シアターフォーラム    
シアターフォーラム 7人の劇作家 VS 7人の俳優!! AGAPE store『仮装敵国』

仮装敵国 毎回異色の企画で舞台を創り上げてきたパフォーマー・松尾貴史と演出家・G2のユニット“AGAPE store”。
 公演10回目を迎えた今回は、スペシャル公演として現代の演劇界をリードする7人の劇作家が約15分間の短編をそれぞれの切り口で競作。その7つの短編を7人の個性溢れる俳優たちが演じるという、言わば演劇のバトルロイヤルとも呼ぶべき舞台が、6月7日より東京で上演されます。(大阪公演は終了)


 まず劇作家陣は(五十音順)、昨年岸田戯曲賞を受賞、“劇団ペンギン・プルペイル・パイルズ”を率いる旬の売れっ子作家・倉持裕。大劇場から小劇場まで縦横無尽の活躍、“ナイロン100℃”主宰・ケラリーノ・サンドロヴィッチ。G2とのコンビネーションでパルコ劇場も湧かす後藤ひろひと、独特のギャグセンスで一目をおかれる故林広志。濃いキャラクターの役者が揃った劇団“猫のホテル”で男まさりな作風を展開する千葉雅子。映画「約三十の嘘」も公開、ロンドン留学帰りと話題豊富な土田英夫、そして“阿佐ヶ谷スパイダース”で飛ぶ鳥を落とす勢いの長塚圭史と、シチュエーション・コメディーから、ナンセンス、ブラックな笑いからシュールまで、様々なタイプのコメディーを得意とする7人が揃いました。

 それを受けて立つ7人の俳優たち。
 AGAPE storeの主宰者・松尾貴史。多重人格的とも言える多彩なキャラクターの中から7つのキャラクターを選抜し、短編ごとに全く別人となる芸に注目が集まります。
 今回の紅一点・辺見えみり。2004年は『丹下左膳』『ハルシオン・デイズ』と話題作舞台への出演が続き、舞台女優としての活躍めざましい彼女が、奇才作家たちの作品をどう乗りこなすのでしょうか。
 落語家・春風亭昇太。ユニークな新作落語で人気者となり、2000年には古典落語でも文化庁芸術祭大賞受賞と輝かしい経歴を持つ昇太師ですが、今回が演劇初舞台ということで、力の入れようは凄まじいものがあるとか。
 そして、小劇場界からは強者4人が参集。“サモ・アリナンズ”や“ラーメンズ”の公演などで破天荒なキャラクターを演じる久ヶ沢徹。“AGAPE store”では常連、松尾のボケをすべて拾っていく天才ツッコミ役者・八十田勇一。AGAPE storer『地獄八景亡者戯』でその破壊的なギャグ・パワーを見せつけた福田転球。そして、今や小劇場の垣根を越え、今春には『レ・ミゼラブル』でミュージカルにも進出のコング桑田。とキャラクター豊かな顔ぶれが揃いました。

 さらに短編と短編をつなぐシーン展開にもこだわるこの舞台。
 注目すべきは、振付師・井手茂太氏の参加。ダンス集団“イデビアン・クルー”を率い、日常の動きを取り入れた独特の作風で不思議な空閤を作り出す達人が、今回はどのようなシーンを作り上げるのか。
 他にも、マジシャンの素養と知識も豊富な松尾貴史が、イリュージョナルなシーンを担当する予定で、あっと驚く仕掛けが用意されているとのこと。

 そして、これら全てを纏め上げるのが演出家・G2氏。
個性豊かな俳優を、そのキャラクターをあますところなく発揮させながら、ビジュアルの美しさとスピード感溢れる演出でエンターティンメント性の高い作品世界を創って行く手腕には、今回も大いに期待が集まるところです。

 そのG2氏は今回の企画について、「松尾さんとの話の中で「オムニバスがやりたい」ということになり、いつも書いて欲しいが忙しくて書いて貰えない作家7人に、短編ならばいけるかもとお願いしたところ、快く引き受けていただきました。「『仮装敵国』というタイトルで思いつくもの」ということで執筆を依頼しましたが、緊張感の中に生まれる笑いなど共通のムードがある脚本が出来上がって来ていて、単純に短編集ではなく、セット・音楽・配役などで共通性を創ってトータルな作品、複雑に絡みついた一本の作品に仕上げたいと思っています。」と、その狙いを語ります。

