演出家G2氏と松尾貴史氏が組んだユニット“AGAPE
store”の第11回公演、『BIGGEST BIZ』が、1月8日、東京・下北沢の本多劇場で幕を開けました。
『BIG BIZ』(2001、2002)『BIGGER BIZ』(2003、2005)と、設定も展開も、そして公演規模も文字通り拡大してきた「BIZ」シリーズの、6年間掛かっての完結編となるこの公演。
今回の舞台はフランク・シナトラの故郷、ハドソン川の向うにニューヨークを臨むニュージャージー州ホーボーケン。フランク・シナトラの曲と共に幕が開くと、雑貨屋&カフェの店の中で、ここの主人・神崎(後藤ひろひと)と、客の男女(篠原ともえ、菅原永二)が曲に合わせて歌い踊っている場面から物語は始まります。
代議士秘書見習いと留学生という幼なじみのこのカップル、実は事情が有ってこの店のレジの金欲しさに強盗を働くためにやってきたのですが、健三(松尾貴史)をはじめ、次々に店を訪れる個性的な人たちのために中々実行出来ずにいる内に、騒動メーカーの健三の目の前さえ楽しければそれで良いという言動から発した、誤解が誤解を生んで始まるトラブルに巻き込まれていきます。
出演は、『BIG BIZ』からのレギュラーメンバー、松尾貴史、八十田勇一、松永玲子、後藤ひろひと、『BIGGER
BIZ』から加わった三上市朗、坂田聡の面々に加え、新たな登場人物として篠原ともえ、菅原永二が参加、さらに『BIG
BIZ』以来となる粟根まことが復活して強烈で個性的なキャラクターが揃いました。
今回も大騒動の導火線となる健三役の松尾貴史さんが、電話で声色を駆使して周囲を混乱に巻き込んでいく経緯は、この舞台のキーポイント。
「このシリーズでは、松尾貴史という人物の面白さをどこまで出せるかと挑戦しています。」と脚本の後藤氏が語る通り、まさにトリックスターとしての面目躍如たる活躍を見せ、物語はもとより観客をもその世界に引き込んで行きます。
『BIG BIZ』『BIGGER BIZ』から引き続いての人物・状況設定ですが、前2作を御覧にならなくても充分に楽しめる仕上がり。
もちろん、前2作を御覧になった方には必見の舞台です。
前売開始早々、あまりの人気の高さに3回の追加公演(1月9日(月)19時、1月15日(日)18時、1月18日(水)14時)が決定したというこの公演ですが、当日券はG2プロデュースサイト
より予約申し込みをすることが出来ます。
なお、今回の『BIGGEST BIZ』をはじめ、『BIG BIZ』『BIGGER
BIZ』のDVDやグッズなども同サイトで購入する事が出来ますので、どうぞご覧になってください。
また、地方公演の詳細も同サイトでご確認いただけます。
最近では、『人間風車』『ダブリンの鐘つきカビ人間』『Shuffle〜シャッフル〜』などの傑作を次々と発表している、作家・後藤ひろひと、『MIDSUMMER
CAROL 〜ガマ王子 vs ザリガニ魔人〜』『ハンブル・ボーイ』『おじいちゃんの夏』などで高い評価を得ている、演出家・G2。今まさに脂の乗りきっている二人が2006年の初頭に贈るステージは、出演者たちのエネルギーが客席を笑いの渦に巻き込みそうです。
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