インタビュー
 蜷川幸雄氏−2

蜷川幸雄さんに聞く−2

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去年の彩の国の「リチャード三世」では、いきなりどーんと降ってきていきなりあの世界に引き込まれる、というのがあったんですが、やっぱり始まった瞬間からワイワイガヤガヤみたいなところを狙っているんですか?
【蜷川】 脅かしたい、というかね。日常の時間から劇の時間に入っていくのは結構大変なもんで、全然入れてくれない芝居なんていっぱいありますよね。で、さっと2、3分で劇の中に入りたいなあ、と思って。最近、上から降ってくるのが好きなんだよね(笑)。「リチャード」もね、馬が落っこってきたりしてましたけど、その次の「リア」は石ころが降ってきて、今度もちょっとね、ささやかに少しずつね。今はちょっと降るのに凝ってる時期で(笑)。

シアターガイドで、野田さんは最近脚本はいいけど、演出が面白くない、と仰っしゃっていましたけど
【蜷川】 (野田版は)どうでした? 良かった?

うーん・・・(汗)
【蜷川】 「良くない」とは言えないな(笑)。

野田さんの戯曲は割とそういうところが多いんですが、はっきり恋物語になっているところがある。そういう部分を今回はどう料理なさるのかな、と
【蜷川】 それははっきりしてると思うんですね。ただ僕のは、最底辺でまあ言ってみれば死体を片づけている男と、ヒメ女という権力の頂点にいる女が出会っていくと。そのクラスっていう問題についてははっきりと、最下層の人間は髪の毛をジョキジョキに切れ、と言っている訳で、坊主に近く髪の毛をうんと。もうハゲを作ったり、そういう形で下層民衆だということは判るようにしてるつもりですけど。そういうところが野田さんとちょっと違うかな。あっちのは遊戯っぽく始まるでしょ。着ている衣装もモコモコしてるし。

今回、日比野さんの衣装ということで、割とキレイですね。全体的に。
【蜷川】 幼児化するのが好きな世代なんじゃないですか?(笑)
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