シアターフォーラム    
シアターフォーラム 世界最初のミュージカル! 『べガ―ズ・オペラ』稽古場顔寄せ

 ロンドンでの初演は、今から278年前の1727年! 当時、貴族の恋愛やギリシャ神話を題材に取ったイタリア風のオペラが主流であった時代に、ジョン・ゲイの作った“乞食”や“盗賊”を扱ったこの『べガ―ズ・オペラ』は、当時の民衆を熱狂の渦に巻き込み、「世界最初のミュージカル」として、演劇史にその名を刻む作品となりました。

 その『べガ―ズ・オペラ』が、2006年1月の日生劇場において、1992年にロイヤル・シェイクスピア劇団で同作品の上演を手掛け、『レ・ミゼラブル』の演出では日本でも馴染みの深いジョン・ケアード氏の脚色・演出によって日本初演が行われることとなり、11月21日、来日したジョン・ケアード氏を始め出演者・スタッフが一同に会しての顔寄せが都内の稽古場で行われ、多くの報道陣やテレビカメラが詰め掛けました。

ベガーズ・オペラ 顔寄せ

 顔寄せの冒頭で、東宝の増田憲義・常務取締役(演劇担当)は「 1年半ほど前、ジョン・ケアード氏から『べガ―ズ・オペラ』上演を提案されて、即座にOKを出しました。今から21年前にロサンジェルスでケアード氏演出の『ニコラス・ニコルビー』を観た時の、RSCの無駄の無く磨き抜かれた素晴らしい演技、庶民を演じても演技者として気品の有る素晴らしい姿が思い出されています。日本でもあのような素晴らしい舞台を、ケアード氏と一緒に実現したいと思います。ただ、チケットが先週からほぼ完売状態で、ご覧になりたい方は早く買わないと観られなくなりますが。」とこの作品の日本初上演への経緯を語ります。

 その後、スタッフ・キャストの紹介の後で挨拶に立ったケアード氏は、「また日本に来られてとても嬉しいです。この計画を立て始めたのはつい2,3週間前のような気がするんですけれども、そうしたら突然ここ(稽古場)に来ていて、切符は無くなってしまった状態でした。こんなプレッシャーは生まれて初めてです。「今まで全然チケットが売れていないから、頑張って売りましょう。」と言う方が未だ気が楽です・・・増田常務は同意して下さらないとは思いますが(笑)。日本でこの作品を演出出来るというのは僕にとっても大きな名誉です。というのはこの『べガ―ズ・オペラ』という作品は、イギリスの文学、演劇において記念碑的な作品を呼べるものだからです。そしてこんなに大きな規模で、日本の観客に初めて私達が上演して観ていただけるというのはとても素晴らしい出来事だと思います。この作品はイギリス人が大好きな作品なんです。ですから日本でも同じように皆さんに愛される作品になればいいなと思っています。それが私達の仕事です。今、部屋の中を見回して一緒に働いてくれる人たちが、こんなに沢山素晴らしい人たちが揃っているのは胸がドキドキするほど嬉しいです。こんなに沢山日本の俳優さんたちが集まって、この人達が汚い乞食になってくれるんだと思うととても嬉しいです(笑)。もう半分道のりは来たと思ってください。ありがとうございました。」とユーモアを交えながら、キャストに語り掛けました。


 今回の上演では、ステージサイトシートと称して、舞台上そして従来のオケピットの一部にも客席を設けて客席と舞台の一体化を目指し、観客もまるで舞台に出演しているかのような錯覚に陥る仕掛けになっています。また、オーケストラも特殊な楽器を加え、ステージ上で、ベガー(乞食)として演奏するとのこと。

 日本のミュージカル界を代表する豪華な出演者たちの殆どが“乞食”に扮してエネルギッシュに演じるこの舞台。プリンシパルからアンサンブルまで全員、演技力を重視したケアード氏のハードルの高いオーディションに合格した実力派ばかりということで、2006年、新春の東京に熱い旋風を巻き起こしそうです。


 この顔寄せの後、プリシンパルの方々(内野聖陽 嶋政宏 村井国夫 橋本さとし 金田龍之介 / 島田歌穂 笹本玲奈 森公美子)による記者会見が行われ、それぞれに今回の公演に掛ける意気込みや、ジョン・ケアード氏の印象などを語っていただきました。
 今回の顔寄せの模様と、プリンシパルの方々のインタビューは、動画でご覧頂ける様、現在作業を進めております。

 こちらも是非楽しみにお待ち下さい。

ジョン・ケアード、垣ケ原美枝
左より:垣ケ原美枝 、 ジョン・ケアード

内野聖陽
内野聖陽
嶋政宏
嶋政宏
村井国夫
村井国夫
橋本さとし
橋本さとし
金田龍之介
金田龍之介
島田歌穂
島田歌穂
笹本玲奈
笹本玲奈
森公美子
森公美子

 


『べガ―ズ・オペラ』
  演出・脚色:ジョン・ケア―ド
  原作:ジョン・ゲイ 作曲:イローナ・セカッチ 翻訳:吉田美枝 訳詞:松田直行

日程  2006年1月8日(日)〜1月31日(火)
会場  日生劇場  (千代田区有楽町 1-1-1 )
料金  S席 12,000円  A席 6,000円  B席 3,000円
ステージサイド・シート 10,000円
チケット  東宝テレザーブ 03-3201-7777  ほかプレイガイド
お問合せ  帝国劇場内 東宝日生公演係 03-3213-7221

東宝サイト

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ベガーズ・オペラ 集合写真
後列左より:村井国夫、嶋政宏、内野聖陽、金田龍之介、橋本さとし
前列左より:笹本玲奈、島田歌穂、森公美子


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