近しい顔を持つ、ジジ・平澤でございます(場内笑)。本日はありがとうございます。私はこの作品に出会えて本当に毎日幸せです。この作品に登場する彼らの心の響きを最後まで、みんなで熱くお届けしたいと思っています。あと10日です。また足を運んでください。」


 市村さん
  「☆■※▲〇×▼・・・(意味不明のベトナム語風・場内笑)。今日は昼間の公演のアンサンブルの人たちも夜のアンサンブルと一緒に、この900回の記念公演のために駆け付けております。アンサンブルを代表して一人、私の独断で挨拶させたいと思います。」(と、後ろに並んでいる中から一人を前に連れ出す。出演者より歓声)

 阿部裕さん(アンサンブル)
 「ありがとうございます。本日はようこそお越しくださいました。900回と言う舞台に、(後方に向き直って)みんな乗れてて幸せだよね〜っ!」
 全員「イエーーィ!!!」(と拳を突き上げる)
 阿部さん「あと10日間有ります。宜しくお願いします。」

 市村さん「もう一つ、私共からお願いがございます。この間、10月23日に僕らが舞台で演っております時、非常に大きく揺れました。それは結果的に新潟中越地震という大災害でした。これも個人的なのですけれど、私10年前に神戸の大地震を体験しております。あの時神戸のみなさんが、全国のみなさんのボランティアや協力のお陰で復活しました。今回も我々で何か出来る事は無いかと思いまして、ロビーの方に義援金の箱を用意しております。皆様のご協力が頂ければ幸いでございます。どうぞ宜しくお願い致します。
 そしていよいよ900回記念公演、これより特別カーテンコール! では正式の位置に(プリンシパル陣が左右に分かれ、アンサンブルが前に出る)。これからがいよいよ第3幕の佳境です。アンサンブルによる素晴らしい歌声をお聴きください。それでは、特別カーテンコール!」

 アンサンブルにより歌われたのは、「命をあげよう」〜「アメリカン・ドリーム」の2曲メドレー。「アメリカン・ドリーム」では、全員でステップを踏んで手を振り、松さんが前に出て「♪ミス・チャイナタウン〜」の部分で客席に投げキスをするなどノリノリで、客席も多いに盛り上がります。

 その後、全員で三方礼をし、客席に花束を投げ入れて退場となりましたが、幕が降りても客席の拍手・手拍子は鳴り止まず、再登場では市村さんの音頭で、舞台上に並んだ全員がでウェーブを行うなどのパフォーマンスもあり、満員の客席を埋めた観客と、舞台上の出演者が共にこのミュージカルの素晴らしさを改めて実感した一夜となりました。




市村正親
市村正親
松たか子 松たか子
井上芳雄
井上芳雄
岡幸二郎
岡幸二郎
石川ちひろ 石川ちひろ
戸井勝海 戸井勝海
平澤由美
平澤由美
阿部裕 阿部裕



ミュージカル『ミス・サイゴン』

公演は2004年8月15日(日)〜11月23日(火) 東京・皇居前、帝国劇場

チケットは東宝テレザーブ 03-3201-7777 ほか

キャストは日替りで演じられます。また空席情報や出演者などの様々な公演情報などにつきましては、下記の東宝サイトをご参照下さい。

東宝サイト 


ミス・サイゴン900回特別カーテンコール

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