シアターフォーラム    
シアターフォーラム 『レ・ミゼラブル』上演2000会記念・特別カーテンコール
 バリケードが改めて組み上げられ、「祝 2000回達成!」の電飾パネルが光り、紙吹雪が舞う中、当日もテナルディエ夫人を演じた森公美子さんが下手よりスポットを浴びて登場します。

「1987年6月11日に、この帝国劇場にて『レ・ミゼラブル』誕生いたしました。それから約18年の年月を経て2005年・・・(涙で声にならず。客席から「頑張れ!」の声と拍手)・・・5月24日、本日2000回を迎えることとなりました(客席拍手)。この18年間には多くの出演者の皆様、そして多くのオーケストラの皆様、多くのスタッフの皆様が携わっていらっしゃいます。その皆様が居らっしゃったからこそ、こうして2000回を迎えられる事が出来たと、そしてこうして『レ・ミゼラブル』を愛してくださいますお客様がいらっしゃいましたからこそ迎えられた事と、感謝の言葉に耐えません。本当にありがとうございます。
 それでは、さっそく出演者の皆様、そしてお祝いに駆け付けてきた皆様、皆様をご紹介します。どうぞ!。」

 (音楽と共にバリケードが左右に分かれ、奥より出演者たちが揃って舞台に登場)

「すみません、余り嬉しかったものですから、涙が出ちゃって・・・(客席拍手)。今日出演していただいた皆さんにちょっとお話をお伺いしたいと思います。石川さん! 何年ぶりでしたか、忘れちゃって・・・(笑、拍手)。」

石川「一応6年ぶり位になりますか・・・5年10ヶ月位ぶりですね。」
「あ、それだけ?」(客席笑)
石川「ええ。」
「そうでしたか。で、いかがですか。」
石川「とても幸せだなと思ったのは、この役は賞味期限という(客席笑)のが有りまして、僕は6年前に終わったと思ってました。「あの時、こうしておけば良かった!」とか、「ああ、ここはこうだったんだ!」とか、そういう事が一杯出て来ました。それをこの2000回と言う記念の日に皆さんの前で演らせていただくことが出来た。非常に・・・幸せです。ありがとうございます。」

「この前まで・・・ちょっと前まで出ていたんですけれど、岡幸二郎さん。」
「22日、一昨日にジャベールで、ここで千穐楽を迎えて、若返りの為にパーマを当てに行き(場内笑)、今こうして改めて、本当にこの作品が好きなんだなと言う事が・・・(涙で言葉に詰まる。場内拍手)」

「島田歌穂さん、いかがですか。」
島田「本当に4年前に、自分なりに『レ・ミゼ』に感謝して封印をさせていただいたんですけれども、まさかこの舞台に立てると思わなくて、本当に幸せです(涙声)。8回だけですね・・・でも精一杯、本当に感謝の気持ちを込めて頑張ります。本当にありがとうございました。」

「それでは斎藤さん、どうぞ。」
斎藤「何?」(場内笑)
「何?じゃなくて、みんな言っているでしょう。」(場内笑)
斎藤「僕もミレニアム・・・2000年のミレニアムというんですか、そこまで演ったんですね。2001年?・・・2001年まで演ったんですか? 2月まで? そうですね。もう演れないと思っていましたから、こんなことだったらね、もっとちゃんと稽古しておきゃ良かったですね(場内笑)。つくづくそう思っております。ありがとうございました。」

「では、岩崎さん。」
岩崎「私も初め、またファンテーヌの話を頂けた時に嬉しいのと、それからもう一つは・・・続けて8回公演も出来るのかな、という不安と、それから色んな思いがありました。でもいい時間が経ってまた違ったファンテーヌをお見せすることが出来たと思っているので、本当に幸せに思っています。ありがとうございます。」

「キヨも言っておきなさい。」
今井「あ、俺? はい。」(場内笑)
今井「数年前・・・6、7年前ですかね、私、劇団四季と言うところに居て、それで『オペラ座の怪人』を演っていたんですけれども、その時に、ここに居る鹿賀さんと斎藤晴彦さんと森クミちゃんと禅ちゃんも来てくれて、後、宏美ちゃんも観に来てくれて・・・歌穂は居なかったね(笑)、幸二郎も居なかったけれど(場内笑)、その時に終わった後食事をしながら皆で話していて「もう2度とこのメンバーで一緒にやることは無いね。」って話をしていたんですけれども、人生って何が起こるか解かりませんね(場内笑)。このメンバーでもう一度出来ました。今日まで頑張っていて良かったなと思います。」

「知念ちゃんも。」
知念「私なんか本当に今回初めて、『レ・ミゼラブル』新人なので、この皆様と一緒にこのステージの上に立てて居る事が何か申し訳無いと言う感じなんですが、本当に本番前から只ならぬ雰囲気で(場内笑)、凄く今日は――3ヶ月ずっと演ってきたんですけれど――今日は物凄く緊張しました。皆さんから一杯お勉強したいと思っています。宜しくお願いします。ありがとうございます。」

