シアターフォーラム    
シアターフォーラム 8年ぶりの大阪公演 『レ・ミゼラブル』12月8日スタート

 1987年6月11日、東京・帝国劇場で日本初演の幕を開けたロンドン・ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、プリンシパル・アンサンブル共に、当初からロングラン上演を前提としたオーディションによるダブル・トリプルキャストが組まれ、10月末までの5ヶ月間で200回の公演が行われました。
 それから18年。『レ・ミゼラブル』は、帝国劇場をメインとしながら、名古屋・大阪・仙台・北海道・博多でも上演を重ね、2003年には21世紀バージョンとして殆どのキャストを一新、2005年3月〜5月の帝国劇場公演まで、舞台に登場した出演者は300名以上、通算上演回数は2007回を数えるという日本ミュージカル史に残る作品となりました。

 その『レ・ミゼラブル』が関西の熱いファンの要望に応えて、12月8日より梅田芸術劇場 メインホールで、5回目となる大阪公演をスタートさせます。
 大阪での上演は1997年12月〜1998年1月以来ということで、実に8年ぶりとなる今回の公演。関西のミュージカルファンは文字通り待ちに待った舞台ということで、期待に胸を膨らませながら、チケットをお持ちの方も多いと思います。

記者会見風景 その大阪公演に向けて、過日行われた記者会見には、別所哲也さん、今拓也さんら、大阪での『レ・ミゼラブル』公演には初出演となるプリンシパルキャスト8人、そして初演から音楽監督を務める山口ひで哉氏が出席。それぞれにこの舞台に掛ける熱い思いを語ってくれました。

 ミュージカル、舞台のみならず、映画・テレビなど様々なジャンルで活躍。今回の大阪公演では主人公のジャン・バルジャン役を演じる別所哲也さん。
別所哲也  「現在は殆ど大阪で生活をしていまして、と言うのはNHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」に出させていただいていまして、日々大阪の方々と触れ合って大阪弁を喋りながら、週5日は生活をしております。そんな中、この『レ・ミゼラブル』――僕は2003年から演らせていただいているのですが、――21世紀の新しいカンパニーに参加させていただきます。僕はこの作品にはとても愛着がありまして、僕が俳優になろうと決めた一つのキッカケでもあって、帝国劇場での初演が大学生の頃でしたので、その作品に俳優となってからこうして何度も出させていただき、非常に感謝しております。
 1月2日から出演するのですが、来年の正月をこの大阪で迎えられるのを楽しみにしておりますし、大阪の皆様と2006年をお祝いしながら、この『レ・ミゼラブル』の素晴らしさを皆さんと一緒に分かち合えたらいいな、と思っております。今回は新しいキャストの方もいらっしゃって、また新しい出会いがあって、本当にレミはアンサンブルのお芝居で日々発見があるのですが、又新しい『レ・ミゼラブル』を大阪の皆さんと創れたらいいな、と思っています。」

 そのジャン・バルジャンを執拗に追い詰めるジャベール警部を演じるのは、『エリザベート』を始め、ミュージカルを中心に活躍の
今拓哉さん。
今拓哉  「この『レ・ミゼラブル』には、丁度前回の大阪公演が終わった後のオーディションを受けまして、1998年の東京公演から参加しました。そしてやっと大阪に来る事が出来まして、非常に楽しみにしております。この『レ・ミゼラブル』という作品は、――僕も4つめの役を今演らせていただいていまして、――「観れば観る程何かの発見がある」というお話をされていましたが、演じる側も演じた回数だけ新たな発見をしていきますし、再演を繰り返す度に、役者としても色んな風景が見えてくる大きな作品で、その中で役者は完成度の高い作品の中で守られながら自由に泳がせてもらって人生の旅をしているような気分になっています。観に来た方も、僕たちが一回一回丁寧に力を込めて演じていく事によって、――この前、2000回を超えましたけれども、――いつまでも続いていく作品になれると信じています。そのパワーを落とさないように、大阪はとてもパワーがあるので、そのパワーを全部吸収しながら、役に投入して全力でこの作品に取り組みたいと思います。僕は12月、1月と今年の締めくくりと来年のスタートをこの作品で、この大阪で迎えさせていただきますので、とても楽しみにしております。年末年始、一人でも多くのお客様にお逢い出来る事を楽しみに稽古に取り組んで行きたいと思います。」

