シアターフォーラム    
シアターフォーラム 松本幸四郎ミュージカル出演2000回!『ラ・マンチャの男』製作発表

 1969年帝国劇場での日本初演以来、ミュージカルでの同一主演者による日本最高記録となる通算上演回数1,015回を数える、松本幸四郎主演の『ラ・マンチャの男』。
 2005年は原作となるスペインの小説家ミゲール・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」が出版されて(1605年1月16日)丁度400年。そして、この作品で主役のセルバンテス/ドン・キホーテを演じる松本幸四郎丈にとっては、1970年にはブロードウェイ・マーティンベック劇場で日本人としてただ一人同役を主演してから35年目の記念の年となります。

 2002年の帝国劇場公演からは演出も担当し、常に進化する『ラ・マンチャの男』を目指している幸四郎丈が、2005年5・6月に、新たなキャストを迎えて同作を名古屋と東京で上演することとなり、その製作発表会見が都内のホテルで行われました。

会見風景

 昨年の12月には国立劇場での舞台で、歌舞伎俳優として『勧進帳』790回を数えた幸四郎丈ですが、1965年4月に『王様と私』(梅田コマ劇場)でミュージカルデビューを果たして以来40年、この『ラ・マンチャの男』帝国劇場公演の千穐楽(2005年6月29日)をもって、自らの日本最高記録を1,086回と更新すると共に、ミュージカルの通算出演回数がついに2,000回を達成するという、記念すべき公演になります。

 共演者には、ドン・キホーテの思い姫ドルシネア/アルドンサ役に、2002年に歴代最年少で同役を勤め、昨年(2004年)にはミュージカル大作『ミス・サイゴン』でキム役を見事に演じた松たか子さん。
 松さんは1995年6月青山劇場での『ラ・マンチャの男』のアントニア役でミュージカルデビューをしており、丁度10年目の節目を迎えて、原点とも言うべきこの作品に挑むことになります。

 またドン・キホーテの忠実な従者サンチョには、1995年から同役を378回演じ、さらに役作りのために今年もスペインに出かけてきた、という佐藤輝さん、カラスコ博士に2002年5月の博多座公演から登場の福井貴一さん。さらに、松たか子さんが生まれた1977年より牢名主/宿屋の主人を通算674回演じ続けて、幸四郎丈に次ぐ古参となる上條恒彦さんが、今回も同役で出演し、舞台を引き締めます。

 そして今回は、これまでアントニオ役で出演の松本紀保さんが演出補としてスタッフ側に回り幸四郎さんをサポート、新たに『THE FANTASTICKS』(1999)、『FAME the Musical』(2003)に出演の山崎直子さんがアントニア役として帝劇に初登場となります。


 揃って黒の洋服に身を包み、胸に深紅の薔薇を挿して会見場に現れた出演者たちは、今回の公演への意気込みをそれぞれ次のように語りました。

松本幸四郎と松たか子
松本幸四郎さん(セルバンテス/ドン・キホーテ)
 「3年ぶりにまた『ラ・マンチャ』の灯が点りました。嬉しいことです。前回は60歳の還暦の誕生日(2002年8月?日)に1,000回を迎えることが出来ました。そして今回は帝劇の千穐楽に、私の出演した全ミュージカルが2,000回目に丁度なるのだそうです。私が初めて『王様と私』に出たのが22歳でしたから、40年・・・、誠に夢のようで、何か夢の中で夢を追いつづけてここまで来てしまったな、という感じがして感無量でございます。
 その間にはブロードウェイで『ラ・マンチャ』を演ったり、『王様と私』でロンドンのウエストエンドへ行って半年間英語で演ったり、・・・母親が亡くなった時も「見果てぬ夢」を歌っておりました。ただ1,000回・2,000回演じても、1回でも多く最高の舞台をお観せすることが役者にとっての大事な務めだと思っておりますので、今までの『ラ・マンチャ』はもう過去のものです。今回の『ラ・マンチャ』を、全力を尽くして演じたいと思います。
 確かチャップリンの言葉だったと思うのですが「あなたの最高傑作は何ですか?」と聞かれた時に「次回作です」と答えたそうです。私も最高の『ラ・マンチャの男』は、皆様に今年お目に掛ける名古屋と東京だと思って頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。」
松たか子さん(アルドンサ)

