山本芳樹・岩崎大インタビュー 1

●自己紹介をお願いします
岩崎 　岩崎大です。ムトー・ヨーという傭兵を演らせていただきます。ムトーという男は凄く強くて、どこかにはかなさというか、心の弱さがあって、それを最大限出せていけたらと思っています。
山本　山本芳樹です。今回『ＯＺ』でムトー・ヨー役を演らせていただきます。岩崎大君と同じ役なのですが、これから自分のムトー・ヨーを創っていきたいなと思います。

●岩崎さんは前回公演でもムトーを演じられて、漫画のイメージに似ていると評判でしたね
岩崎　自分ではイッパイイッパイで演っていたので、「似ている」とか「似せよう」という感覚は無かったんです。自分の持っているもの、演出家が求めているもの、を最大限引出していければと思って頑張っていたので、結果としてそう見えて嬉しかったというのはありますね。

●山本さんは初挑戦ですね
山本　僕は、初演は客席で観させていただいたのですが、やっぱり岩崎さんのムトー・ヨーが本当に――原作が漫画だけに、ヴィジュアルも観ていてやっぱり気になったりするんですが、――凄く本当に似ていたので、今回僕がキャスティングされて、「大丈夫かな？」というのはあります。

●山本さんはこれまで憂いを含んだ役が多かったと思うのですが、これはアクションの多い役どころですね
山本　そうですね。やっぱりキャラクター的にも陰か陽かどちらかと言えば“陽”の役ですよね。今まではどちらかと言うと“陰”な役、あまり発散しない役というのが多かったので、その辺は思う存分発散して楽しみながらいければいいな、と思うんですけれども、やっぱりアクションと言うのもかなりなポイントになってきて、色んな戦闘シーンとか、結構な分量のアクションシーンがあるので、身体を維持しながら、怪我の無い様に演れればいいな、と思っています。

●岩崎さんから山本さんへのアドバイスは有りますか
山本　宜しくお願いします。
岩崎　いやいや（笑）、先輩にアドバイスだなんて。まあ身体に気を付けて、頑張ってください、ですよね。でも山本さんはダンスをやっているので、身体の使い方といったら僕なんかよりも全然上手いと思いますので、そういう面では余り心配とかは無いと思います。頑張って行きましょう、お願いします。
山本　お願いします。

●原作が漫画だとヴィジュアル的なイメージが固定されていると思うのですが、そうした役を演じる難しさ、面白さというのは
山本　基本的に漫画が原作で演ることが多かったりするのですけれど、余程かけ離れていない限り、特に原作の絵的な部分ばかり追ってしまうと中身が付いていかなかったりして空回りしたりとかもするので、やはり話の中でのキャラクターの個性だったり、内面を重視してまずは創っていく、っていう感じですよね。
岩崎　山本さんも言っていた通り、漫画の世界ではあるけれども、実際には人と人との触れ合い、交流というのがテーマで原作が書かれていると思うんですね。だからそういう意味では、そこの場で会話が無ければ、例えば絵の通りに格好良く面を切っても何しても、観た感じで違和感を感じてしまうんじゃないかと思うんです。だから、人との会話が出来ないといけない所が有ると思うので、それが――舞台でもドラマでも映画でも何でもそうだと思うんですけれども、――漫画でも同じなんじゃないかな、って。そういう目線で見て自分たちも演じようと思う所があるので、あまりそうした、「漫画だから」とかは意識していないですね。

続く