シアターフォーラム    
シアターフォーラム 名作オペラの原点が蘇る! 大地真央主演『トスカ』製作発表

会見風景
 19世紀のフランスで空前の評判を博したかの有名な大女優サラ・ベルナールの為にヴィクトリアン・サルドウが書いた戯曲『ラ・トスカ』。
 後に巨匠プッチーニの手によってオペラとなったことで、さらにその名を高めた物語が、2005年4月〜5月に東京・大阪・新潟で上演されることになり、その製作発表会見が都内で行われました。

 今回、主役の情熱的な美貌の歌姫・トスカを演じるのは大地真央さん。その彼女に横恋慕するローマの警視総監・スカルピアに篠井英介さん、トスカの恋人である画家・カヴァラドッシに綱島郷太郎さん、元ローマ共和国の総督で政治犯として囚われていた脱獄囚・アンジェロッティに小林十市さん、さらに細貝弘二さん、石田圭祐さんというキャスティング。

 原作の戯曲は登場人物が100人近い大スペクタクルとして書かれていますが、「この度の上演では本当に根幹となる人物6人だけを抜き出して脚色し、演劇的な事件は全て入ったエンターテイメントな作品として上演したい。」と上演台本を担当した笹部氏は語ります。

 しかも客席数530席の草月ホールでの上演と言う事で、真に濃密で凝縮された空間で、息もつかせぬほどの物語が展開されるということ。
 特に、愛に一途で嫉妬深い歌姫トスカと警視総監スカルビアとの駆け引きは、演劇史上最もエキサイティングなやりとりと言われるほど見応え満点の場面で、果たして今回はどのような緊迫した応酬が行われるのか、大いに楽しみなところです。


 会見で大地さんは「小劇場と言いますか、このようなサイズの劇場で演らせていただくのも初めてですし、6人と言う小人数でお芝居を創るということも初めてです。そして共演してくださる方々も全く初めての方ばかりと、初めてづくしなので、とても緊張しつつ楽しみにしているんですけれども、本読みの段階で「うゎー、大変な役だな。」という感じが正直しています。
 でもやっぱり、大変だなと思える作品は今までも大変であればあるほど燃えますし、とても演りがいがあるということを知っていますので、約一ヶ月お稽古していく中で、トスカの大地真央になるのか、大地真央のトスカになるのか、創り上げて行きたいと思っております。私が一番楽しみにしているのかもしれません。初めての挑戦ですけれども頑張りたいと思います。」と、新たな挑戦への抱負を語ります。

 また今回は敵役となる篠井さんは「元の戯曲は本当はクラシカルで、大仕掛けで、大人数がワーッと出てくるようなものですが、それをたった6人で、割とキュッとしている草月ホールでやる訳です。ですから僕たち俳優は、何の助けも無く素裸でこの大ロマン劇に挑戦させられていると言う事で、タイトルロール=ヒロインの大地さんは大変だと思うのですが、我々も大地さんの大輪のバラのトスカと共に、これぞ演劇、これぞ劇場でしか観ることが出来ないエキサイティングなものになるように頑張りたいと思います。
 ある意味我々舞台俳優にとっては、これほど挑戦的で難しいながらも冥利に尽きるものは無いように思うんですね。ですから、それを目掛けて頑張りたいと思っております。これぞ日本のサラ・ベルナールという、大地さんのお姿を見れば分かるように、絶対にこれはとてもいいものになりますし、栗山民也さんも今の日本を代表する演出家でいらっしゃるので、お二人の力で――我々もバックアップしながら――「演劇っていいねぇ!」と言うものに成るべく頑張っておりますので、宜しくお願い致します。」と、こちらも意欲に満ちたコメント。

 そしてこの舞台の振付も兼ねる小林十市さんは「僕の師匠、モーリス・ベジャールに「今度はトスカをやります」と言ったところ、「アンジェロッティは実在した人物でナポレオンの友達なんだ」と言われて、「おっ、これは実在した人物なのか」と驚きました。自分がまだその時代の歴史背景を解かっていない分、どう言う風にこれを演じれば良いのか、というのが一つの問題で色々調べたのですが、アンジェロッティという名前はどこにも見当たらず、多分サルドウは実在した人をモデルに書いたんだろうな、と思います。
 後は貴族出身と言う事で、その政治的思想とか、その美術、絵画思想とか全てを含めて、どう言う風にこの脱獄してきた人を演じればいいのだろうと、――まだ読み合わせの段階なので立ち稽古に入ってから色々変わってくると思うのですが、――その辺を気を付けながら、生きた言葉というものを舞台で勉強出来ればいいなと思っています。今回、お芝居は2回目ということで、またベテランの皆様とご一緒させていただいて凄く光栄です。」と言う事ですが、鍛え上げられた肉体の存在感は大いに期待されるところです。