「それでは、何年ぶりでしょうか、このジャベール役は。鹿賀さん、お願い致します。」
鹿賀「36歳の時にジャン・バルジャンとジャベール、両方を2年間演りまして、その後はずっとジャン・バルジャンを演り続けました。今日、16年ぶりにジャベールを演じました。僕は俳優としてはバルジャンのような慈悲に満ちた寛大な男より、どこかエキセントリックな、そういう役の方が似合うんじゃないかと常々そう思っておりました。バルジャンを演って居る時もずっとそう思っていたのですが、今日この2000回と言う記念すべき日にジャベールという役を16年ぶりに演じる事が出来まして、38歳の時、それ以上のパワーを出せたかな、と思っております。この2000回に至るまでには、俳優は379人の俳優がこの作品に参加したそうです。そういう人間たちに受け継がれて今日がある訳ですが、この先また3000回、4000回と是非この作品を皆さんの御支持で続けさせていただきたいと思います。今日は本当にどうもありがとうございました。」

森公美子
森公美子(マダム・テナルディエ役)
石川禅
石川禅(マリウス役)
岡幸二郎
岡幸二郎(アンジョルラス役)
島田歌穂
島田歌穂(エポニーヌ役)
斎藤晴彦
斎藤晴彦(テナルディエ役)
岩崎宏美
岩崎宏美(ファンテーヌ役)
今井清隆
今井清隆(ジャン・バルジャン役)
知念里奈
知念里奈(コゼット役)
鹿賀丈史
鹿賀丈史(ジャベール役)
「この『レ・ミゼラブル』1987年の初演から、全て演出を手掛けていただいております、ジョン・ケアードさんがロンドンからやって来てくれました。そして(演出アシスタントで通訳の)垣ヶ原(美枝)さん。メッセージをお願いします。」

 (2人登場。森さんと擦れ違う)

「すみません、私ちょっと幅が有るもんですから。申し訳無い(笑)。」
鹿賀丈史、今井清隆、知念里奈ケアード「あなたが居ると狭くて、舞台が通れないじゃないか(場内笑)。本当にここに来られて喜んでいます。(垣ヶ原さんをすぐ横に連れて来て)隣に僕の口が立っています。このミエが居ないと僕はどうにもやっていけないので。僕らの関係の真実を知っている人が何人か向こう(客席)に居るので、どんな馬鹿な事を僕が言っても、ミエはちゃんとそれをインテリジェントな言葉に変えて伝えてくれます。18年間に渡って俳優たちは皆この二人組に騙されてきたんです。今だって同じこと、僕の言った通りの事を演っています。
 18年間で2000回と言うのは驚くべき回数だと思います。本当に379人の出演者なのですか? その他に400人くらい子供が出ていたんじゃないかな(笑)。僕が『レ・ミゼラブル』の仕事を初めて手掛け始めた頃に未だ産まれていなかった人もこの舞台に居るかも知れない。でもとにかくその379人、それから他の子供たちにも僕は敬意を表したいと思います。今晩は特に、岩崎宏美さん、斎藤晴彦さん、島田歌穂さん、それからこのカンパニーをリードしてくださった鹿賀さんに敬意を表したいと思います。この昔・昔・昔・昔からの友達と一緒にここに居られるというのは本当に驚くべき事です。一緒にまた舞台に立つ事があるなんて、僕は思ってもいませんでした。まだ彼らが生きているという事だけでも驚きなのに、生きているだけじゃなくて歌まで歌っているんですよ。そして客席に居られる特別な友達、岩谷時子さん。どうぞお立ちになってください。御存知無い方は無いでしょうけれども、18年間私たちが歌い続けてきたのは、岩谷先生が書いてくださった素晴らしい訳詞なんです。深く感謝しています。
 それからもう一人だけお話をしておきたい人が居ます。それは私たちの本当に大事な友達、本田美奈子.さんが、ちょっと具合が悪くなっていらしゃるということです。初代のエポニーヌではありませんけれど、素晴らしいエポニーヌを演じていた人です。それで今私たち皆の心にある祈りを美奈子.ちゃんに贈りたいと思います。そして美奈子.ちゃんを神様が家へ帰してくださるように祈りたいと思います。本当に良いニュースが伝わって来ています。彼女は今回復しつつあるんです。でも、私たちの心は彼女の所へ祈りと共に送り届ける事にしましょう。」

「それでは、この『レ・ミゼラブル』がまだまだ延々と続きます様に、皆様と一緒に「♪ピープルズソング」を歌いたいと思います。」

♪ピープルズソングを歌う2000回キャスト
 オーケストラの演奏と共に、歌詞が舞台上部に映し出され、舞台と客席が一体となって劇場に「♪ピープルズソング」が響き渡ります。
 歌の最後には銀のテープが打ち出され、キャストが花束を会場に投げ入れて特別カーテンコールは終了となりましたが、場内の拍手は鳴り止まず、出演者たちは何回も舞台に再登場して、この特別な一夜の終わりを惜しんでいました。


   

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