シアターフォーラム    
シアターフォーラム さらなる進化を目指して 2005年『レ・ミゼラブル』公演スタート

 「舞台・客席!! みんなでつくろう『レ・ミゼラブル』」を合言葉に、日本初演から18年目となる2005年の上演を迎えたミュージカル『レ・ミゼラブル』。
 今年は1900回、そして2000回と言う大きな節目の公演を迎えることになりますが、その記念すべき初日が3月8日(火)に帝国劇場で幕を開け、客席は待ちわびていたファンで満員の盛況となりました。

 そして終演後、当日のキャストである、別所哲也さん(ジャン・バルジャン)、森公美子さん(マダム・テナルディエ)、知念里奈さん(コゼット)、マルシアさん(ファンテーヌ)の4人の会見が、セットが飾られたままの熱気の残る舞台上で行われました。

 舞台衣裳・メークのままで会見に臨んだ4人の方々は、初日を迎えた感想を聞かれて、

 「私はこの役を9年間演らせていただいているんですけれど、毎回毎回演る度に初心に戻ると言うか、ドキドキはこれには欠かせないですね。始めのうちはいろんな役を演っておりますので、――皆さんもう、ご存知の通りだと思うんですけれども、――本当に「また、熱い『レ・ミゼ』が開いたぞ!」という感じ、開幕したって感じでとても今日は興奮していますね。かなり興奮していまして、――皆さんも多分そうだと思うんですけれども――是非是非皆さんに観ていただきたい。この一言でございます。」(森さん)

 「僕も2003年に始めて『レ・ミゼラブル』に出させていただいたんですけれど、学生時代に帝国劇場でやった日本の『レ・ミゼ』の初演を観て、「ああ、俳優って本当にいい仕事だなあ」と思った作品だったので、オーディションをしてこの作品にジャン・バルジャンと言う役で出させていただいて、しかもこの再演・2005年の新しいカンパニーでまたこうやって初日を迎えられたのを本当に嬉しく思っています。・・・ちょっと僕も興奮してますね(笑)」(別所さん)

 「私は本当に初めての『レ・ミゼラブル』で、一昨年初めてこの作品を観て「何で今までこの作品を観ていなかったんだろう」と自分の今までの人生をちょっと後悔してしまうくらいに衝撃を受けた作品だったので、今こんな形で自分が森さんだったり、別所さんやマルシアさんと一緒に同じ舞台に立てているのが凄く幸せです。」(知念さん)

 「もう最高ですね〜!、もう凄く、今日は最高の初日です。ファンテーヌはちょっと早めに死んでしまうんですけれども、その後の役が有って、凄くずーっと、ずーっと動いているんです。私ちょっと恐怖がございましてね、以前の2003年の初日に私のマイクが死んでしまって、その時この帝劇でナマで歌ったのですよ。その恐怖がどこかチラホラございましたが、本当に今日は無事で何よりで、最高の初日!、私の本当の初日かもしれない。ありがとうございます。」(マルシアさん)

と、いずれも初日の熱い興奮から未だ醒めやらぬ様子。


 すると、ここで当日に発行され、帝国劇場と有楽町駅前で配られた、開幕を知らせる“特別号外”がキャストにも届けられます。手に取った面々は「これ今日の?」「凄いね!」「あ、この人一番前に座っていた!」「読売新聞凄いね!」「2000回に向けて、凄いなあ!」「ありがたい!」と感心することしきり。

森さん「これだけ凄い作品なんだという事を皆さんに知っていただくためにも、やっぱり「今観ないと損ですよ」とね。」
別所さん「本当ですよ。今回は2000回に向かってのカウントダウンで、この『レ・ミゼラブル』を一回一回僕らも演らせていただくことになっているので」
森さん「2000回やっている人たちは実際にスタッフの中に居るんですよ。私たちはWキャストで変わったり、トリプルとかクワトロになっていますけれども、オーケストラの中にもいらっしゃいますし、本当に2000回を迎えている方が居ると思うと、やっぱり凄いことだなあと思いますね。」
別所さん「森さんは金歯も特製で作っていますから。」
森さん「アレ、十万掛かったんですよ」
知念さん「えーーっ!!」
森さん「いや、「金(キン)が有るぞ」って歯の中から抜くシーンが有るから、「あ、次のシーンであの金を活かすためには私がハメているのがいいかな」と思って、金に塗ってみたんですけれど、やっぱり塗るよりは作った方がいいと思って作っちゃった(笑)」
と、驚きの裏話も飛び出します。


