シアターフォーラム    
シアターフォーラム 内野聖陽・松たか子・森山未來が劇団☆新感線に初出演
宮藤官九郎:脚色 いのうえひでのり:演出『メタル マクベス』製作発表


会見風景
左より:いのうえひでのり(演出)、森山未來、内野聖陽、松たか子、宮藤官九郎

 コンサートばりの照明と音響を駆使し,歌舞伎の様式美を取り入れた舞台創りで多くの観客の熱狂的な支持を得ている劇団☆新感線。
 近年では劇団公演以外にも大手プロダクションと手を組んでの『西遊記〜PSYUCHIC〜』『阿修羅城の瞳』『野獣郎見参』『アテルイ』や、オリジナル・ロック・ミュージカル『SHIROH』、初の原作小説の舞台化『吉原御免状』など、次々と新しい試みに挑戦を続ける劇団☆新感線が、今度はシェイクスピア四大悲劇のひとつ『マクベス』を大胆にアレンジした舞台『メタル マクベス』を東京・松本・大阪で上演することとなり、その製作発表会見が2月2日に都内で行われました。


 「『メタル マクベス』というタイトルは、10年以上前に青山円形劇場で『スサノオ』をやった時に、その時のメタルの衣裳・甲冑が好評だったので、ファッションショーをやろうかという企画が有って、そのタイトルだったんです。」と語るのは、劇団☆新感線の主宰者であり、今回も演出を担当するいのうえひでのりさん。
 「その企画は頓挫したんですが、以来、タイトルのイメージが先行して何度かトライしては流れてました。以前から「新感線でシェイクスピアをやらないの?」という声は有ったのですが、シェイクスピアと言えば蜷川さんで、自分がファンでもあり、模倣になりそうで、蜷川さんを超える手が無いと出来なかったんですね。で、「蜷川さんにメタルは無いだろう」と思った時に、宮藤さんと縁が出来て、脚本を頼むことになったんです。強力なキャストを得て、相当面白くなります。」と、ようやくの実現に自信を見せます。

 そのタイトルに付随する「新感線☆RS」とは、従来の音楽性を強調した生バンドとのコラボレーション“新感線R”シリーズに、シェイクスピアの“S”が合体したもの。ロックするシェイクスピアとして、あくまで音楽にこだわった舞台創りを表します。


 そのいのうえさんに口説かれて、今回、新感線に初めて脚本を書く宮藤官九郎さんは、それまでマクベスはもちろん、シェイクスピアは一冊も読んだことがなかったそうで、
 「『メタル マクベス』の言葉の響きに惹かれて、脚本を引き受けてから読みましたが、「マクベス」は人の名前なんだ、という低いところからスタートしました。言葉が綺麗過ぎると言うか、表現のバリエーションが凄くて、「俺の心は蠍でいっぱいだ。」のような科白が最初は解からなかったです。メタルは知っているつもりであまり良く知らなくて、ヘビメタを調べ、マクベスを調べで大変でした。」とのひょうひょうとしたコメントに、会場からはしばしば笑いが起こります。

 「『マクベス』を観た事も読んだ事も無いと言う宮藤さんだからこそ、斬新な取組の脚本が出来ると思った。」と言ういのうえさん。その『マクベス』を翻訳した松岡和子さんも会場に姿を見せて「宮藤さんだから、シェイクスピアの『マクベス』が影も形も無くなっているのではないかと思っていましたが、意外や意外、しっかりマクベスでした。マクベスが先王に取って代わった様に、音楽の世界にも世代の交代がきちっとあるので、リアリティがあるし、とにかく笑いました。」とその出来栄えに太鼓判を押します。


 一方、これが新感線初出演となる出演者たち。
 タイトルロールのマクベス(劇中ではランダムスター)を演じるのは内野聖陽さん。
 「僕も『メタル マクベス』の題名を2、3年前に聞いて、内容も分からずに「それは是非演らせてください、実現しましょう」と言いました。いつかマクベスを演ってみたいと思っていたし、ハードロックも好きで、こういう世界で『マクベス』は面白いに違いないと今回の企画が始まりました。マクベスが現代にも取っ付きやすくなっているし、宮藤さん、いのうえさんの持っているものと僕の演技で何か出来たら楽しいとワクワクしてます。今までに無い“科白劇をハードロックに絡めてやる”企画をいかに面白いものにするかと武者震いしています。」と力の入った意欲的なコメント。