 またもう一方の主催者でもある松尾さんは「楽しくモノを創って、思いついたことをやろう、と言うのがAGAPE storeのスタイルです。オムニバスはいろんな要素を取り込んだテーマパークのような舞台で、アトラクションやパビリオンを創るような楽しさが有ると思っています。」と、今回の公演が楽しみな様子。

 そして、これが4回目の舞台出演となる辺見さんは以前からG2氏の創る舞台のファンだったそうで、「氏の演出する舞台に出たい」と言っているという話を聞いたG2氏がコンタクト、直ぐに今回の出演が決まったというタイミングの良さ。
 G2氏の舞台の魅力を「悲しい物語をただ悲しく描くのではなく、ユーモアがあって泣いたり笑ったり出来て、そして最後が切ない。自分の感情が凄く動かされた舞台で、自分でも舞台をやってみたいと思うきっかけになりました。」と語る辺見さん。
 「G2作品に出たいと言う願いが、こんなに早く実現するとは思わなかったですね。今回は女が一人なのですが、男の中で頑張っているとは見えないような存在にしたいと思い、楽しみにしています。」と念願が叶っての出演に意気込みも充分です。

 さらに今公演では、演劇というジャンルを超えて落語家の春風亭昇太師が出演するのも大きな話題。松尾さんとは旧知の仲だそうで「存在だけで不思議な空気感が生まれる人。表現者としてノッテいるし、作家性を持っているのでアイデアにも期待しています。一緒にモノを創っていて楽しい人ですね。」と松尾さんも信頼を寄せます。


 7つの違う話で構成される今回の公演、辺見さんは唯一7本全ての話に出演し、しかも、その内3本は松尾さんと夫婦か恋人役とのこと。
 「それぞれの世界観が違うので、7人の役者が7人の劇作家によってどう色づけされるのかを観ていただきたい。」と語るG2氏。

G2
G2

松尾貴史
松尾貴史

辺見えみり
辺見えみり
コント、ミュージカル、イリュージョン、あらゆる要素がてんこ盛りのパラレル・ワールドで劇作家7人と俳優7人が繰り広げる演技のバトル・ロイヤルの行く末は、ご自身の目でお確かめください。


7人の劇作家が書く7本の短編を7人の俳優が径演!
AGAPE store #10
  
『仮装敵国』〜Seven 15minutes Stories〜

脚本(五十音順):
倉持裕 ケラリーノ・サンドロヴィッチ 後藤ひろひと 故林広志 
千葉雅子 土田英生 長塚圭史
構成・演出:
G2
振付:
井手茂太
出演:
松尾貴史 辺見えみり コング桑田 八十田勇一 福田転球 久ヶ沢徹 / 春風亭昇太

G2,松尾貴史,辺見えみり 【大阪公演】
  日程  2005年5月28日(土)〜5月29日(日)
  会場  シアター・ドラマシティ 梅田芸術劇場
  料金  前売 5,000円  当日 5,300円

【東京公演】
  日程  2005年6月7日(火)〜6月12日(日)
  会場  池袋サンシャイン劇場
  料金  前売 S席 5,000円  A席 4,800円
当日 S席 5,300円  A席 5,000円

お問合せ ジーツープロデュース  03-5738-0637
大阪公演=シアター・ドラマシティ  06-6377-3888

AGAPE storeとは?

 AGAPE storeは、声色芸から折り紙、俳優、司会、DJ、コメンテーター、エッセイストと多彩な活動を展開する松尾貴史と、パルコ劇場での『MIDSUMMER CAROL 〜ガマ王子 VS ザリガニ魔人』『ダブリンの鐘つきカビ人間』などの公演や、『止まれない12人』『痛くなるまで目に入れろ』などの自己の演劇ユニット・G2プロデュースの作品を手がける演出家G2の二人によるパフォーマンス・ユニット。
 毎回ゲスト出演者を迎え、中島らもの小説を、落語、コント、手品、演劇の要素を組み合わせて立体化した『超老伝』や、1時間半にも及ぶ上方落語の超大作を役者5人で演じた『地獄八景亡者戯』と、演劇の枠にとらわれない自由な発想で作品を創り続けている。
 最近は作家・後藤ひろひとと組み、本格派ウェルメイド・コメディー『BIG BIZ』『BIGGER BIZ』の連続上演にも成功した。2006年には、シリーズ完結編『BIGGESTBIZ』の全国ツアーも控えている。

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