 知念さん以外は2003年に行われた前回の公演にも出演されていましたが、今回の公演との違いについて

 「今回も更に更にヴァージョンアップして、物凄くパワフルになってきているんだと思うんですよ。だから、何回観た方でも――本当に『レ・ミゼ』ファンって沢山いらっしゃいまして、コアなファンが何回も観てらっしゃるんですけれど、――「毎回観る度に新鮮だ」というお答えが返ってくるんです。というのはやはり、それだけヴァージョンアップしているという事だと思うんですね。だから毎日毎日、毎回毎回が、明日の昼もまたさらに今日よりもヴァージョンアップしていって、・・・何か、生き物ですね、正に。生きていて、どんどん大きくなっていく、まさに私の体重みたいな(笑)、どんどん膨らんでくる、と言う感じがしますけれども。」(森さん)

 「僕も2003年と今回と2回、ここの帝国劇場に『レ・ミゼラブル』で立たせていただくんですが、2003年の時に叶わなかった“幻(まぼろし)組”という組み合わせも今回実は有って、ジャベールとかマリウスとか、そういった人たちで前回出来なかった組み合わせが今回叶って出来ますし、また知念さんを始め新しい方、アンサンブルの方も沢山の新しい方が加わって、――とにかく何万通りも有るんですって、組み合わせが、――その組み合わせが毎回、この帝国劇場で一回一回セッションのように、森さんも言いましたけれど生き物のように動くので、この辺が醍醐味ですね。だから何回演っても僕らも新鮮ですし、何回演っても発見があるんですよ。」(別所さん)

 「再演ですけれども、再演で凄く悩んじゃって「どうしよう、ああしよう」って、私自身がホント一週間くらい大変でした。「再演だからいいじゃない」って仰る方が多いんですけれども、再演だからこそやっぱり狙う所が違ったり、前回の反省を含め今回はちょっと、実験じゃないですけれどやらせていただいている事が多く、――実際に出来ているかは別にして、――本当にいろいろチャレンジしてますね。生きてます、というつもりです。だから再演こそ大変な部分がございました。」(マルシアさん)

と、進化し続ける『レ・ミゼラブル』の魅力について語ります。

 

別所哲也
別所哲也(ジャン・バルジャン)

マルシア
マルシア(ファンテーヌ)

知念里奈
知念里奈(コゼット)

森公美子
森公美子(マダム・テナルディエ)


号外を手にした4人




そして、今回が初参加となる知念さんが「私はコゼットの役を演っているんですけど、コゼット以外にも民衆だったりとか、娼婦の役とか、出ているのが凄く面白いですね。何か別人になれて。」と話すと、すかさず森さんが「そうなんですよね。ここまで来ると普通はその役くらいですけれどね、知念ちゃんが「♪ラブリィ・レイディ」で娼婦演っているんですから、私そっちの方が「おぉーっ!」って。皆さん、知念ちゃんのファンは驚かれるんじゃないか、って思うんですけれど。」と、新しいファンに向けてのポイントを解説。


 今回、残念なのはファンテーヌ役を演じる予定だった本田美奈子.さんが急性骨髄性白血病のために降板を余儀なくされてしまったこと。全キャストからの本田さんへのメッセージがロビーに飾られており、ファンも自由に書き込めるようになっていて、皆が一日も早い回復を祈っています。

