舞台衣裳・メークのままで会見に臨んだ4人の方々は、初日を迎えた感想を聞かれて、
「私はこの役を9年間演らせていただいているんですけれど、毎回毎回演る度に初心に戻ると言うか、ドキドキはこれには欠かせないですね。始めのうちはいろんな役を演っておりますので、――皆さんもう、ご存知の通りだと思うんですけれども、――本当に「また、熱い『レ・ミゼ』が開いたぞ!」という感じ、開幕したって感じでとても今日は興奮していますね。かなり興奮していまして、――皆さんも多分そうだと思うんですけれども――是非是非皆さんに観ていただきたい。この一言でございます。」(森さん)
「僕も2003年に始めて『レ・ミゼラブル』に出させていただいたんですけれど、学生時代に帝国劇場でやった日本の『レ・ミゼ』の初演を観て、「ああ、俳優って本当にいい仕事だなあ」と思った作品だったので、オーディションをしてこの作品にジャン・バルジャンと言う役で出させていただいて、しかもこの再演・2005年の新しいカンパニーでまたこうやって初日を迎えられたのを本当に嬉しく思っています。・・・ちょっと僕も興奮してますね(笑)」(別所さん)
「私は本当に初めての『レ・ミゼラブル』で、一昨年初めてこの作品を観て「何で今までこの作品を観ていなかったんだろう」と自分の今までの人生をちょっと後悔してしまうくらいに衝撃を受けた作品だったので、今こんな形で自分が森さんだったり、別所さんやマルシアさんと一緒に同じ舞台に立てているのが凄く幸せです。」(知念さん)
「もう最高ですね〜!、もう凄く、今日は最高の初日です。ファンテーヌはちょっと早めに死んでしまうんですけれども、その後の役が有って、凄くずーっと、ずーっと動いているんです。私ちょっと恐怖がございましてね、以前の2003年の初日に私のマイクが死んでしまって、その時この帝劇でナマで歌ったのですよ。その恐怖がどこかチラホラございましたが、本当に今日は無事で何よりで、最高の初日!、私の本当の初日かもしれない。ありがとうございます。」(マルシアさん)
と、いずれも初日の熱い興奮から未だ醒めやらぬ様子。
すると、ここで当日に発行され、帝国劇場と有楽町駅前で配られた、開幕を知らせる“特別号外”がキャストにも届けられます。手に取った面々は「これ今日の?」「凄いね!」「あ、この人一番前に座っていた!」「読売新聞凄いね!」「2000回に向けて、凄いなあ!」「ありがたい!」と感心することしきり。
森さん「これだけ凄い作品なんだという事を皆さんに知っていただくためにも、やっぱり「今観ないと損ですよ」とね。」
別所さん「本当ですよ。今回は2000回に向かってのカウントダウンで、この『レ・ミゼラブル』を一回一回僕らも演らせていただくことになっているので」
森さん「2000回やっている人たちは実際にスタッフの中に居るんですよ。私たちはWキャストで変わったり、トリプルとかクワトロになっていますけれども、オーケストラの中にもいらっしゃいますし、本当に2000回を迎えている方が居ると思うと、やっぱり凄いことだなあと思いますね。」
別所さん「森さんは金歯も特製で作っていますから。」
森さん「アレ、十万掛かったんですよ」
知念さん「えーーっ!!」
森さん「いや、「金(キン)が有るぞ」って歯の中から抜くシーンが有るから、「あ、次のシーンであの金を活かすためには私がハメているのがいいかな」と思って、金に塗ってみたんですけれど、やっぱり塗るよりは作った方がいいと思って作っちゃった(笑)」
と、驚きの裏話も飛び出します。
知念さん以外は2003年に行われた前回の公演にも出演されていましたが、今回の公演との違いについて
「今回も更に更にヴァージョンアップして、物凄くパワフルになってきているんだと思うんですよ。だから、何回観た方でも――本当に『レ・ミゼ』ファンって沢山いらっしゃいまして、コアなファンが何回も観てらっしゃるんですけれど、――「毎回観る度に新鮮だ」というお答えが返ってくるんです。というのはやはり、それだけヴァージョンアップしているという事だと思うんですね。だから毎日毎日、毎回毎回が、明日の昼もまたさらに今日よりもヴァージョンアップしていって、・・・何か、生き物ですね、正に。生きていて、どんどん大きくなっていく、まさに私の体重みたいな(笑)、どんどん膨らんでくる、と言う感じがしますけれども。」(森さん)
「僕も2003年と今回と2回、ここの帝国劇場に『レ・ミゼラブル』で立たせていただくんですが、2003年の時に叶わなかった“幻(まぼろし)組”という組み合わせも今回実は有って、ジャベールとかマリウスとか、そういった人たちで前回出来なかった組み合わせが今回叶って出来ますし、また知念さんを始め新しい方、アンサンブルの方も沢山の新しい方が加わって、――とにかく何万通りも有るんですって、組み合わせが、――その組み合わせが毎回、この帝国劇場で一回一回セッションのように、森さんも言いましたけれど生き物のように動くので、この辺が醍醐味ですね。だから何回演っても僕らも新鮮ですし、何回演っても発見があるんですよ。」(別所さん)
「再演ですけれども、再演で凄く悩んじゃって「どうしよう、ああしよう」って、私自身がホント一週間くらい大変でした。「再演だからいいじゃない」って仰る方が多いんですけれども、再演だからこそやっぱり狙う所が違ったり、前回の反省を含め今回はちょっと、実験じゃないですけれどやらせていただいている事が多く、――実際に出来ているかは別にして、――本当にいろいろチャレンジしてますね。生きてます、というつもりです。だから再演こそ大変な部分がございました。」(マルシアさん)
と、進化し続ける『レ・ミゼラブル』の魅力について語ります。
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