 一度はジャンバルジャンに救われるものの、幼い娘を残して息を引き取るという薄幸の女性、ファンテーヌ役の
シルビア・グラブさん。
シルビア・グラブ  「つい最近、京都で結婚式を挙げさせていただいて、今年は凄く関西に縁があるな、と思いました。1ヶ月半出演するのですが、こんなに長い間大阪に居るのは初めてなので、食いしん坊の私はとても楽しみにしております(笑)。色んなところで言っているんですが、この作品に関してはとても思い入れがありまして、12歳の頃からオーディションを受けています。18年前の初演の頃から、リトル・コゼットをはじめ、その年代に合った役のオーディションを受けて、このファンテーヌでやっと今年の5月にこの舞台に立てました。ミュージカルをやりたいと思ったのがこの作品で、ずっとこれを目標にしてきて頑張り続けて、――これからも頑張りたいんですけれども、――凄く思い入れのある作品だからこそ、皆さんに観て欲しいし、色んなキャストが今まで演り続けて来た中、新しいスパイス、新しい味付けで、どんどん皆さんに観ていただきたいと思います。私が大好きな作品なので、ぜひこの作品を愛して一杯観てください。」

 ファンテーヌの娘を預かっている宿屋の女将・マダム・テナルディエを演じるのは、この大阪公演から初出演となる
田中利花さん。
田中利花  「いつも本当は「吉永小百合です」というところから始まるんですが、今日皆に聞いたら「シーン!となったらどうする?」と言われて、「止めた方がいいね」という事になったんですが、やっぱり言ってしまいました(笑)。この作品は18年になるんですが、私もシルビアと同じ18年前にオーディションを受けまして、それから7回目でやっと受かりまして、もう飛び上がるほど嬉しいです。この作品は皆が「暗いじゃない」と言うんですけれど、暗いけれども涙を流してこんなに「良かった」って思える作品は、少ないんじゃないかと思うんですね。それでこの作品がやりたくてずっとオーディションを受けて来たんです。本当はファンテーヌみたいな薄幸の役が演りたいんですけれども、私の場合キャラクター的に無理があるらしいんです。けれど、気持ちはいつも綺麗な、真っ白な、透明な、そういう役に憧れているんですね。それは儚い夢という事で諦めてはいるんですが、このマダム・テナルディエという役は、――森公美子さんなどもお演りになっていますが、――可愛い役・キュートな役に見えると思うんです。私はどういう風に演るか、これから演出家と相談をしながら、主人とも相談をしながら、――主人がしょっちゅう変わるみたいですけれども、――今日始めて家族3人が会ったんですけれども、「合うねぇ!」という事で、相談しながら・・・ちょっと私の場合は厳しいテナルディエ夫人で行きたいな、という気持ちです。“新しい”とここで言ったら「本当か?」と言われるかも知れませんけれども、わたしなりのマダム・テナルディエに、脚本の中のマダム・テナルディエに近づきたいという気持ちで頑張ります。ぜひ観に来てください。」

 その夫・テナルディエを演じるのは大阪出身で、劇団「リリパット・アーミーII」公演を中心に幅広い活躍をみせる
コング桑田さん。
コング桑田  「今年の1月に東京・目黒区に引っ越しました。それまで大阪・北区に住んでいた訳で、43歳にして東京に移り住むというのはちょっとビビリものでございましたが、何と言ってもこの作品のために、大阪から東京へということでございます。先程から聞いておりますと、皆さん、出たい出たい作品であったと言う風に申されておりましたが、私の場合は違います。リリパット・アーミーIIの座長、わかぎゑふ、そしてその相方の朝深大介、この二人から「『レ・ミゼラブル』は凄くいいよ、本当にいいからアンタも観なさい。」と言われて、私は観たい観たい観たいで、ずっと居りました・・・なのに出ております。観られなかったんですね、実は(笑)、出ちゃいました。去年オーディションを受けまして、今年出ちゃいました。しかし、帝国劇場の舞台では131回公演の中で、私の出番は8回でした。悲しかった、辛かった。しかし、私の目標は高く持ちまして、大阪に帰りたい!、――大阪で今回『レ・ミゼラブル』があるという事を聞いておりましたので、――パパとママのためにも是非大阪の舞台に立ちたいというのがございました。父と母が東京に来るのは遠いし、大阪だったら阪急ですぐですから。私は観たかったのが出たかったになってしまいまして、大阪では8回以上出させていただけるということで(笑)、私が出ない時はWAHAHA本舗の佐藤正宏さんが出られます。このキャストが変わるのも面白いですから、2回、3回、4回と来ていただければと思います。」