 すでに昨年末には、シークレット・ライブでこの『メタル マクベス』の楽曲の一部を披露している内野さん。「岡崎司さんの曲もいいし、歌詞に『マクベス』の科白が入っていて、『マクベス』を良く知った方なら「あ、あの科白が」と言うのが散りばめられています。と言っても文学的でなく、笑える歌詞で歌っていても楽しいんです。」と、ノリノリで歌ったというライブを振り返ります。

 夫をそそのかし、先王殺害へと導くマクベス夫人(ランダムスター夫人)には、松たか子さん。
 「内野さんと同じく『メタル マクベス』という言葉の響きにすっかりその気になって、騙されています。このまま騙され続けて7月まで楽しみたいですね。宮藤さんの脚本も面白くて、コミックを読むような勢いで読み切りました。人生の中でも言った事の無い単語があるんですが、その4文字も大切にして言いたいと思います。」と笑顔を見せます。

 そして、マクベスに父王を殺される王子マルカム(レスポールJr.)は森山未來さん。
 「今迄シェイクスピアもハードロックにも縁が無かったので、これからどういうふうになって行くのか想像が出来ない部分が多いのですが、自分なりに精一杯喰い付いて行きたいです。」と、こちらはやや緊張気味でのご挨拶となりました。


 『マクベス』の世界観は変えずに、2206年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、役名もギターのメーカー名からヒントを得たというロックテイストあふれる大胆な脚本。スイッチバック方式で劇中をかき回し、ゆる〜い台詞に油断している間に核心に引き込まれるクドカン独特のうねりを、さらに煽るハードロック、ヘヴィメタルの楽曲は、作詞・宮藤官九郎、音楽・岡崎司による約19曲が流れる予定となっているとのこと。

 『天保十二年のシェイクスピア』でシェイクスピアに、『SHIROH』で台詞も全て楽曲にしたミュージカルに挑んで来たいのうえひでのり氏が、宮藤官九郎氏との初めてのタッグでどのような舞台を創り出すのか。そして、新感線初出演となる内野聖陽・松たか子・森山未來はどのような芝居で魅せてくれるのか。
 演劇ファン、音楽ファン共々、必見の舞台となりそうです。

いのうえひでのり 
いのうえひでのり(演出)

宮藤官九郎
宮藤官九郎

内野聖陽
内野聖陽

松たか子
松たか子

森山未來
森山未來

松岡和子
松岡和子(翻訳)

内野聖陽 松たか子 森山未來

  新感線☆RS
  
『メタル マクベス』

 原作:ウィリアム・シェイクスピア 脚色:宮藤官九郎 演出:いのうえひでのり
 出演:内野聖陽 松たか子
     森山未來 北村有起哉 / 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと /
     上條恒彦 他


《 東京公演 》
日程  2006年5月16日(火)〜6月18日(日)
会場  青山劇場
料金  S席 12,000円 A席 9,500円 Z席 6,500円 (全席指定・消費税込)
前売  2006年3月18日(土)
お問合せ  ヴィレッヂ  03-5361-3027
サンライズプロモーション東京  0570-00-3337

《 松本公演 》

日程  2006年5月5日(金・祝)〜5月7日(日)
会場  まつもと市民芸術館 主ホール
料金  S席 9,800円 A席 8,500円 B席 6,800円 (全席指定・消費税込)
前売  2006年3月12日(日)
お問合せ  まつもと市民芸術館  0263-33-3800

《 大阪公演 》
日程  2006年6月29日(木)〜7月4日(火)
会場  大阪厚生年金会館 大ホール
料金  S席 12,000円 A席 9,500円 Z席 6,500円 (全席指定・消費税込)
前売  2006年4月22日(土)
お問合せ  キョードーチケットセンター  06-6233-8888

劇団☆新感線サイト 

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