今年、ウォーバックスを演じるのはこれが『アニー』初登場となる目黒祐樹さん。断髪式の場となる稽古場に姿を現した目黒さんは、「ちょっと寂しいね。」「頭を刈ると風邪をひくらしいよ。」と多少の心残りがあった様子でしたが、椅子に座りケープが掛けられると覚悟を決めた様子で、「どうぞやってください。」と自らに言い聞かせるように正面を見据えます。
周りを取り囲んだ子役たちの中から、代表者が代わり代わりにバリカンを入れ始めますが、おっかなびっくりの様子だったり、思い切ってバッサリ刈り上げたりと対応もさまざまで、その度に周囲からは笑いとも悲鳴ともつかない声が挙がります。
また、「折角の機会だから、一度やってみたかった」という本人の希望で、途中で一旦モヒカン刈りになった目黒さん。自分の頭をしみじみ手鏡で眺めると周囲からは「カッコイイ!」との声も出ますが、ご本人は「似合わないと思います。もうやりません。」と納得が行った様子。
さらに途中では同公演を主催・製作する日本テレビのキャラクター、ズーミンも登場してバリカンを持つシーンもあり、子供たちからは歓声が起こりますが、目黒さんは「毛の無い鳥に刈られるのは情けない。」と苦笑いの態。
最後にはプロの手で剃り上げられて仕上げられ、見事なスキンヘッドとなった目黒さん。「こんなに切っちゃったんだ。」と床に落ちた毛を眺めながら、「頭が凄く小さくなっちゃったみたい」と頭を撫でます。
報道陣から現在の心境を聞かれて、「さっぱりしました。いよいよ演るんだな、という覚悟が決まった感じですね。昨日は考えないようにしていたので、意外とすっと寝ました。子供たちの何人かがバリカンを入れてくれたのでちょっとジンとした感じで、皆で一緒にこの作品を創っていくんだな、という気持ちがより強くなりました。」と答える目黒さん。
アニー役の二人も「今までもウォーバックスさんだったけれど、ちょっと練習の時と感じが違う」「ウォーバックスさんにもっと近づいた感じ」「凄い」とうなずきあいます。
「生まれてこの方ここまで短くした事が無かった」という目黒さんは、「刈っている時はバリカンの音が凄くて拷問を受けているような感じがしましたが、意外とやってみるとさっぱりするものですね。」と笑顔を見せ、「これで今年の夏までずっとウォーバックスを演じるんだなという気持ちと、作品により一層踏み込んだ感じがしましたね。」と公演に向けて意欲を見せます。
既に「寒さ避けの帽子はしっかり5〜6個買いました。」そうで、「これから毎朝電気カミソリで手入れが必要ですが、役創りとして頑張ってやっていきます。」という目黒さんは、「チームワーク良く稽古を積んでいるので、心温まる舞台になります、是非ご覧になってください。」と力強くメッセージを送っていました。
何度観ても新たな感動が味わえる『アニー』。21年目となる今年も目黒さんをはじめとして、同じく初登場の辺見マリさん、5年連続となる岩崎良美さん、3年目の本間憲一さん、昨年の『アニー』で初舞台を踏んだ川原多美子さんなど充実のキャスト陣が、9000人を超える応募者の中からオーディションで選ばれた28人の才能と個性に溢れるキッズたちと共に、さらにパワーアップした舞台を繰り広げてくれることでしょう。
|