パリで友と共に血気に燃える青年・マリウスを演じるのは、舞台はもちろん、ソロシンガーとしても活躍中の
泉見洋平さん。
泉見洋平  「マリウス役をやらせていただいて今年で3年目になります。2003年に一番最初にこの『レ・ミゼラブル』に出させていただいた時は、クール・フェラックという学生のアンサンブルの中の一人の青年を演らせていただいたんですけれど、途中からマリウスという役をいただきまして、頑張らせていただいております。僕は徳島の出身なんですけれど、生まれたのは大阪市内でして、大阪で公演が出来ると言うのは何か特別な気持ちがあります。そこで2005年の締めくくりと2006年の新しい年を迎えることが出来るので、精一杯全力でこの作品のメッセージをマリウスとして伝えていければと思っております。

テナルディエ夫妻の娘で、マリウスに恋心を抱くエポニーヌを演じるのは、ミュージカルはもとよりシンガーとしても活躍中のANZAさん。
ANZA  「私も2003年からの『レ・ミゼラブル』参加になりますけれど、私が高校生の時に本田美奈子.さん、島田歌穂さんがエポニーヌで出ていらっしゃる『レ・ミゼラブル』の公演を観て、是非この舞台に立ちたいな、立てたら凄く幸せだろうな、と思ってチャンスを狙っていたんですけれど、2003年にオーディションがありまして、受けさせていただいて何とかここに居ます。大阪には自分のライブでも良く来ているので、美味しい食べ物屋はだいたいチェックしていて、後は他の方々に聞きながら色々美味しいものを探さなきゃな、というくらい沢山のお店を知っています。友達も沢山いるので、今回の大阪公演を楽しみにしております。」

バルジャンに引き取られて育てられ、やがてマリウスと恋に落ちるコゼット役は、2004年7月に梅田コマ劇場(現:梅田芸術劇場)で行われた『レ・ミゼラブル・イン・コンサート』にコーラスで出演中にオーディションを受け、2005年の東京公演にはアンサンブルで出演。今回の大阪公演でコゼットに抜擢された、現在は大阪音楽大学音楽学部声楽家在学中の西浦歌織さん。
西浦歌織  「本当に大きな役を演れることになって凄く嬉しいんですけれど、凄く緊張していて、・・・今日も緊張して何を言っていいのか解らないですけれども、友達や両親も住んでいる大阪で、この役で『レ・ミゼラブル』に出られることをとても嬉しく思っております。一回一回丁寧に演じていければと思っております。」

 「1回、2回観た方よりも、4回、5回と観た方の方が感動が大きい。重厚で素晴らしい音楽があり、見るたびに新しい発見が在るミュージカル。」と関係者が胸を張り、実際にも日替わりのキャスト表をみながら、「どの回とどの回を観ようか」と考える方も多いというこの作品。
 新たなキャストを得ての8年ぶりとなる今回の大阪公演では、どのような進化した姿を観客の前に見せてくれるのか。大阪にこの冬、熱い舞台が帰ってきます。



『レ・ミゼラブル』

  日程 
2005年12月8日(木)〜2006年1月15日(日)
会場 
梅田芸術劇場 メインホール
料金 
S席 13,500円 A席 9,000円 B席 5,000円 (全席指定・税込)
お問合せ 
梅田芸術劇場 06-6377-3800

梅田芸術劇場サイト 


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