12年前と同じく主演の歌手を演じる布施明さんは、「12年前に初演をしまして、その次の年から「再演を!」と言い続けて12年経ってしまったということで、ずっと待っていた時です。ドキドキしています。」と待望の再演に向けて気合が入ります。
その布施さんが演じる歌手と5年前に離婚したものの、マネージャーとして常に行動を共にしている元妻・響子を演じるのは、元宝塚雪組トップスターで、退団後も幅広い役柄を演じられる実力派として舞台を中心に活動する絵麻緒ゆうさん。
「テレビでしか拝見したことの無かった布施さんは、私の中でとても大スターで、その方の相手役が出来てとても光栄で、毎日楽しく演らせていただいております。」と笑顔でコメント。
その歌手を彼を慕ってやまない付き人桜子には、歌手としてその歌唱力が高く評価される一方、舞台にも活躍の場を広げて活躍する岩崎良美さん。初演に引き続いての出演となる岩崎さんは、「楽しみたいと思っています。とても素晴らしい脚本なので、一人でも多くの方に伝えたいな、と思います。」と、こちらも再演を待ち望んでいた様子。
そして、彼らの前に突然現れるアイドル歌手には、ジャニーズ事務所所属で舞台を中心に活躍し、ミュージカル、ストレートプレイと数々の演技で高い評価を得て、テレビでもその存在感が光る佐野瑞樹さん。
「僕は今回、2役を演るというのが初めてなので、そういう意味でも凄く楽しみにしていますし、また凄く歌の上手な人達が揃っているので、それを聞くのも僕自身楽しみにしています。」と、若手実力派らしい意気込みを見せる佐野さんは、「今回はダンスリーダーで、2度と無いかも知れないと張り切っています。いつも端っこで他人を見ながら躍っていたのがセンターなので、他人の振りが見られないんですが(笑)。」と冗談とも本音ともつかないトークを繰り広げます。
他の出演者には、一行のバンドマスターと専属司会者に井之上隆志と清水明彦。さらに仲代奈緒、有福正志、檜垣ふみ、古今亭志ん彌と実力派が揃いました。
「前回と比べて、岩崎さん以外はキャストが代わって凄く若返って、ついにスタッフ・キャスト含めて私が一番年上であるという悲しい状況を2,3日前に知って複雑な気持ちですが、この芝居が出来てよかった。こういう世の中なので、楽しんで観て貰えるんじゃないかと思います。」と語る布施さんは、「元々、以前ヒット曲を出したことのある歌手の話ですから、役創りをせずにいつでも入っていけるという状況にあります。これから5年、10年経っても変わらないと思います。」と周囲を笑わせます。
そうした布施さんの人柄の有って、キャストのチームワークも良いようで、
「キャストも増えて、自分も少しは成長したと思うけれども、12年前よりも今の方が感動するセリフや歌詞があるので、大人の方が胸にジンと来ると思いますね。布施さんとは12年前からお互いに変わらないかなあ・・・あ、体重がちょっと増えたかな。」と言う岩崎さんに、「タイ人ホステスのアンチャリチョン・ルンルンという役は、是非また岩崎さんに演って欲しいとお願いしました。期待していただきたい。」と布施さんが応じるなど、会見中はキャスト同士の笑いが絶えません。
この舞台が布施さんと初共演となる絵麻緒さんと佐野さんも
「とてもユニークな方(笑)。頭の言い方で物凄く物知りで、いろんな話を・・・ここでは出来ないような話を伺って、教育していただいています(笑)。」(絵麻緒さん)
「とても懐が広いというか、凄く気配りをしていただいて、稽古場の雰囲気造りが上手いですし、僕が言うのもナンですが、本当に歌が素晴らしいですね。」(佐野さん)
と、布施さんの魅力を語ってくれました。
会見の締め括りに布施さんは、「凄く楽しくて悲しくて切なくて、この天王洲まで来て観ていただいて、帰って行く時に、「ああ、何て自分は幸せなんだ!」と思っていただけるような芝居に仕上がっています。六本木ヒルズの方々には沢山見ていただいて、人間はこうなんだというのを良く知っていただくと、凄く嬉しいなと思います。」とファンに向けてメッセージを送り、翌日からの公演に向けて力を込めていました。
なお、この『42丁目のキングダム』は、2006年6月に東京芸術劇場で、その後7月まで名古屋・関西などを始め全国公演が行われる事が決定しています。