 「この『レ・ミゼ』って本当にファミリーみたいなところが有って、家族として一日一日稽古を刻んで来ているので、僕も凄く楽しみにしていた本田さんとの共演が今回は叶わない訳ですけれども、本当にみんなで、この舞台から「頑張れ!」というつもりで応援を送って、いつか必ずや共演をしたいな、と思っていますし、白血病って絶対治る病気だと今僕らは信じていますから、いつか必ずこの『レ・ミゼ』の舞台に戻って来てくれると信じています。」と別所さんがエールを送れば、森さんも「もう『レ・ミゼ』自体が19年続いている訳ですから、これから何年続くか解らない訳でしょ。だから、全然今、焦らなくていいんです。とにかく美奈子の部分は取ってありますから、いつでも元気になって戻って来たら演れる場所が有るから、安心して治療して欲しい。うん、焦らないで、っていうことでね。いつでも私たち待ってますよね。」と励ましの言葉。

 そして続けての、
森さん「・・・て言うか、私たち変わるかも知れないけれど(笑)、『レ・ミゼ』は変わらないですから。」
別所さん「俺も本当に爺さんになってしまうかもしれないし」
森さん「私も9年前から演っていると思うと、ちょっと齢取ったなと思って。息切れていなかったところで、息切れてる、みたいな(笑)」
別所さん「みんなで寄せ書きもしましたし、寄せ書きの気持ちが届くといいですね。」
森さん「本当、待ってますよ。私、彼女がエポニーヌを演っていた時から一緒で知ってますけれど、その頃からの歌唱力とかが、また凄く良くなっていたんですよ。だからね、神様がちょっと休みをくれたんだろうな、って思いますね。」という会話にも、本田さんを思いやる気持ちが滲み出ます。


 特に、同じファンテーヌ役のマルシアさんは、想いも人一倍の様子で、「今日はちょっと・・・そういう気持ちもあって、複雑でしたね、自分が舞台に立ってて。本来は今日彼女がここに居る、っていう予定だったんで、美奈子さんのファンには、ホントに今日は申し訳ない、私で演らせていただいて。・・・さっき喜んで「初日、最高でした。」って言っていたんですけれど、本番に入る前はずっと「美奈子さん、頑張ろう」って。ちょっと複雑な気持ちです。彼女の分まで頑張ります。早く帰って来て。」と、時に声を詰まらせる場面も見られました。


 最後に、お客様へのメッセージとして

 「とにかく今年の『レ・ミゼ』は、またパワーアップしてます。今この『レ・ミゼ』を観ることによって何か自分の中で変える事が出来るかもしれないし、何か見つける事が出来るかもしれない。凄くきっかけになるミュージカルだと思います。是非皆さん、観に来てください。待ってます。」(森さん)

 「2005年の『レ・ミゼラブル』、こうやってまた帝国劇場でスタートする事が出来ました。僕は本当に前回、帝国劇場に足を運んでくださるお客様に育てられた、という感じが凄く強くて、そのお陰でまたこうやってジャン・バルジャンを演らせていただいているんですけれど、「人間って凄い! 生きているって凄い!」って事を、この舞台は教えてくれる所があって、それを皆さんと分かち合いたいと思いますので、是非舞台にいらしてください。」(別所さん)

 「私がそうであったように、生きて行く上の何かヒントみたいなものが見つかるような作品です。是非是非、「ミュージカルは観た事がない」という方も、若い方にも沢山観に来て欲しいなと思います。待ってます。」(知念さん)

 「3ヶ月間、みんなで新たな再演を、凄くパワーアップしたものを創っていきたいと思います。個人的にはいろいろと去年はお騒がせしましたが、それ以来では初めての舞台なので、本当に頑張ってみんなで歌います。」(マルシアさん)

と締めくくった出演者たち。
 これから3月23日(水)・昼の部の1900回、そして5月24日(水)夜の部の2000回を経て、5月29日(日)までの3ヶ月間、帝国劇場では舞台も客席も熱い日々が続くことになります。



ミュージカル『レ・ミゼラブル』

日程  2005年3月8日(火)〜5月29日(日)
会場  帝国劇場
料金  S席 13,500円  A席 9,000円  B席 4,000円
 (税込)
お問合せ  03-3213-7221 帝国劇場

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