シアターフォーラム    
シアターフォーラム 倉持 裕:作・演出 不条理コメディ『パリアッチ』

 2003年7月『SLEEPLESS』(作:倉持裕 演出:板垣恭一 青山円形劇場)、2003年10月『バット男』(原作:舞城王太郎 脚本:倉持 裕 演出:河原雅彦 新宿シアターサンモール)と、2004年岸田國士戯曲賞受賞作家である、倉持裕氏の作品世界を上演してきたクリオネプロデュースシリーズ。

 その第三弾となる公演『パリアッチ』は、オペラ劇場に囚われた人々の、とある1日のシチュエーション・コメディ。
 オペラ劇場のバルコニーにあるVIPルームに出入りする、オペラ歌手の愛人・作曲家、劇作家、マネージャー、ウェイトレス、そして黒尽くめのスーツ男?、鳩のフンだらけの冴えない男??、様々な人物の意図が交錯していく人間ドラマです。

 今回の作・演出は、倉持裕氏自身が担当。『SLEEPLESS』では日常の不条理な笑いを切り取り、『バット男』では人間ドラマに焦点をあてて、独自の観点から描写した倉持氏が、今回はどのような仕掛けで観客の心を掴むのでしょうか。

 キャストには、ペンギンプルペイルパイルズからは小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡のオールキャスト、ラーメンズの片桐仁、キャラメルボックスの細見大輔、阿佐ヶ谷スパイダーズの伊達暁、双数姉妹の野口かおる、さらに劇団☆新感線のこぐれ修、と小劇場人気劇団俳優が結集します。

 タイトルの『パリアッチ(pagliacci)』はイタリア語で「道化師たち」のこと。
 レオンカヴァッロが19世紀末に作曲した、「旅回り一座の座長で、道化役を務める初老の主人公が、若く美しい妻の不倫に怒り狂って、彼女舞台の上で殺してしまう」という南イタリアを舞台としたオペラのタイトルでもあります。

「パリアッチ」イメージ

 舞台は、一年にもおよぶロングラン公演が行われているオペラ劇場の、VIP用に用意された「立派な部屋」。バルコニーに面したこの「立派な部屋」は、今では殆ど関係者がくつろぐ部鼠となっており、オペラ歌手のヒモ、劇作家、マネージャー、ロビーのウェイトレス、警備員など、変わり映えしない面子が集っています。
 しかし今日は、黒尽くめのスーツを着た怪しい男、鳩のフンだらけの冴えない男、妻を尾行するために来たという清掃員、など様々な人々が「立派な部屋」を訪れるなど、何だか様子がおかしい。
そして、現在進行中のオペラがクライマックスを迎えた時、事件が起こります・・・。

 臨場感あるオペラの進行とともに、舞台裏では様々な人間模様が進行していき、人々の意志とはうらはらに、あらぬ方向にどんどん逸れて行く物語。
 オペラ劇場のバルコニーに設えられた瀟洒な洋間という独特の非日常的な空間使いと、巧妙なセリフの組み立てで進行する喜劇は、まさに倉持ワールドの真骨頂と言えるでしょう。


 シアターフォーラムでは、この作品の出演者のお一人、小林高鹿さんにインタビューを行い、舞台に掛ける意気込みや、見所などを伺いました。
 こちらは、改めてテキストと動画で掲載致しますので、どうぞ楽しみにお待ち下さい。



2005年文化庁創作劇奨励公演
 クリオネプロデュース#3
   
『パリアッチ』

 作・演出:  倉持 裕
 出演: 小林高鹿、瀬戸力トリーヌ、片桐仁(ラーメンズ)、細見大輔、伊達暁、ぼくもとさきこ、
郷本直也、野口かおる、玉置孝匡、つまみ枝豆、こぐれ修

《 福岡公演 》
  日程  2005年7月2日(土)〜7月3日(日)  2ステージ
  会場  西鉄ホール
  料金  前売 4,500円  当日 4,800円  (全席指定)
お問合せ  西鉄ホール  092-734-1370

《 神戸公演 》
  日程  2005年7月6日(水)〜7月7日(木)  2ステージ
  会場  新神戸オリエンタル劇場
  料金  S席 4,800円  A席 3,800円  当日 5,000円  (全席指定)
お問合せ  キョードー大阪 06-6233-8888

《 東京公演 》
  日程  2005年7月10日(日)〜7月18日(月)  10ステージ
  会場  全労災ホール/スペース・ゼロ
  料金  前売 4,500円  当日 4,800円  (全席指定)
お問合せ  クリオネ 03-5766-4668

全ての公演に関するお問合せ・チケット購入
  クリオネ  03-5766-4668


【倉持 裕(作・演出)】

1972年10月15日 神奈川県出身。
学習院大学経済学部経済学科卒
ペンギンプルペイルパイルズ主宰
1992年 俳優として学生劇団参加と同時に執筆活動開始。
1994年 岩松了プロデュース公演『アイスクリームマン』に俳優として参加。
1996年 戸田昌宏、谷川昭一朗とともに演劇ユニット「プリセタ」旗上げ。
2000年 自ら主宰する劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」始動、現在に至る。
2004年 『ワンマン・ショー』にて第48回岸田國士戯曲賞を受賞。
2005年 M&Oplays プロデュース『センター街』(演出)、AGAPE store『仮装敵国』(MEET DOLL作)、ダンダンブエノ『礎』(作)。
現在、来年公演予定のパルコ劇場プロデュース作品他、映画脚本等を執筆中。

【小林 高鹿(ペンギンプルペイルパイルズ)】
1975年10月23日 東京都出身。
1997年よリナイロン100℃に参加、2000年退団迄全ての作品に出演、
2001年より劇団「ペンギンプルベイルパイルズ」に参加。飄々とした二枚目半のキャラクターを持ち味とし、劇団以外にも。AGAPE STQRE『しかたがない穴』(2004年 G2演出〉、『真昼のビッチ』(2004年 長塚圭史債出)、『ナイル殺人事件』(2004年 山田和也演出)に出演。
『SHAKESPEAR'S R&J』(2005年 ジョー・カラルコ演出)では初の翻訳劇で高い評価を得る。
2005年NHK連続テレビ小説「ファイト」出演。2005年テレビ朝日「黒皮の手帖スペシャル〜白い闇」出演。8月末から『写楽孝』(マキノノゾミ演出)に出演予定。


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