 「またこのアルドンサという役を演らせていただくことになって、前回の時と同じくらいの緊張感でいっぱいです。ですが、今回は今回のカンパニーで、新しく山崎直子さんとご一緒出来ることも楽しみですし、また新しい空気を皆さんにお伝えできればと思います。前回以上に一生懸命頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。」
佐藤 輝さん(サンチョ)
佐藤 輝
 「今年で僕も10年目を迎えます。379回目からの新しい挑戦です。前回の稽古初日もワクワクしたのですが、今年も相当にワクワクするのではないかと今から楽しみにしております。僕が生まれて初めてミュージカルを観たのは昭和41年の幸四郎さん(当時は市川染五郎)の『心を繋ぐ6ペンス』で、芸術座での公演でした。その頃、自分はミュージカルに出演できる役者になるとはとても想像出来なかったのですけれど、縁あってこうして『ラ・マンチャの男』という素晴らしい作品の、それもサンチョという役を演らせていただいて、僕は本当に幸せだと思っております。ただこの幸せを自分だけで幸せだと思っていないで、お客様に喜んでいただけるサンチョでありたいと、今年も頑張りたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します
福井貴一さん(カラスコ博士)
福井貴一
 僕は今回で2回目なのですが、劇中での私の妻に山崎直子さんを新しくを迎えることになりました。前の妻は松本紀保さんでしたが、ありがたいことに幸四郎さんの片腕として演出補に廻られまして、僕としては前の妻とも縁が切れずに新しい妻を迎えられて、とても男冥利に尽きるという事で「そんなんでええ芝居が出来ない訳が無い!」と思っている今日この頃です。(上條さんに“妻”では無く“許婚者”と指摘されて)あ、そうでしたね。許婚者でした、まだ結婚はしてませんね。許婚者が二人ということは大変なことになりますね、すみません。でも男冥利に尽きます、いい芝居が出来ると思っています。どうぞよろしくお願いします。 」
山崎直子さん(アントニア)
山崎直子


 初めて『ラ・マンチャの男』に出演することになりました、宜しくお願いします。私は子供の頃からミュージカルが大好きで憧れていましたので、このような歴史のある素晴らしい作品に参加させていただける事が本当に幸せで、噛み締めている毎日です。長く演ってこられている方が殆どなので、とにかく頑張って付いて行きたいと思います。演出の幸四郎さんを始め、キャスト、スタッフの方、そしてお客様からもいろいろなものを吸収して一日一日、精一杯やれることを頑張りたいと思います。よろしくお願いします。」

上條恒彦さん(牢名主/宿屋の亭主)
上條恒彦
 初演(1969年)の牢名主役が小沢栄太郎先生だったそうです。僕は拝見していないのですが、1977年に日生劇場で亡くなった上月晃さんと一緒に『ラ・マンチャの男』に参加した時に、小沢先生が楽屋にいらっしゃって、その時にお目に掛かりました。おそらく小沢先生は今の僕ぐらいの年齢だったんじゃないだろうかと思います。確かに長いこと演らせていただいて来ましたが、ようやく小沢先生の年齢に届いたな、という感じがありますのでここで初心に戻って頑張って演っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。」

 会見場の出口では、報道陣一人一人にも“Koshiro 2000”という文字がデザインされたラッピングに包まれた深紅の薔薇が手渡され、この記念・記録づくめ、そして話題満載の公演に文字通り華を添える演出で締め括られたこの日の製作発表会見。
 「夢とは、夢を叶えようとする、その人の心意気だ。」という松本幸四郎丈は、今回どのような夢を我々観客に観せてくれるのでしょうか。

ミュージカル
  
『ラ・マンチャの男』

《名古屋公演》
日程  2005年5月1日(日)〜5月28日(土)
会場  名鉄ホール 
料金  S席 14,000円  A席 9,000円 
(消費税込)
前売  2005年3月1日(火) 一般前売開始
お問合せ  名鉄ホール 052-585-7810

《東京公演》
日程  2005年6月4日(土)〜6月29日(水)
会場  帝国劇場
料金  S席 12,500円  A席 8,000円  B席 4,000円
(消費税込)
前売  2005年3月19日(土) 発売および電話予約開始
お問合せ  帝国劇場 03-3213-7221

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