ジョン・ケアード版『キャンディード』公開舞台稽古前会見
左より:市村正親、新妻聖子、井上芳雄、村井国夫
● 明日からの公演に向けての心境を一言づつお願いします
市村 今日はこれからプレビューということで、明日は初日なんですけれども、今舞台稽古を全部終えて、本来ならば通し稽古をやってからプレビューに行きたいんですけれど、これからプレビュー、明日が初日ということで、今日が一番緊張していますね。舞台稽古を通して、凄く手造り感の在る良い話に出来上がっているので、お客様のご期待には沿えるかなと思っています。
新妻 今日、お客様の前で演じるということで緊張も有るんですが、今までやってきた事を信じて、舞台上にこれまでどなたもご覧になった事が無いような世界が拡がっているような気がするので、私自身もお客様を前にした時にどうなるのか楽しみに、ドキドキとワクワクが半分づつの気持ちです。
井上 頑張って稽古はしてきたんですが、本当にギリギリというか、もうお客様の前で見せるのかという戸惑いは多少あるんですけれど、それを含めて冒険というか、キャンディードは色んな人が色んな経験をする話なので、それを含めて楽しんで、お客様と一緒に冒険が出来たら思ってもみない所に辿り着くのではないかと楽しみにしています。
村井 本当に丁寧に一つ一つ、最初の日は10ページも行かないくらいの演出の仕方で、本当に丁寧に丁寧に創りました。この世界がお客様にどう受け取っていただけるか、それが凄く期待でもあり、楽しみでもあります。他の3人は出っ放しで、僕は最後にちょっと出るだけなんですけれど、素晴しいです。
● ジョン・ケアードさんの演出はいかがでしたか
市村 非常にマジカルな人で、次々に色んな発想が出てくるので、こちらも負けないようにそれに輪を掛けた発想をしていくと、どんどん演技が積み重なっていって何か思いがけない演技が出来たりとか、彼は日本通でとても良く日本語を喋るので、そういう意味では非常に楽ですね(笑)。
● 稽古場でのエピソードなどありましたら
井上 市村さんが逆にジョンの英語を覚え始めましたよね。少しづつね。
市村 (笑)まあね、色々言ってる時に冗談でね。
● 市村さんは製作発表の時にキャンディード役は自分の方が良いと仰ってましたが
市村 やっぱり僕はボルテールだと思いましたね(笑)
井上 変わりましょうか、今からでももし良かったら(笑)
市村 ちょっと待って! 俺どっちがいいか・・・(笑)、俺マーティンがいいかも知れない(笑)
村井 全部演りたい。
市村 いや、もう長くてね。全編出ずっぱりで舞台が傾斜なので、ちょっと油断すると前につんのめる様な感じで結構足に来ていますよ。
● 井上さんのキャンディードはいかがですか
市村 いいですよ! 芳雄のキャンディードを見ていると、やっぱり僕も彼くらいの年齢の時に「そう言えば四季でこういう若い役を演っていたなぁ」と思って。まあ・・・以上です(笑)
● 皆さん特徴的な役柄ですが、ご自身と似ているところ、似ていないとこはありますか
村井 僕はもうそのままで、役そのままの悲観主義者で、人生悲観しながら生きているので何の芝居もしないでそのままやっております。
井上 「純真」という役なので、かつては純真だったので、そこはちょっと思い出すかな・・・
村井 アジアの純真・・・
井上 全然気にしなくて良いので(笑)、でも色んな目に遭ってちょっとづつ自分の考え方を変えて行くと言うところは・・・僕だけじゃ無いと思いますけれど・・・解るなと思います。
● かつては純真だったということは、今は?
井上 今はですね、舞台を始めて10年なんですけれど10年で色々な目に遭いまして、純真とは言い切れないところも残念ながら出て来ているんですけれど、どうにか思い出して演りたいと思います。
● 今回の舞台は
井上 信じていた事が裏切られるという、こんな辛い事は無いんですけれど、でもそこからですよね、そこから人は自分の考えを探して行く訳でしょ。観ていただければ分かるんですけれど、本当に自分の手で人生を見つけたいと思っております。
新妻 クネゴンデは強烈なキャラクターだと思うんですけれど、何か女性の裏も表も全部見せます、みたいな役で、井上さんなどは演りながら「見たくなかったな、知りたくなかったな」という面も有ると思うんですね。それで似ているところは何だろう・・・やはりキラキラしたものが好きだとか、着飾っていたい気持ちは女の子は皆持っていると思うので・・・どうしよう(笑)
井上 綺麗に纏まりました。
市村 僕は眼鏡を掛けている時はパングルスという役で、眼鏡を取るとヴォルテールなんですけれど、このヴォルテールと僕がどこが合っているかというと、殆ど合っていないですね。大体クォリティとかモノを創るとか本を書くなんて事は僕には一切出来ない。でもパングルスを演っていると、あんまり他人に教えるのは好きじゃないけれど、物事を前向きに生きるというパングルスの役は非常に僕的かな。これからプレビューがあるけれど、本来ならばドキドキしているんだけれど、これは失敗も全て最善のためにあるんだ(一堂爆笑)、と一生懸命言い聞かせて、何回間違えても、間違えることは最善であるということで演っております。
● ご自宅でも稽古はされて、お子さんの反応はいかがですか
市村 今朝もオーヴァーチュアの振りをやっていたら、羊のくだりで同じ振りをしますね。
新妻 えー! 可愛いい!!
● 観にこられるんでしょうか
市村 来た時は思うんですよね。ウチの子は羊の姿は判っているんですけれど、この芝居には赤い羊が出てくるんですよね。もしかすると「違う!」って言うかも知れないね。彼の知っている羊はあの色だから、赤いから「違う!」って言うかも知れないね。・・・まあ、そのくらいですかね。でも観にきますよ。
ジョン・ケアード版 ミュージカル『キャンディード』
キャスト | ヴォルテール&パングロス |
キャンディード 井上芳雄 |
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グネゴンデ 新妻聖子 |
マキシミリアン 坂元健児 |
マーティン 村井国夫 |
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老女 阿知波悟美 |
ヴァンデルデンデュール 安崎 求 |
パケット 須藤香菜 |
カカンボ 駒田 一 |
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伊藤俊彦、小西のりゆき、中井智彦、野島直人、藤田光之、水野栄治 | ||||
阿久里夏代、稲田みづ紀、井上珠美、折井理子、さとう未知子、鈴木智香子 | ||||
スタッフ | ![]() |
公演情報
日程 | 2010年6月2日(水)〜6月27日(日) |
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会場 | 帝国劇場 |
料金 | S席 12,500円 A席 8,000円 B席 4,000円 (税込) |
問い合わせ先 | 帝国劇場 03-3213-7221 |