また、トスカの恋人カヴァラドッシを演じる綱島郷太郎さん、その世話役・ゼッナリイノ役の細貝弘二さんは、
 「豪華なキャストと信頼できる演出家と一緒に一つの舞台を創り上げていけるという事がとても幸せです。演じる方にも観る方にも刺激のある作品になると思います。」(綱島さん)
 「自分の科白がこの芝居の第一声なので、最初からずっこけないように出来ればと思っています。」(細貝さん)
 と、それぞれに期する所が有る様子。


 主人公のトスカには、この役を演じたサラ・ベルナールの面影が色濃く反映されていると言われ、舞台と現実の見境が無くなるほど、日常生活でも非常に華やかな女優で、渾然となるほどのチャーミングさを持った、「女の中の女、筆舌に尽くしがたい素敵な女。」(スカルピアの科白より)と言われる役どころ。

 「日本で演るとすれば大地さんだとパッと思ったし、誰もがそう思うベストキャスト。」と主催者がコメントすれば、篠井さんも「日本では「愛に生き、舞台に生き」ならば大地さんしかいない。チャーミングで他に類を見ないヒロイン。」と絶賛します。

 「喜怒哀楽が激しい女性で多面性を持っていて、パッパッと変わる感情をストレートに表すので、演じる側としてはエネルギーが必要ですね。回りを振り回すことになると思いますが、6人のチームワークで心を通わせ、自分と共演者を信じて力を合わせて演っていきたい。」とこの作品に掛ける意気込みを語った大地さん。

 今回の舞台は、19世紀に書かれた純愛と憎しみの物語が、新たな息吹に目覚める話題作となりそうです。

大地真央
大地真央
篠井英介
篠井英介
綱島郷太郎
綱島郷太郎
小林十市
小林十市
細貝弘二
細貝弘二

笹部博司 (上演台本)

【STORY】
 フランス大革命直後のローマ。画家マリオ(綱島郷太郎)に政治犯チェザレ(小林十市)が脱獄して現れる。父とチェザレが同志だったこともあって、マリオは恋人のフロリア・トスカにも秘密で彼をかくまう。しかし、マリオを怪しんでいた警視総監スカルピア(篠井英介)は、まるでマリオに女がいるような芝居を打ち、嫉妬深いトスカの性格を利用して脱獄犯をあぶり出す計画に出る。

【CAST】
 フロリア・トスカ(歌姫) 大地 真央
 マリオ・カヴァラドッシ(画家、トスカの恋人) 綱島郷太郎
 チェザレ・アンジェロッティ(政治犯) 小林 十市
 ゼッナリイノ(教会の壁画を描くマリオの世話役)  細貝 弘二
 スキアルロオネ(スカルピアの部下) 石田 圭祐
 スカルピア男爵(警視総監) 篠井 英介

レダ・プシシルマ presents
 
『トスカ』
  作:ヴィクトリアン・サルドウ  演出:栗山民也  上演台本:笹部博司

《東京公演》
会場  
草月ホール(港区赤坂 7-2-2) 
日程  
2005年4月11日(月)〜4月24日(日)
料金  
10,500円 (全席指定・税込)  未就学児童入場不可
お問合せ  
キョードー東京 03-3498-6666  

《大阪公演》
会場  
シアター・ドラマシティ
日程  
2005年4月26日(火) 18:00 / 4月27日(水) 14:00 18:00
料金  
10,500円 (全席指定・税込)  未就学児童入場不可
お問合せ  
キョードー大阪 06-6233-8888

《新潟公演》
会場  
りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)劇場
日程  
2005年5月1日(日) 15:00 / 5月2日(月) 13:00 19:00
料金  
S席 9,000円  A席 7,000円  B席 5,500円 (税込)
お問合せ  
りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521

企画・制作 キョードー東京 

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「トスカ」集合写真

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