2004年5月〜6月、三上博史主演で日本初演された傑作ロック・ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、初日の一曲目から観客が総立ちとなり、いまや伝説となっているオフ・ブロードウェイでの上演時と同様、日本でも数多くの熱狂的ヘドウィグ・ファン、“ヘドヘッド”を生みだしました。
そして、2005年6月、まさにヘドウィグその人がステージ上にいるとしか思えない存在感、チャーミングでパワフル、かつセクシーなパフォーマンスで多くの観客を虜にした三上博史のヘドウィグが、衣裳・ヘアメイクも新たな2005年版として帰ってきました。
物語の舞台は、ヘドウィグ・アンド・アングリーインチというロックバンドのライヴ会場。
ロックシンガー・ヘドウィグが、観客を前に、時に妖艶に、時に辛辣に自らの半生を語り、「アングリーインチ」「オリジン・オブ・ラブ」など名曲ぞろいのオリジナル・ソングで心情を歌い上げます。
過激な言葉と情感あふれる歌声、そして両性の魅力を兼ね備えたようなアピールに満ちた姿からは、圧倒的な喪失感と愛への渇望が切なく伝わって来ます。どうしようもない現実を笑い飛ばし、誰かと繋がろうと歌うそのステージに、観客はいつしかヘドウィグと一体化し、終演に向かってそのボルテージは最高潮へと達します。
三上ヘドウィグが率いるバンド、「アングリーインチ」を演じ演奏するのは、初演と同じくロックバンド・デミセミクェーバーの横山英規を中心とするメンバー。初演時、ロックファンの観客からも大いに支持されたレベルの高い演奏で、会場を盛り上げます。ヘドウィグの“夫”イツァークも初演同様、デミセミクェーバーの歌姫エミ・エレオノーラが演じます。
2001年には、舞台同様にジョン・キャメロン・ミッチェルが脚本・主演、そして監督も手がけた映画版も発表され、大ヒットすると同時に、数え切れないほどの映画賞を受賞。
今でも世界各国で上演されている『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』はマドンナ、デヴィッド・ボウイを始め多くのアーティスト、セレブリティをも虜にし、映画のサウンドトラック盤と舞台のライヴ盤CDも、常に衰えない人気を誇っています。
激しいパンク、切ないバラード、グラム、カントリー、ソウル、メタル。スティーヴン・トラスク作詞・作曲による『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の多彩なナンバーは、全てオリジナル・ソングなのに、耳に馴染む、どこか懐かしく普遍的な名曲ぞろい。
そして今回の再演に合わせて、2004年日本初演の舞台ライヴ録音盤CDが発売。
2004年6月、初演の千穐楽となった東京厚生年金会館での追加公演「新宿ナイツ」の熱気と感動が永久保存盤となって蘇ります。
今回の再演に向けて、ヘドウィグを演じる三上博史さんは
「去年来てくださったリピーターの方も多いと思いますが、初めて来てくれた人も絶対置いていかず、最後の最後まで一緒のジェットコースターに乗ってもらえるようなパフォーマンスをしたいと思います。それが僕=ヘドウィグの使命かな。やっぱり毎回のステージを生き切る、ということに尽きると思います。そのためには精一杯、でも楽しく舞台に立たなければ。もちろん劇場に来てくれる“みんなたち”(=お客様)の力も絶対に必要です。新しいツアーのなかで、前回よりさらに多くの人とヘドウィグの物語を、その瞬間を生きたいと思います。」と、力強いメッセージで観客に呼びかけます。
演劇ファン、映画ファン、ロックファン、ミュージカルファン、そして“カタワレ”を探すあなたに贈る、待望の再演。
リピーターの“みんなたち”にとっては感動の再会、初演を見逃した人たちには新たな伝説の誕生に立ち会うチャンス到来です。