昨年にはブロードウェイでクリスティーナ・アップルゲート主演によりリバイバル上演されてトニー賞にノミネートを果たし、日本でもこれまでに5度の上演が行われている人気の作品ですが、2006年秋、演出・振付に劇団☆新感線や宝塚歌劇団などで振付家として活躍、昨年の『FAME』では演出・振付、今春の『グランドホテル』でも振付を担当した川崎悦子を迎えて上演されることになり、川崎氏をはじめメインキャストが出席しての制作発表会見が4月26日に都内で行われました。
これまで真帆志ぶき、安奈淳、MIE、戸田恵子、島田歌穂が演じてきた主演のチャリティ役は、現役の高校生でありながら、大人びた雰囲気、しなやかで伸びのあるヴォーカル、卓越したダンスセンスで快進撃を続ける玉置成実が、ミュージカル初挑戦で務めます。
その相手役オスカーには、『レ・ミゼラブル』『星の王子様』など近年ミュージカルでの活躍が目覚しい岡田浩暉、チャリティのダンサー仲間には共に宝塚歌劇団男役スター出身の樹里咲穂と初風緑、彼女らが勤めるダンスホールの支配人に赤坂泰彦、美貌の映画女優には岡千絵、そしてチャリティが憧れる映画スター、ヴィットリオと、オスカーが信仰する宗教の教祖ビッグ・ダディの二役に『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』など日本を代表するミュージカル俳優の一人、石井一孝が登場するなど、豪華で贅沢なキャストが揃いました。
会見の冒頭では、劇中で使われるナンバー「♪ビック・スペンダー」がアンサンブルによるダンスで披露された後、川崎氏とメインキャストが華やかな衣裳で登場、盛んなフラッシュを浴びながら、一人づつご挨拶を行います。
今回、天才振付師ボブ・フォッシーの名作ミュージカルに挑戦する川崎悦子さん。
「ボブ・フォッシーは私の最も尊敬する振付師であり、大好きな振付師であって、中でも『スウィート・チャリティ』は一番私の愛する作品で、もう何回観たか解りません。嬉しかったのですけれど、冷静に考えたらこんな大作を私が受け持つのかと思ってちょっと腰が引けまして、今はちょっと逃げ出したい気持ちでもあるんですけれど、私のモットーは「絶対諦めない」ということで、エネルギーとパワーを持ってぶち当たりたいと思います。こんな素敵なキャストの方々の力添えをいただいて、必ず楽しい舞台にしたいと思っています。今は人との付き合いが希薄になっていて悲しい事件が多い世の中ですが、人の事を本当に愛して、愛して貰える仲間が一杯居る、素敵な舞台を多くの方々に観ていただきたいと思います。私なりの色が出せたらいいな、と思っています。」と力強く語ります。
そして史上最年少でのチャリティ役で舞台初挑戦となる玉置成実さん。
「今回、私にとって初のミュージカルという事で凄く緊張しているのですけれども、本当に素敵な先輩方と共演させていただく事が出来てとても嬉しく思っています。今までのどのチャリティよりもヤングでパワフルでキュートなチャリティを演じたいと思います。」と、17歳とは思えない度胸の良さを見せます。
『レ・ミゼラブル』のマリウス役を終えたばかりの岡田浩暉さん。
「舞台は観ていませんが、ボブ・フォッシー監督の映画は大好きで、今回この作品に舞台で参加させていただける事を本当に嬉しく思っています。このオスカーと言う男は怪しい自己啓発セミナーに通う気の弱い会計士でして、おまけに閉所恐怖症と言うとても情けない役なんですが、僕が思うにこの2006年、間違いなく一番ホットでキュートなミュージカルに、何とかひと色添えられたらな、と思っています。」と、新たな役創りに腕を撫します。
宝塚歌劇団在団中から外部出演など幅広い活動で注目されていた樹里咲穂さん。
「私も映画が大好きで、ダンスシーンとかベランダで3人が踊るシーンなど擦り切れるほど見た本当に大好きな作品です。そして私の憧れの人でもあるチタ・リベラさんが映画で演ってらした役を今回させていただける事で本当にドキドキしていますが、楽しい作品になるように頑張りたいと思います。」と語りますが、まだスカート姿には馴れていないとか。
同じく宝塚出身で歌・ダンス・演技の3拍子揃った男役として高い評価の初風緑さん。
「口が悪い役・・・それは男役をやっておりましたので、ドンと引き受けて演って行きたいと思います。何事も私、初体験になることが多いと思いますが、先生の仰るように諦めずに、自分自身を高めながら少しずつ色っぽく演じて行けますように努力して参りたいと思っております。とても明るいメンバーで、皆さん素敵な方ばかりですので、私自身も色んな事を吸収しながらこの作品を務めて行きたいと思っております。」と、こちらも女性役のために高いヒールを履く練習中とのこと。
岡田さんと同じ『レ・ミゼラブル』で、ジャン・バルジャン役を終えた石井一孝さん。
「玉置成実さんを始めとした楽しそうなメンバーと共演出来る事を非常に嬉しく思っています。今回は2役を演じるということで今から色々イメージを膨らませているのですが、例えばサミー・デイヴィス・Jrが演じていた教祖――もちろん黒人の役で映画で見たのですが――黒人ぽく演った方がいいのかな、それとも黒人じゃない方がいいのかな、とか考えて、カツラはアフロヘアかな、とか色々考えているんですけれど、とにかく2役演るということでどう演じ分けるか、というのが楽しみでなりません。ベストを尽くして演りたいと思います。岡田さんが言われたように今年一番クールでホットなミュージカルに頑張ってしてみたいと思っています。」と、自分自身でも役創りが楽しみな様子。
DJとして不動の人気を誇り、近年ではミュージカルにも進出の赤坂泰彦さん。
「この度縁有りまして、銀座ル テアトル店を秋にオープンさせる事となりました。当店の女の子たちはですね、粒揃いであります。遅刻、無断欠席、アフター拒否、これ厳禁です。モットーといたしましては露出、密着、濃厚、と。膝上30cmではなく股下1cmで皆様のお越しをお待ちしております。芝居がハネた後は周りには本物のクラブがあります。どうか楽しい秋をお楽しみに!」と、早くも役になりきったコメントで会場の笑いを誘っていました。
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