軽快な音楽、タップをはじめとしたダンス、ユーモラスな演出、愛に溢れたストーリー、どれをとっても“これぞエンターテインメント”と言うべきこのミュージカルは、ロンドンで1646回のロングランを記録、ブロードウェイでもトニー賞の「主演男優賞」「主演女優賞」「振付賞」を受賞した、まさに歴史的名作ミュージカル。
日本でも宝塚歌劇団での初演を始めとして、2003年には唐沢寿明・木村佳乃のコンビで上演されたこの舞台。
今回、主演を務めるのは、井上芳雄・笹本玲奈という、日本ミュージカル界の若き実力派コンビ。
東京藝術大学声楽科在学中に演出家・小池修一郎に見出され、『エリザベート』での鮮烈なデビュー以来、着実にその人気・実力を伸ばしてきた井上芳雄。
若干13歳で『ピーターパン』主演で初舞台。その後も数々のミュージカルで重要な役を演じ、この公演中には21歳の誕生日を迎えた笹本玲奈。
今後、日本のミュージカル界を担って行く逸材である2人が、帝国劇場に若さとパワーで新旋風を巻き起こします。
そして共演者は、ビルを誘惑しようとする公爵婦人の姪・ジャッキーに元宝塚歌劇団娘役トップで、その歌唱力には定評のある純名りさ。ビルに厳しい教育を行うマリア公爵婦人には、前回帝劇公演ではジャッキーを演じた涼風真世が初挑戦。ビルとサリーを温かく見守るジョン卿には、前回帝劇公演に引き続いての村井国夫らが顔を揃え、若きコンビを支えます。
さらに、演出にはミュージカル・商業演劇・翻訳劇・コメディとジャンルに捕らわれない幅広い演出力で信頼の厚い山田和也。振付には現役タップダンサーで、脚本・演出・振付も手掛ける玉野和紀。指揮にはそのダイナミックな指揮振りと高い音楽性で定評の塩田明弘。と、当代きってのスタッフが揃いました。
随所に楽しいナンバーと、洒落たセリフ、楽しい場面が盛り込まれた舞台ですが、特に1幕ラスト、貴族のパーティに乱入したサリーとランベスの仲間が、舞台はもちろん客席も巻き込んで歌い踊る「♪ランベス・ウォーク」は、劇場中が一体となっての盛り上がりに包まれます。
劇場を出る時には、口笛のひとつも吹きたくなるようなウキウキ気分になれるこの『ミー&マイガール』。ミュージカルファンの方は元より、「ミュージカルを観た事の無い人を誘って一緒に観る」には最適の作品と言えそうです。
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