今年で第30回目を迎えた“菊田一夫演劇賞”
映画・演劇の分野で原作・脚本・演出などを手掛け、数々の名作を世に送り出した菊田一夫氏(1908〜1972)の功績を記念して1975年度に創設され、優れた大衆演劇を毎年顕彰するもので、演劇界でも権威ある賞として知られています。
毎年、故菊田一夫氏の命日にあたる4月4日に、菊田一夫演劇賞選考委員会(委員長 松岡 功氏)より受賞者が発表されますが、今年度は大賞に『ミス・サイゴン』のスタッフ・出演者一同が選出されました。
大賞を受賞したミュージカル『ミス・サイゴン』は、2004年8月10日(プレビュー初日)〜11月23日にかけて106日間で全174回の公演が東京・帝国劇場で行われ、12年ぶりとなる再演、全役がトリプル・クウァトロキャストで演じられるなど、そのスケールの大きな舞台と共に話題を呼びました。
また日本での初演時は、1992年4月から翌1993年9月まで、504日問、745ステージのロングランで、111万人の観客動員を記録し、エンジニアを演じた市村正親さんが1993年・第18回の菊田一夫演劇大賞を受賞、翌年1994年・第19回の菊田一夫演劇賞では、『ミス・サイゴン』の上演関係者に特別賞が贈られています。
今回、菊田一夫演劇賞を受賞された方々、ならびに受賞理由は以下の通りです。
第三十回菊田一夫演劇賞
一、菊田一夫演劇大賞 (正賞 記念品)(副賞 金百萬円也)
『ミス・サイゴン』スタッフ・出演者一同 (『ミス・サイゴン』の高い舞台成果に対して)
一、菊田一夫演劇賞 (正賞 ウオルサム高級時計)(副賞 金五拾萬円也)
段田 安則 (『おもろい女』の玉松一郎、『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』の三郎の役の演技に対して)
大浦みずき (『ナイン』のリリアン・ラ・フルール、『NEVER
GONNA DANCE』のメイベル・ブリットの役の演技に対して)
永吉 京子 (『細雪』のお春、『三婆』の花子の役の演技に対して)
一、菊田一夫演劇賞特別賞 (正賞 ウオルサム高級時計)(副賞 金五拾萬円也)
橋田壽賀子
石井ふく子
(芸術座の歴史において一ジャンルを築き上げた優れた創作活動の成果に対して)
演劇賞ならびに演劇賞特別賞正賞の時計は、平和堂貿易株式会社の提供によるものとなります。
また、同賞の授賞式は4月18日(月)に都内にて行われます。
《 菊田一夫演劇賞趣旨 》
我国演劇界に偉大なる足跡を残された菊田一夫氏の業績を永く伝えるとともに、氏の念願であった演劇の発展のための一助として、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する。
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