シアターフォーラム    
シアターフォーラム 京都で東幹久と伊吹吾郎がオペラに初挑戦 時代劇おぺら『どん・じょばんに』

 17世紀、帝国と呼ばれた華やかな時代のスペインを舞台に、稀代の好色貴族ドン・ジョバンニを主人公に描いたモーツァルトの傑作歌劇 『ドン・ジョヴァンニ』。
 その設定を江戸中期の京都に置き換え、4時間に及ぶオペラを3時間程度のストーリーに凝縮。騎士道と華麗な舞踏会に彩られた原作の舞台背景を、時代劇さながらの殺陣廻りと、日本伝統芸能をふんだんに取り入れた祭りの場面に移した、京部発の新しい「新・歌劇」OPERA『どん・じょばんに』が誕生。1月14日・15日の両日、京都・南座に程近い祇園甲部歌舞練場で上演されます。

 祇園花見小路、八坂神社、円山公園の桜、嵯磯野の竹林などといった京郡の名所を背景に、悪代官どん・じょばんにと越後屋れぽれっろの二人が、深窓の姫君や町の評判娘を次々と誘惑していくというストーリーと、太鼓、長唄、祭囃子などの音楽をいたる所に散りばめた舞台は、オーケストラと雅楽のコラボレーションが新しい音の世界へと観客を誘うことでしょう。

 作品が本来持つオペラの要素を崩さず、日本の伝統芸能を取り入れた斬新で独創的な演出が施された今回の“おぺら”は、冒頭、第1幕1場から、悪代官どん・じょばんにと八坂藩奉行所のお奉行との殺陣、そして越後屋が加わっての三重唱と見どころが満載。
 さらにその後のレチタティーポ(音楽つきの台詞)の箇所では、時代劇ならではの台詞回しの面白さが観る者の興味を引き付けます。

 そして舞踏会ならぬ“祭”のシーンでは、祭雛子に合わせての歌と踊りに加え、雅楽や日本舞踊を活かした演出などが施され、単なるバラエティーでは無い、日本古来の伝続芸能の良さが息づく公演となります。


 今回、悪代官どん・じょばんに役でオペラ初挑戦となるのは、「ごくせん」「やまとなでしこ」「鬼嫁日記」などのドラマを始め、映画やバラエティでも活躍の東幹久さん。
 そして、彼と対立する八坂藩奉行所のお奉行を演じるのは、17年間務めたというテレビ「水戸黄門」の格さん(渥美格之進)役で有名な伊吹吾郎さん。

 このお二人を中心に東京藝術大学卒業生をはじめとする実力派若手ソリストたち、そしてこの舞台の為に結成された「時代劇おぺら『どん・じょばんに』アンサンブル」(東京藝術大学弦楽・雅楽専攻有志他で構成)が悠久の世界へと導きます。


 さらに、その上演場所として選ばれたのは、明治5年に開催された京都博覧会の時に、祇園の舞妓・芸妓の技芸発表の舞台として造られた祇園甲部歌舞練場。
 その催しは今日に至るまで「都をどり」として引き継がれ、毎年4月1日から月末まで、祇園甲部の芸妓さん、舞妓さんによって行われる京都の春の風物詩となっています。京の歴史と伝統が漂う空間、そして使用される「都をどり」の舞台セットは今回の時代劇と西洋オペラの融合を一層引き立てる事は間違いありません。
 (ちなみに、祇園の花街は四条通で南北に二分され、南側が甲部、北側が乙部と呼ばれています。)



東幹久、伊吹吾郎

 シアターフォーラムでは、1月5日に行われた、この時代劇おぺら『どん・じょばんに 京都〜都千年物語』の通し稽古を取材。東さん、伊吹さんのお二人にインタビューを行って、今回の公演に賭ける意気込みや、見どころなどを伺う事が出来ました。
 このインタビューは舞台稽古の模様と合わせて、近日中に動画にてご覧頂ける様、只今準備を進めております。どうぞ、楽しみにお待ち下さい。


 千年の都、新年・1月の京都には、多くの観光客で賑わう季節とはまた一味違った、緩やかな時間が流れているようです。
 その流れに身を任せに、そして文化・芸術の街で新たに産まれようとしている息吹を感じに、週末の京都に出かけてみませんか。



時代劇おぺら
  
『どん・じょばんに 京都〜都千年物語』

日時  2006年1月14日(土)・15日(日)  昼の部 12:00 夜の部 17:00 (両日共)
会場  祇園甲部歌舞練場(京都市東山区祇園南側570-2)
料金  桟敷席(1階・2階) 10,500円 S席(1階・2階) 8,500円 
A席(1階後方) 7,500円 B席(3階・桟敷席) 6,50O円  <桟敷席内は自由席>
チケット  World Classic Club 06-6911-2308  ほかプレイガイド
お問合せ  World Classic Club 06-6911-2308
サウンドクリエーター 06-6357-4400(平日 12:00〜19:00)

イベント公式サイト 
「そうだ 京都、行こう。」サイト(JR東海) 

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