BENTについて
「この芝居は収容所の芝居でも、ホモセクシュアルの芝居でもなく、愛の芝居である」
(デイリー・ニュース/ハリー・ハーン)
ナチスドイツの強制収容所におけるユダヤ人迫害をテーマに数多くの小説、映画や演劇が作られている。この「BENT(ベント)」という作品は、ナチスドイツの同性愛者の迫害という歴史に埋もれてしまった極めて特異なテーマを扱っている。
時代は、ナチス政権下のドイツ。その時代のドイツでナチスはユダヤ人を大量虐殺した事実はよく知られている。しかし、その過酷な時代にもっと過酷な運命を生きた人間たちがいる。
ユダヤ人がダビデの星、つまり黄色い星を胸につけることを強要されていた時代に、胸にピンクの星をつけることを強要された人々がいた。そしてこれこそが最悪だった。黄色い星の人々より酷い扱いを受ける人々、まさに歴史の知られざる事実。
その時代、ピンクの星を胸につけた人々、つまり強制収容所で虐殺された同性愛者は250,000〜300,000人にもおよんだという。
しかし、この物語はナチス、強制収容所という背景をもちながらもこれは歴史劇ではなく、純粋な愛のドラマである。
魅力溢れる俳優陣の競演がここに実現!!
ペストキャスト、ペストスタッフを迎えて創り出す『ベント』
出演は、マックス役にドラマ、映画と常にスピリチュアルな演技で、常に話題作に出演し、来春公開の映画が三作控えている椎名桔平、ホルスト役に三池崇史、原田眞人、是枝裕和らの映画にはかかせない存在であり、常にスクリーンに光り輝く、エンケンこと、遠藤憲一が久々の舞台出演をする。そして、マックスの恋人、ルディには「青い春」で、高い評価を得た高岡蒼佑が挑む.そして、ジョナサン・ケント演出の『ハムレット』でのガートルード役、この秋再演される『欲望という名の電車』でのプランチ役と、常に話題と注目の篠井英介がグレダを演じる.
実力、人気を兼ね備え、個々が個々として輝いている俳優がこの『ベント』に集結する。
そして、演出には一昨年、篠井英介主演の『欲望という名の電車』を演出し、独自の世界観を創り出し、評価を得ている鈴木勝秀がこの名作に挑みます。
パルコ劇場30周年に皆様にお届けする『ベント』。パルコ劇場の「ネクスト」にご期待ください。
『ベント』について
この芝居は1978年にまず朗読形式で上演され、翌年79年に、ロンドンのロイヤルコート劇場にてマックス役をイアン・マッケラン、ホルスト役をトム・ペルで上演され、大センセーショナルを巻き起こし、その後、ウェストエンドに移りロングランをし、その年のオリヴィエ賞の最優秀男優賞を獲得した。
1979年12月にはニューヨーク・ブロードウェイでも上演。リチャード・ギア主演でトニー賞・作品賞を受賞した。
その後『ベント』は世界35力国で上演されており、パルコ劇場では1986年に役所広司、高橋幸治の出演で上演され、非常にセンセーショナルを巻き起こした。
映画化は1996年にクランクインし、日本でも上映された。この映画の実現には本作品の熱狂的なファンであるR.ストーンズのミック・ジャガーが大きな推進役になった。そしてミック・ジャガーはこの映画にもゲイクラプの主人、グレダ役でも出演している。監督はショーン・マサイアス、脚本はマーティン・シャーマン自身。出演はクライヴ・オーエン、ブライアン・ウェバー、イアン・マッケランなどである。
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