港町十三番地  
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鈴木綜馬インタビュー 1

久しぶりに『港町十三番地』の共演者と会われていかがでしたか
 皆凄く元気で、同窓会の様でした。

会見される前にお話はされたのですか
 ホントに二言、三言でしたけれど。前回もサックスをおやりになっていた本多俊之さん、――彼のサックスは凄いんですけれど、――彼なんか小学校5年生がそのまんま大きくなっちゃったような感じで、「あれ、虫カゴと虫取りの網はどうした?」みたいな(笑)、そんな感じです。

この公演では、普段はミュージカルで活躍されている鈴木さんが、音楽劇とは言えストレートプレイに出演された訳ですが、芸術座で2ヶ月演られていかがでしたか
鈴木綜馬  まず、芸術座が初めてだったんですよ。緞帳が上がる前に脇から出ていってお辞儀した時に、一番前に座っているお婆ちゃんが舞台の上にお茶とお弁当を置いていて、それが目に入ってもう可笑しくなっちゃって。
 ピアノに向かって弾いていたりしましたが、芸術座の空間がとても現代劇にマッチした、コンパクトでお客様に伝わりやすい感じでとても好きでした。ミュージカルとは全然違った、よりナチュラルなもの、より実生活に根付いたものを求められる、というお稽古場の緊張感が自分としてはとてもかけがえの無い時間で、それをまた2ヶ月間舞台の上で演らせていただけたのが、とても・・・大げさな言い方だけど、その後の仕事に良い影響を与えてくれたと思っています。

再演されるに当たり、膨らませようと思われている点、または変えようと思われている点はあるのでしょうか
 変更は特に考えていません。前回、人前で昼夜ピアノを弾くのは生まれて初めてのことだったので、――80回くらいピアノを弾いたんですけれど――間違えたらどうしよう、と言った気持ちが2ヶ月目に入った頃から本当に薄らいで行って、間違えなくなったし、間違えても大丈夫、と思えるようになったことが、ある種自分にとっての一つの枷が外れたみたいで、とても大きなプラスになったんです。
 それが今度の再演に向けては最初から無い訳だから、始まりから音楽面に関しては気が楽というところで、その分、きっと知らない内にお芝居の方により深くエネルギーを向ける事ができるんじゃないかな、と思います。

梅田コマ劇場は芸術座に比べて大きな空間になりますよね。それに合わせて何か変えようとか、何か加えようという点を考えてらっしゃいますか
 それはこれから演出家とお話して決めて行くことだと思いますが、お客様は俳優さんの心の動きを通して旅をする訳ですから、そこのところを履き違えて「大きい劇場だから大きいお芝居」みたいになって、何かドーナツ現象みたいに真ん中がスポンと欠落してしまうような演技はしちゃいけないと思っているので、やっぱり何かが大きく変わると言う事はないんじゃないかと思っています。

幽霊の役と言う事で、大きな動きが無いので演じるのが難しかったのではないですか
 どうなんでしょう。幽霊でもトートみたいに動く訳でもなく、「♪最後の〜」とかも歌わないし。でも宮本さんといろいろやりとりが有って、その中で動きは小さいけれども、心の動きは誰にも負けないくらいいろいろアップ&ダウンが有るんです。そう言う意味では楽しい心の旅路を辿っています。

演出家の方が、オープニングが変わるかもしれないと話されてましたが、あのピアノ演奏はどうなるのでしょうか
 さっき言われて「えっ!」って目が点になったんですけれど、稽古始めの日にきっといろいろ説明があるだろうと思っています。何か楽しみですね、それはそれで。

それは別としても、今回もピアノの演奏は有ると思ってよろしいのでしょうか
 冒頭で「イエスタディ」を弾くんですけれども、さっき、「イエスタディの譜面が無いってスタッフが焦っていたけれども、大丈夫?」って聞かれたので、有ると思いますね。

今までもピアノは弾かれていたのですか
 好きで弾いていただけで我流だったので、「じゃ、これ弾いてみろ。」って言われると恥ずかしくて弾けないものが沢山有ります。習ったのはイギリスで1年くらいですよ、後は我流で楽しく弾いていたんです。バンド組んで弾いていたりとか、学生時代は演劇部のオリジナルミュージカルを創るので、ピアノ弾きながら曲を考えて、詞付けてとか、そういったことでピアノとはずっと関わってきましたね。

今回の舞台がジャズクラブで、オーナー役ですが、ジャズに関して思い出などはありますか
 「シング・シング・シング」は結構好きな曲です。NHKで「歌恋温泉へようこそ」という番組で、「ようこそ歌恋温泉へ」とか言って、三浦友和さん、里見浩太朗さん、天海祐希さんたちと一緒にバンドを組んで――僕はピアノだったんですけれども――「♪タタタタ、タタタタター、ター、ター、パッパパ」とか言って楽しく弾いていた記憶が有ります。今回またこの曲と出会えて、舞台をやっているのにこれを弾きながらNHKの撮影の事を思い出しちゃったりとか、何かいろんな楽しい「シング・シング・シング」ですね、僕にとっては。

今回の劇中劇では皆さんも歌ってらっしゃいますけれど、役柄的にあまり参加できないのでフラストレーションは溜まりませんか
 それは無いです。むしろ本多俊之さんのサックスなんて、超一流の方のサックスを毎日聞ける、それも一日2回聞けちゃう喜びに、何か胸踊る日々でしたね。

ではこの梅田コマも楽しみですね
 凄い楽しみ、本当に。こんな幸せな時は無いです。あとね、尾藤さんの「あしたのジョー」を毎日聞ける幸せ、これも何物にも変えられないと思います。

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