顔寄せの冒頭で、東宝の増田憲義・常務取締役(演劇担当)は「
1年半ほど前、ジョン・ケアード氏から『べガ―ズ・オペラ』上演を提案されて、即座にOKを出しました。今から21年前にロサンジェルスでケアード氏演出の『ニコラス・ニコルビー』を観た時の、RSCの無駄の無く磨き抜かれた素晴らしい演技、庶民を演じても演技者として気品の有る素晴らしい姿が思い出されています。日本でもあのような素晴らしい舞台を、ケアード氏と一緒に実現したいと思います。ただ、チケットが先週からほぼ完売状態で、ご覧になりたい方は早く買わないと観られなくなりますが。」とこの作品の日本初上演への経緯を語ります。
その後、スタッフ・キャストの紹介の後で挨拶に立ったケアード氏は、「また日本に来られてとても嬉しいです。この計画を立て始めたのはつい2,3週間前のような気がするんですけれども、そうしたら突然ここ(稽古場)に来ていて、切符は無くなってしまった状態でした。こんなプレッシャーは生まれて初めてです。「今まで全然チケットが売れていないから、頑張って売りましょう。」と言う方が未だ気が楽です・・・増田常務は同意して下さらないとは思いますが(笑)。日本でこの作品を演出出来るというのは僕にとっても大きな名誉です。というのはこの『べガ―ズ・オペラ』という作品は、イギリスの文学、演劇において記念碑的な作品を呼べるものだからです。そしてこんなに大きな規模で、日本の観客に初めて私達が上演して観ていただけるというのはとても素晴らしい出来事だと思います。この作品はイギリス人が大好きな作品なんです。ですから日本でも同じように皆さんに愛される作品になればいいなと思っています。それが私達の仕事です。今、部屋の中を見回して一緒に働いてくれる人たちが、こんなに沢山素晴らしい人たちが揃っているのは胸がドキドキするほど嬉しいです。こんなに沢山日本の俳優さんたちが集まって、この人達が汚い乞食になってくれるんだと思うととても嬉しいです(笑)。もう半分道のりは来たと思ってください。ありがとうございました。」とユーモアを交えながら、キャストに語り掛けました。
今回の上演では、ステージサイトシートと称して、舞台上そして従来のオケピットの一部にも客席を設けて客席と舞台の一体化を目指し、観客もまるで舞台に出演しているかのような錯覚に陥る仕掛けになっています。また、オーケストラも特殊な楽器を加え、ステージ上で、ベガー(乞食)として演奏するとのこと。
日本のミュージカル界を代表する豪華な出演者たちの殆どが“乞食”に扮してエネルギッシュに演じるこの舞台。プリンシパルからアンサンブルまで全員、演技力を重視したケアード氏のハードルの高いオーディションに合格した実力派ばかりということで、2006年、新春の東京に熱い旋風を巻き起こしそうです。
この顔寄せの後、プリシンパルの方々(内野聖陽 嶋政宏 村井国夫 橋本さとし 金田龍之介 / 島田歌穂 笹本玲奈 森公美子)による記者会見が行われ、それぞれに今回の公演に掛ける意気込みや、ジョン・ケアード氏の印象などを語っていただきました。
今回の顔寄せの模様と、プリンシパルの方々のインタビューは、動画でご覧頂ける様、現在作業を進めております。
こちらも是非楽しみにお待ち下さい。