当日は開始15分前には殆どのキャスト・スタッフが顔を揃え、稽古場のセットも一部は本番用のものが組み上げられるなど、この舞台に掛ける意気込みが感じられる雰囲気の中で顔寄せが始まります。
まず、スタッフ・キャストなどの関係者が一人づつ順に紹介された後、演出・振付の謝珠栄氏が「今回がTSのオリジナルとして10作目の作品になります。私事では上京して30周年を迎える節目でもあり、大作として頑張りたいと思い、芸術祭の参加作品にもなっていますが、賞が頂ければ嬉しいし、頂けなくても当たり前と言うことです。そして今回、20人の若い方に入っていただいたのは、私たちが忘れていたものをもう一度思い出させてくれるかな、と言う事と、この大谷さんの脚本の言葉で言えば「何がこの日ノ本の礎か」という事。私たちがモノを創る、それから皆で一つの国であるという事とか、こうしたカンパニーである事は、人の想いが一番強いものが良いと思うんですよね。貧乏カンパニーですけれども、その“人の想い”でどれだけの作品が創れるかということに期待して、私の大好きな方々に集まっていただき、何かひとつ、自分たちの枠から違ったモノを創りたいという思いでこの作品を企画しました。」と、今回の作品について、期待と自らの意気込みを込めての挨拶を行います。
続いて脚本を担当した大谷美智浩氏が「こんなに日本ミュージカル界に男優が居たのか、と言う位男性が多くて、むさい稽古場かなと思ったら(笑)、皆凄くスマートなんですね。謝先生の振付も渥美さんの殺陣もとてもハードだと思いますので、心配していることが二つあります。この作品が上手く行くのは間違い無いと思いますが、皆さんの怪我と、駒田一がアドリブに走らないこと(爆笑)、これはお笑いのポジションではないということを皆さんに言っておきたいと思います。」とユーモアたっぷりの挨拶を行って場を和ませます。
また、音楽の玉麻尚一氏は「今回は僕も過去に通ったことはあっても、きちんと向き合った事の無い日本の古代のものなので、色々創ってみましたが、これから皆さんとのいろいろな話の中でどうしたらオリジナリティが出てくるのか。多分世の中に全く新しいものは無いと思うので、何かを削ったり重ねたり増やしたりする中で、「これは絶対この作品の中にしか無い」と言うものが出来たら面白いと思っています。ミュージシャンも今回はちょっと普通ではないもので行こうと思っていますので、その中で何か新しいコラボレーションが出来るかな、ということを強く希望しつつ行きたいと思います。」と自身にとっても挑戦となる今回の公演へ意欲をみせました。
これまでにも数々の評価の高い作品を創り続けて来たTSミュージカルファンデーションが、今回は古代史を舞台にどのような世界を展開してくれるのか。
ファンならずとも大いに期待が膨らむところです。
またシアターフォーラムでは、この顔寄せを前にした謝珠栄氏にインタビューを行い、改めてこの作品の魅力や狙いについて語っていただきました。
この顔寄せに引き続き行われた稽古の模様、ならびに主な出演者のインタビューも動画で掲載をしており、ご覧頂くと作品への興味が更に増す事になると思います。
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