そのG2氏は今回の企画について、「松尾さんとの話の中で「オムニバスがやりたい」ということになり、いつも書いて欲しいが忙しくて書いて貰えない作家7人に、短編ならばいけるかもとお願いしたところ、快く引き受けていただきました。「『仮装敵国』というタイトルで思いつくもの」ということで執筆を依頼しましたが、緊張感の中に生まれる笑いなど共通のムードがある脚本が出来上がって来ていて、単純に短編集ではなく、セット・音楽・配役などで共通性を創ってトータルな作品、複雑に絡みついた一本の作品に仕上げたいと思っています。」と、その狙いを語ります。
またもう一方の主催者でもある松尾さんは「楽しくモノを創って、思いついたことをやろう、と言うのがAGAPE storeのスタイルです。オムニバスはいろんな要素を取り込んだテーマパークのような舞台で、アトラクションやパビリオンを創るような楽しさが有ると思っています。」と、今回の公演が楽しみな様子。
そして、これが4回目の舞台出演となる辺見さんは以前からG2氏の創る舞台のファンだったそうで、「氏の演出する舞台に出たい」と言っているという話を聞いたG2氏がコンタクト、直ぐに今回の出演が決まったというタイミングの良さ。
G2氏の舞台の魅力を「悲しい物語をただ悲しく描くのではなく、ユーモアがあって泣いたり笑ったり出来て、そして最後が切ない。自分の感情が凄く動かされた舞台で、自分でも舞台をやってみたいと思うきっかけになりました。」と語る辺見さん。
「G2作品に出たいと言う願いが、こんなに早く実現するとは思わなかったですね。今回は女が一人なのですが、男の中で頑張っているとは見えないような存在にしたいと思い、楽しみにしています。」と念願が叶っての出演に意気込みも充分です。
さらに今公演では、演劇というジャンルを超えて落語家の春風亭昇太師が出演するのも大きな話題。松尾さんとは旧知の仲だそうで「存在だけで不思議な空気感が生まれる人。表現者としてノッテいるし、作家性を持っているのでアイデアにも期待しています。一緒にモノを創っていて楽しい人ですね。」と松尾さんも信頼を寄せます。
7つの違う話で構成される今回の公演、辺見さんは唯一7本全ての話に出演し、しかも、その内3本は松尾さんと夫婦か恋人役とのこと。
「それぞれの世界観が違うので、7人の役者が7人の劇作家によってどう色づけされるのかを観ていただきたい。」と語るG2氏。