1990年、劇団・東京サンシャインボーイズ公演として発表され、“もし、日本にも陪審員制度があったら…。”という着眼点と、人物描写の素晴らしさ、議論下手の日本人にも陪審員制度が成立するのではないかと思わせるリアリティで、多方面から大絶賛を受け、1991年に再演、1992年に再々演、さらに1991年には中原俊監督の手により映画化も行われた三谷幸喜作『12人の優しい日本人』。
2004年5月21日に戦後最大の司法制度改革と言われる「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が成立し、国民が刑事裁判に参加して、被告人が有罪かどうか、有罪ならばどのような刑にするかを裁判官と一緒に決める「裁判員制度」が2009年5月までには実施される予定の今、時代の先を予見したかのようなこの社会派法廷ドラマが、初演から15年ぶりにキャストを一新して東京と大阪で上演されます。

「果たして議論下手の日本人にも、陪審員制度は成立するのか?」
被告に対する同情や単なるフィーリングといったあいまいな理由で無罪を主張する人、
証言から理論的に被告の殺意を立証しようとする人、身勝手にもプライベートな愚痴を喋り出す人、場の空気に耐え切れず取り乱す人、駆け引き、根回し、だんまりといった日本特有の会議テクニックを駆使する人、優柔不断にのらりくらりと意見をはぐらかす人…。まともに議論をしたことのない陪審員たちは、事件の真相を究明する以前に、お互いの話し合いの方法から見つけなくてはならなかった。
かくして、議論の末に彼らが出した答えとは…。
今回の上演では、キャストに各界より実力を兼ね備えた多彩な人気俳優が参加。また、過去の上演は東京公演のみでしたので、今回、大阪には初お目見えとなります。
過日行われた製作発表会見には、作・演出の三谷幸喜氏を始め、12人のキャスト全員が集結。ユーモア溢れる三谷氏の独特の語り口による進行で、笑いの絶えない楽しいものとなりました。
この時の模様を、下記の特集ページよりテキスト(近日掲載)と動画で掲載しております。
初日まで後2週間ほどとなりましたが、既にチケットを入手された幸運な方も、これから何とかして観る方法を考える、という方も、是非是非ご覧頂いて、楽しんで頂ければと思います。
《キャスト》 |
2005年公演 |
1990年初演 |
1991年映画 |
陪審員 1号 |
浅野和之 |
小原雅人 |
塩見三省 |
陪審員 2号 |
生瀬勝久 |
相島一之 |
相島一之 |
陪審員 3号 |
伊藤正之 |
阿南健治 |
上田耕一 |
陪審員 4号 |
筒井道隆 |
小林隆 |
二瓶鮫一 |
陪審員 5号 |
石田ゆり子 |
かんみなこ |
中村まり子 |
陪審員 6号 |
堀部圭亮 |
一橋壮太郎 |
大河内浩 |
陪審員 7号 |
温水洋一 |
梶原善 |
梶原善 |
陪審員 8号 |
鈴木砂羽 |
斉藤清子 |
山下容莉枝 |
陪審員 9号 |
小日向文世 |
西村雅彦 |
村松克己 |
陪審員10号 |
堀内敬子 |
宮地雅子 |
林美智子 |
陪審員11号 |
江口洋介 |
野中功 |
豊川悦司 |
陪審員12号 |
山寺宏一 |
伊藤俊人 |
加藤義博 |
(※ 1990年初演の6号「一橋壮太郎」は三谷幸喜氏です)
|