『スケリグ Skellig 〜肩甲骨は翼のなごり』  
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森山開次インタビュー
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森山開次インタビュー 1/2

●今回のタイトルであり、役名でもある「スケリグ」について教えていただけますか
 『スケリグ』というお話は、ある一家が引越しをして来て、そこの息子であるマイケルという少年が、――思春期で、いろいろ多感な時期なんですけれども、――そのマイケルがガレージで謎の生き物と出会う、その生き物が「スケリグ」という名前なんですね。その生き物というのは、本の中でも「いったい何なんだろう」というのが最後まで明かされなくて、それは翼を持った人の様な・・・でも翼が生えている、という不思議な存在で、天使なのか獣なのか鳥の化身なのか、それともマイケルが見た妄想なのか、最後まで解からないまま終わっていくんです。そういう子供が想像していく中で色んな事を学んで成長していく物語が軸に在りまして、家族とか色んなテーマが盛り込まれたとても素晴らしい、心の温まる作品ですね。

森山開次●原作を読まれた感想はいかがでしたか
 私にはダンスでいつも追いかけている、“漠然とした何か”というのが有るんですね。それは普段動物を演じる事が多かったり、精霊的な事を演じる事が多かったり、躍っていると翼のような振付が出て来たり、僕の踊りの中でも“今求めている何か”、“追いかけている何か”というのが、この本の中の“スケリグという何か”というものとシンクロしてくる、僕にとってとても興味深い、共感出来る作品でとてもびっくりしました。他のストーリーの中にも、普段自分が感じている事とか、身近に感じている事というのが凄く盛り込まれているので、ファンタジーと言ってもリアリティーの中に存在するファンタジーで、読んでいても凄く感慨深かったですし、興味をそそられる本ですね。

●この公演の前に北九州でリーディングをされたそうですが、感想はいかがでしたか
 普段、言葉で人前で喋る事は殆ど無いので、凄く緊張して、もう挑戦だったのですけれど、実際にやってみると、――もちろん難しいものは沢山有って、まだまだ勉強しなければいけない点が沢山有るんですけれど、――実際に身体が感じた事が言葉になって現れて来るという意味では踊りと本当に根本的な事は変わらないんですね。実感が、身体がまず在って、それが言葉として出てくる。その事はダンスだと振付だったり、そういう風に現れて来るけれども、お芝居の場合はそれが言葉となって現れてくる。それは何か違うようで、共通点が沢山在って、自分が肉体表現で表現してきた事というのは、確実にここの場で活かせるのではないかな、という風に思っています。

●北九州のお客様の反応はいかがでしたか
 「踊りを見たかった」という方もいらっしゃいますし、「新鮮だ」と仰る方も居てくださったので、踊っていなくても躍っているような感覚にお客様がなってくれれば凄く嬉しいなと思っているんです。

●こうした“俳優”としてのオファーを受けられて、どう思われましたか
 踊りにも演じる要素、俳優の要素というのは多分に有るんですね。振付を一つ頂けて、それを躍るだけでも、演じるという要素は有りますし、ダンスでもキャラクターを演じるという事は有りますよね。だから本当に言葉を使うか使わないかというだけで、・・・踊りをやっていても言葉を発したい時って有るんですよね。言葉が無い芸術ですけれど、躍っている自分としては、例えば「苦しい」とか「楽しい」とか、そういう言葉というのは言葉に発しなくても身体の中で感じているんですね。それを言葉に出せるというので、今回はそれが逆に楽しみですね。

 
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