日本でも大ヒットしたウイーンミュージカル『エリザベート』を輩出した、ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(作曲)のコンビが1999年に産み出した『モーツァルト!』。
日本初演は20D2年、東京・大阪と3ヶ月に渡って上演されて大絶賛を浴び、以降再演の要望が高かったこの舞台が、2005年6月:大阪・梅田芸術劇場、7-8月:東京・帝国劇場、10月:名古屋・中日劇場、11月:福岡・博多座と全国を縦断する公演が実現することとなり、その大阪と東京公演に向けてスタッフ・キャストが一堂に会しての顔寄せと記者会見が、5月6日に都内の稽古場にて行われました。
3年ぶりの上演となる今回は新しいキャストも参加していますが、他の舞台で共演している出演者も多いようで、稽古場は和やかな雰囲気。また話題性の高さ故か、ゴールデンウィークの途中にもかかわらず、TVカメラ10台と大勢の報道陣・カメラマンが集まり、これには関係者もいささか驚いた様子を見せます。
この再演でも演出を担当するのは宝塚歌劇団の小池修一郎氏。訳詞も手掛ける小池氏は、1996年宝塚での『エリザベート』初演以来、宝塚5組での公演、2000年からの東宝版、そして2002年の『モーツァルト!』と、日本での公演全てを演出していずれも大成功を納め、それを記念して2005年3月30日には、ウイーンで「ウイーン・ミュージカルの日本における成功」記者会見も行われています。
そして主役のヴォルフガングには前回の公演同様、井上芳雄さん、中川晃教さんのWキャスト。
東京芸大声楽科在学中に、2000年の東宝版『エリザベート』でデビューし、今では若手ミュージカル俳優のトップスターとして活躍中の井上さん。2002年の『モーツァルト!』で、文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、読売演劇大賞優秀男優賞を受賞する衝撃的なミュージカルデビューを果たした中川さん。この2人が3年ぶりの再演でどんな新しい魅力と成長の跡を見せてくれるのでしょうか。
共演者は、モーツァルトの妻・コンスタンツェに、初演にも出演した西田ひかるさん(7月)、初参加の木村佳乃さん(8月)のWキャスト。ヴァルトシュテッテン男爵夫人には、前回も出演の久世星佳さん(7月)と、初登場の香寿たつきさん(8月)という、共に宝塚歌劇団出身のお二人がWキャストとなります。
さらに、モーツァルトの姉・ナンネールに高橋由美子さん、コロレド大司教に山口祐一郎さん、モーツァルトの父・レオポルトには市村正親さんが前作に引き続き出演するという、豪華な配役が揃いました。
顔寄せの席上、演出の小池氏は集まった報道陣に目を向け、「皆さんの表情が硬いと大変つまらない出し物に感じてしまいますので、是非今の様ににこやかに参りましょう。」と出演者に向けて第一声。
そして「再演と言いつつも実は凄く新しいメンバーが多くて、私たちは年齢を取りましたが、その分若返らせてくれている方たちも居らっしゃいます。今は毎日洗い直し、かつ――皆も私も忘れていますので、――改めて創っている、ということで、お客様にとっても、前に観たものと同じ作品ですけれども、観たらとても発見があるんじゃないか、と思います。ですから頑張りましょう。宜しくお願いします。」と力強く語ると、出演者からは大きな拍手が沸き起こります。
その後、プリンシパルの方々から一言づつ御挨拶があり、締め括りにはデモンストレーションとして、1幕の最後に歌われるナンバー「♪影を逃れて」が、井上芳雄さんと中川晃教さん、そしてアンサンブルによる特別バージョンで披露され、3年間という時間を感じさせない初演の感動が蘇るような熱唱に、今回の再演への期待が大きく膨らむのを感じました。

なお、この顔寄せの模様やキャストのコメント、そして顔寄せ終了後に行われた、井上さん、中川さん、西田さん、木村さんの会見は、改めて動画での掲載を準備中です。稽古場の雰囲気や出演者のナマのコメントなどお伝え出来ると思いますので、どうぞお楽しみにお待ち下さい。