シアターフォーラム    
シアターフォーラム 風間杜夫×永作博美×古田新太 長塚圭史作・演出『LAST SHOW』舞台稽古

『ラストショウ』古田新太、北村有起哉、中山祐一朗
左より:古田新太、北村有起哉、中山祐一朗
左より:北村有起哉、永作博美、風間杜夫

左より:風間杜夫、永作博美
『ラストショウ』風間杜夫、永作博美、古田新太、中山祐一朗
左より:風間杜夫、永作博美、古田新太、中山祐一朗

左より:永作博美、風間杜夫

 昨年、自ら率いる演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」公演『はたらくおとこ』の作・演出と、パルコ劇場での『ピローマン』の演出で、“第4回朝日舞台芸術賞”“第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞”をダブル受賞した長塚圭史
 2002年に『マイ・ロックンロール・スター』を引っさげて、27歳というパルコ劇場最年少作・演出家として登場。その後も同劇場で、『ウィー・トーマス』(2003年)『ピローマン』(2004年)と翻訳劇を演出して高い評価を得た長塚さんが、30歳を迎えたその日に書き上げ、東京・パルコ劇場と大阪・シアター・ドラマシティで上演する新作、『LAST SHOW ラストショウ』の舞台稽古が6月30日に行われました。


 今回、この書き下ろし作品に挑むのは、舞台・映像に活躍する実力派俳優6人。
 まず、つかこうへい事務所、こまつ座、地人会など数々の名舞台を踏み、最近もひとり芝居や落語、新派など常にフィールドを広げ、幅広く充実した活動を続ける風間杜夫が、若手作家・長塚圭史の世界に桃みます。
 続いてベビーフェイスと大人の停まいが同居し、多面的な魅力を持つ実力派女優・永作博美が、野沢尚作『ふたたびの恋』(2003年・パルコ劇場)以来2年ぶり待望の舞台出演で、個性あふれる男優たちを相手に紅一点として参加。
 そして、舞台だけでなく、TVや映画でも存在感ある演技で観客を魅了する劇団☆新感線の看板役者・古田新太が、長塚圭史と初タッグを組みます。
 風間杜夫、永作博美、古田新太の3人とも長塚圭史の舞台には初参加であり、またそれぞれにとっても初共演となります。

 この長塚作品初登場の3人に加えて、長塚作品ではお馴染みのキャストも参集。
 ここ数年で13本の舞台を連投、映像でも注目を集める北村有起哉が、好評だった長塚演出作品『ウィー・トーマス』(2003年・パルコ劇場)に続いて、今回は書き下ろし作品に参加、。そして「阿佐ヶ谷スパイダース」のメンバーであり、長塚圭史の世界には欠かせない存在の中山祐一朗に加え、劇団「猫のホテル」の個性派俳優・市川しんペーが、阿佐ヶ谷スパイダース『みつばち』(2003年)以来2年ぶりに長塚作品に登場します。


 この作品を上演するに当たって長塚さんは「30歳という節目を迎えて、「どんな作品をやりたいか?」と聞かれ、――“阿佐スパ”ではそれほどテーマにして来ませんでしたが、――18歳から家族・血縁の作品を書き続けて、外部の公演でも創って来たので、最初から向かい合っていたテーマでもあったし、『マイ・ロックンロール・スター』に続いてもう一回やってみようと思いました。世の中が進んで、酷いニュースが増え、嫌なニュースがいっぱい流れている中で家族の見方・捉え方が時代に合わせて変わっているので、自分の中で変化している家族のことについて書きました。」と、その狙いを語り、「突っ走る役が出来る豪華なメンバーが揃ったので、かなりハードなキャラクターが出来ると楽しみです。」と腕を撫します。

 一方出演者も、「よくぞ声を掛けてくださったという感じですね。若い俳優・劇作家と出会えるチャンスは中々無いので楽しみです。」という風間さんを始め、初顔合わせとなる永作さん、古田さんも「長塚作品には出たかったので、新鮮で楽しみ。」と気合いが入ります。


 長塚作品初登場の3人と常連メンバー3人の競演による、疾走する新作舞台は、長塚圭史30歳の魂を込めた力作、“愛情と刺激に飢えた大人たちの恐ろしい喜劇"。
 その期待に違わぬ仕上がりは、是非ご自身の目でお確かめください。



パルコ・プロデュース公演
  
『LAST SHOW ラストショウ』

作・演出:長塚圭史
出演:風間杜夫、永作博美、北村有紀哉、中山祐一郎、
    市川しんぺー/古田新太

【東京公演】
日程 
2005年7月1日(金)〜7月24日(日)   26回公演
会場 
PARCO劇場
料金 
7,500円 (全席指定・税込)
前売 
2005年6月5日(日) 10:00AM
主催 
パルコ
お問合せ 
パルコ劇場 03-3477-5858

【大阪公演】

日程 
2005年7月28日(木)〜7月31日(日)   5回公演
会場 
シアター・ドラマシティ 梅田芸術劇場
料金 
S席 7,500円  A席 5,500円 (全席指定・税込)
前売 
2005年6月11日(土) 10:00AM
主催 
関西テレビ放送 / 梅田芸術劇場 / キョードー大阪
お問合せ 
キョードー大阪 06-6233-8888(10:00〜19:00)

