シアターフォーラム    
シアターフォーラム さよなら芸術座第3弾公演。『東京駅』
 来年、2005年3月をもってビル建て替えの為に一時休館が決定している東京・日比谷の芸術座。
 そのファイナルに向けての“さよなら芸術座第3弾公演”、水谷龍二=作、西川信廣=演出による『東京駅 -恋はレトロに三番ホーム-』が、11月4日(木)から12月28日(水)まで好評上演中です。

 今公演の主役を務めているのは、昭和44年『春の雪』で芸術座初舞台を踏み、以後数々の名舞台を彩ってきた佐久間良子さん。
 共演は今年の5〜6月に公演が行われた舞台『謎の変奏曲』での演技が読売演劇大賞中間選考報告で「円熟の極み」と絶賛された杉浦直樹さん。ちなみに杉浦さんは芸術座初登場、そして佐久間さんと杉浦さんの舞台での共演もこれが初となります。


 お二人が演じるのは、18年前に東京駅の銀の鈴で駆け落ちの待ち合わせをした恋人同士。結局男性は現れず、その後別々の人生を歩んだ2人が、現代のある日、同じ銀の鈴の下で偶然再会するところから物語は始まります。

 その他の出演者には映画・舞台で存在感を見せる江波杏子さん、これが宝塚退団後初舞台、そして女優としても初舞台となる成瀬こうきさん、ミュージカル・時代劇・現代劇と幅広くこなす川崎麻世さん、コント赤信号から役者に活動の場をひろげる小宮孝泰さんと、豪華で個性的な方々が揃いました。


 公演直前に行われた会見で、佐久間さんは「コメディの舞台は本当に初めてに近いので、皆さんと和を保ちながら創り上げていますが、なんとなくちょっと不安で、杉浦さんにすがって演っています。」と言いながらも、終始落ち着いた様子。

 一方の杉浦さんは「佐久間さんにすがられたら僕がコケちゃいます」と笑いながら、「初日の前はどんな芝居でも緊張します。観ているお客様が楽しく観て良かったと思ってくださればいいなと思っています。」とコメント。
 さらに「僕はコメディが好きでニール・サイモンなども演っていますし、初日を楽しみにしています。佐久間さんはコメディがお好きだと思いますし、新しい「おや!」と言う発見が随分有ると思います。」と、ベテランならではの余裕を見せます。

 あと数ヶ月で建て替えとなる芸術座について、「映画から初めて出たのがこの舞台で、いつの間にか随分経ってしまいましたが、最初に受けた菊田一夫先生の演出が懐かしいですね。でも新しい芸術座が出来るのを楽しみにしています。」と佐久間さんが振り返れば、杉浦さんは「これが最初で最後ですので、新しい芸術座が生まれたら今度こそ一番に!」と笑いを誘います。「良く舞台を観に来ていましたが立つのは初めてで、客席がこじんまりしていて何気ない遣り取りが届く良い劇場ですね。」と杉浦さんが話すと、「芝居に丁度良い劇場で、吐く息吸う息が伝わる、とても好きな劇場なんです。」と佐久間さんが頷くなど、お二人の息もぴったりの模様。


 「待つ事こそ愛と言う時代。待つからこそ色々なドラマが始まる。」と今回の物語のキーを語るお二人。

 東京駅・東京ステーションホテルを舞台に、大物政治家の暴露本を巡るハラハラドキドキのストーリー、佐久間さん・杉浦さんが奏でる洒落た大人のラブストーリー、次々現れる妖しげな人々など、見所満載のこの舞台。
 観終わった後、胸にちょっと想いの残る、そんな作品となりそうです。







さよなら芸術座 第3弾公演

 『東京駅 -恋はレトロに三番ホーム-』
   作:水谷龍二  演出:西川信廣

出演  佐久間良子、杉浦直樹、江波杏子、成瀬こうき、
川崎麻世、小宮孝泰 ほか

日時  2004年11月4日(木)〜2004年12月28日(火)
会場  芸術座(東京・日比谷)
チケット  東宝テレザーブ 03-3201-7777 他プレイガイドにて
お問合せ  芸術座 03-3591-2333

東宝サイト


左より:江波杏子、佐久間良子、杉浦直樹、成瀬こうき、川崎麻世

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