今回の司会役はジェミィ役の治田敦さん。赤い顔のメイクで「実は350回の時は居酒屋のジョージ、400回の時は相棒のハリー、伝統的に酔っ払いが務めることになっております。」と客席を笑わせます。
そして、出演者全員が歌う「♪おめでとう♪」の替え歌にのって、“450”と型取られたローソクが飾られた直径43cmのケーキが登場。大地さんが一気に吹き消すと舞台と客席から改めて盛大な拍手が沸き起こります。
治田さんに「出演14回」と紹介された石井一孝さん。キャストを代表して大地さんに花束を渡して「僕は真央さんのイライザを10年くらい前から観続けていまして、本当に大好きな作品で、個人的には真央さんの最高傑作の一つだと思っています。本当に10年前から全く変わらぬ若さ、ウェストのサイズも変わらず、・・・僕は10年くらい前は若い役を演っていたんですけれど、最近は年取った役しか来なくなりました(会場笑)。真央さんは誰もが認める日本のミュージカルの女王で、真央さんが居なくては日本のミュージカルが産まれないような素晴らしい足跡を残され、『マイ・フェア・レディ』での450回も素晴らしいと思っています。近くで演じていると、美しさに目が眩んで、たまにセリフを間違えたりしますが(会場笑)、真央さんが元気で健康で舞台に立っていてくれるだけで、僕は嬉しいんです。」と、やや上気気味でお祝いの言葉を述べます。
続いて、羽場さん、草村さん、藤木さん、安崎さんらがお祝いのコメント。宝塚の後輩でもある春風さんは「20年前の8月に、男役・大地真央の退団公演を、大階段の下で月組の組子として私は迎えていました。それから20年、こういう形で今日も階段の下で真央さんを迎えられることを凄く感激しています。」と声を詰まらせ、これには続く浦井さんも感動した様子。
そして月丘さんに続いて、最後に進み出た上條さんは「もう時効だから申し上げますが」と前置きして、「1997年5月の大阪・飛天での公演の時、悪性の風邪が流行っていてアンサンブルにもダウン寸前の人が何人も居ました。流石の大地さんも人間ですからその風邪を貰って体調を崩し、薬も合わなくて開演を25分も遅らせた事がありました。その時でも、他の回と寸分違わずにきちっとイライザを演じられている、僕は袖で観ていて涙が溢れました。450回というのはそういう事の積み重ねです。」と思い出のエピソードを披露。大地さんも思い出したのか目が潤みます。
そして、共演者からのお祝いの後、促された大地さんが中央の前に進み出ます。
「皆様、本日はご観劇くださいまして本当にありがとうございました。気が付いたら450回でした。言われるまで全然数えた事が無かったので、「そうなんだ」という感じだったんですけれども、誰かお一人でも「エライ(偉い)ザ!」って言って欲しかったな(会場爆笑・拍手)・・・すみません、つまらない洒落を言ってしまいました。本当に、お父っつあん(上條さん)が今仰いましたけれど、450回来る間にはやはり色んな事がありました。でもお客様の暖かい拍手と、そしてスタッフの方々と共演者の方々に支えられて、そして今日、450回という日を迎える事が出来ました。初演の頃は本当に無我夢中で、今よりももっともっと大変でした。でもイライザが大好きで、本当に大親友みたいな気持ちで毎回毎回大切に育ててきました。今でもその初演の時の新鮮な気持ちを忘れないで、そして年月が経った分、少しでも成長したイライザになれるよう、一回一回をこれからも大切に育てて行きたいと思っております。本当に本日はこんなお祝いをしていただけるなんてちょっと思ってもいなかったので、思わず胸が一杯になってしまって、上手に挨拶が出来ません。すみません。もう本当に胸が一杯です。ありがとうございました。」