●企画・製作/(株)パルコ 

【 STORY 】

 幸せな新婚夫婦を始めた石川琢哉北村有起哉)と美弥子永作博美)。かつて名子役として一世を風靡した美弥子(芸名:轟木都子todoroki miwako)を射止め、自身もやっと売れないディレクターから抜け出せるチャンスとなる仕事を手にした琢哉。またそれを心から喜んでくれる妻・美弥子。
 琢哉が撮るのは深い動物愛護心に溢れた話題の男・渡部トオル古田新太)のドキュメンタリー。彼は捨てられたペットを犬猫から昆虫、微生物に至るまで面倒を見てあげるという広い心の持ち主。付近住民とのトラブルなどの間で揺れる渡部の心の真相、そしてその愛情に迫ろうと、琢哉はクールなカメラマン・中島中山祐一朗)と共に、渡部を密着取材する。
 美弥子はそんな仕事一筋でいく琢哉を自身も不本意ながらも生活の為に続けているバラエティ番組などこなしながら温かく見守るのだった。
 そんな石川家に突然、琢哉の実父・勝哉風間杜夫)が訪れる。勝哉はかつて石川家を追われた男だ。しかし決して父を憎んでいたわけではない琢哉は快くそれを引き受ける。しかしそれが不幸への引き金となっていく。
 予測のつかない行動で少しずつ美弥子に接近していく勝哉。幸せな二人の生活を蝕んでいこうとする勝哉の目的とは一体…。
 元々その温厚さゆえに作品に力がないとも言われてきた琢哉であったが、果たしてこの状況をどう打開していくのか。
 また動物愛護家・渡部の狂気も露呈されていき…。
 混沌としていく石川家とその周辺。愛情と刺激に飢えた大人たちの恐ろしい喜劇が幕を開ける。

「ラストショウ」古田新太、永作博美、風間杜夫、中山祐一朗
左より:古田新太、永作博美、風間杜夫、中山祐一朗

【 登場人物 】

石川琢哉・・・北村有起哉
テレビ番組制作会社の売れないディレクター。泣かず飛ばずの状況から抜け出せるチャンスとなりそうな、動物愛護で今話題の人物、渡部トオルのドキュメンタリー番組の監督に抜擢される、まだ新婚で、妻・美弥子の稼ぎに頼ってばかりいることをいつも気に病んでいたので死に物狂いで取材に没頭する。

風間杜夫、永作博美石川美弥子・・・永作博美
琢哉の妻。かつて名子役として一斉を風靡したが、その後TV等の仕事でポジションを掴めず、現在はバラエティの仕事などで稼ぐ。琢哉が大きな仕事を得たことを機に引退を考えている。琢哉の才能を信じる為、現在、自分の稼ぎで食わせていることに関して特に彼を責めるつもりはない。ただ、安っぽい仕事ばかりで辞めたいと願っている。

石川勝哉・・・風間杜夫
琢哉の父。琢哉が幼い頃に妻と離婚。琢哉が美弥子と結婚したことでお祝いと言ってやってくるが、実は家が改装中で住むところがないと言って居候を願い出る。今や幸せな家庭を築いているハズである父を快く迎え入れる琢哉夫妻。ところが、勝哉はとんでもない復讐心を持って訪れてきていたのだった。

中島・・・中山祐一朗
今回のドキュメンタリー番組で琢哉の相棒として局側より指定されたカメラマン。腕は良いのだがマイペースに加えて思ったことを臆面も無く口にするので、琢哉とはあまり馬が合わない。

渡部トオル・・・古田新太
平成の動物愛護のパイオニア。犬、猫、猿から鳥、爬虫類、昆虫に至るまで捨てられた動物を全て保護し愛情を持って飼育する(「家族として迎え入れる」渡部トオル談)。しかし、穏やかな外見、物腰の裏にただならない狂気を秘めていた。

ワタシ・・・市川しんペー
謎の中年男。
しかしこの物語上、もっともピュアで危険な男ともいえる。


【 長塚圭史(ながつか・けいし) プロフィール 】

1975年東京生まれ。
早稲田大学在学中の96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」の活動を開始、作・演出・出演の三役をこなす。“阿佐スパ”は演目ごとに多彩なキャストを集め、家族をテーマにした暴力的、かつどこか爽やかな作品を上演し、目下観客動員急増中。
近年の阿佐ヶ谷スバイダース公演は、『悪魔の唄』(2005)、『はたらくおとこ』(2004)、『みつばち』(2003)、『十字架』(2002)、『ポルノ』(2002)、『日本の女』(2001)など(すべて作・演出・出演)。2002年『マイ・ロックンロール・スター』で、パルコ劇場に作・演出家として進出。2003年には、イギリスの若手作家マーティン・マクドナー作の『ウィー・卜一マス」(パルコ劇場)で初めての翻訳劇を演出、高い評価を得た。
昨年(2004年)は、春に阿佐ヶ谷スパイダース公演『はたらくおとこ』を作・演出、夏に『真昼のビッチ』を作・演出、秋には三池崇史演出『夜叉ヶ池』の脚色を担当、その後パルコ劇場でオリヴィエ賞を受賞したマーティン・マクドナーの最新作『ピローマン』(パルコ劇場)を演出と、舞台を中心に精力的に活動、八面六腎の活躍を見せた。
『はたらくおとこ』の作・演出と『ピローマン』の演出が高く評価され、第4回朝日舞台芸術賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞をダブル受賞。
上記「阿佐ヶ谷スパイダース」や劇作家、演出家としての舞台活動の他、俳優としても舞台、映画などで注目され、映画「tokyo.sora」(2002 石川寛監督)で高崎映画祭最優秀新人賞を受賞している。


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