シアターフォーラム    
シアターフォーラム 中川晃教×上川隆也でロックミュージカル『SHIROH』製作発表

会見風景
 天草四郎の伝説を題材に、劇団☆新感線の座付き作家である中島かずき氏が書き下ろす新作ロックミュージカル『SHIROH』。
 時は江戸時代、三代将軍徳川家光の治世。所は九州、天草・島原。
 その頃、天草と島原には二人のSHIROHという男がいた。一人は、島原のキリシタン大名、小西行長の家臣だった甚兵衛好次の長男、益田四郎時貞。もう一人は、貿易船の中で父の遺した宝を守り続ける、天草のシロー。


 帝国劇場2004年12月公演、梅田コマ劇場2005年1月公演、『SHIROH』の製作発表会見が9月19日に都内で行われ、作の中島かずきさん、演出のいのうえひでのりさん、そして二人のSHIROHを演じる中川晃教さん、上川隆也さんをはじめ出演者が、この新作ロックミュージカルに掛ける意気込みを語りました。


 作の中島さんは、このミュージカルを創るきっかけについて「四郎というのは、いのうえ氏が「歌声で人々を扇動するカリスマ的な人間として天草四郎を描きたい。」と10年近く前からずっと言っていた事で、何度か話をしてミュージカル用の素材として練っていました。」と昔からのアイデアであったことを明かします。
 そして「歴史モノはいのうえ歌舞伎でいつもやっているし、宗教・政府・虐げられた人々というのは僕がいつも書いている構図に入る物語で、高校のときに『ジーザス・クライスト・スーパースター』を見て吃驚して、神と人間の話を歌で演るというのはこういう風に出来るふうに出来るのか、というのがあって、やりたいと思っていました。実在の人物は天草四郎時貞(上川隆也)とレシーナお福(杏子)の二人、山田寿庵(高橋由美子)はそのような人間が居たという説が有るのを膨らませました。後の人物はフィクションです。」と、満を持しての上演に自信を覗かせます。


 演出にあたるいのうえさんは、「今まで「なんちゃってミュージカル」、ミュージカルのようなものは幾度となく劇団☆新感線の舞台でやってきたのですけれども、本当に正真正銘のミュージカルということでやるのは初めてで、しかも日本のミュージカルの殿堂である帝国劇場でやるのは、まるで遣唐使のような気分で、ミュージカルの国という他所の国でやるような感じです。
 全部が歌ということはないですが、全体の8割近く、37曲〜40曲の音楽が使われる、という舞台で、僕らもそういう稽古をやったことがないので、どうなるんだろうという不安もありますけれども、逆に言うと今までに無いものが出来上がるんじゃないかとワクワクしています。」と初の本格ミュージカルに腕を撫します。

 また、この芝居の構想について「昔、ミュージカルをやるなら、と考えていた時にラルク・アン・シエルのコンサートを見て、hydeとお客さんとの関係、指一つでお客さんが動かされているというのが宗教家のようで、歌声で先導する、カリスマ性の高いロックボーカリストというのは宗教家に近いと思っていました。
 それで、ビジュアル的なイメージを含めて天草四郎はロックミュージカルになる、悲劇的な結末も含めてドラマティックな話になる、いずれどこかでやりたいねと話をしていたのですが、昨年『モーツァルト!』を観て、中川君なら出来ると思いました。
 それまでミュージカルだと、声楽をきちんとやった歌、言葉、というきちんとした歌い方の印象があったんですが、それとはまったく筋が違うミュージカルスター。ポップス、ロックを歌うようでナチュラルに彼の歌声が入ってきて、初めて中川君の歌を聴いていいなと思い、「こういう歌い方をするミュージカルスターが居るんだ、彼ならシローがで出来る」と話をしたのが実現しましたね。」とこれまでの経緯を語ります。


 「脚本はキャストが決まってから宛書しました。実在と非実在が混在するのはいつものことでプロットまでは簡単でしたが、楽曲を意識しながら書かなければならないのに苦労しました。演出家がロックミュージカルにポリシーがあるので、今は台本は上がって、それをミュージカルに構成しなおしている段階です。」(中島氏)
 「音楽は現在製作中でオープニングを始め、何曲かは出来ています。基本はロックですが、ロックといっても色々ありますし、37曲、3時間近い舞台になると思うので、出来るだけバラエティに飛んだ楽曲を入れたいですね。」(いのうえ氏)
ということですが、こうした発言を聞いた出演者はそれぞれに、

「今回、新しい刺激を100%吸収できるように頑張っていきたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。」(中川晃教=シロー)
「どうなんでしょう・・・頑張ります。宜しくお願いします。」(高橋由美子=山田寿庵)
「私は舞台は2回目なんですけれども、2回目で大好きで憧れていた劇団☆新感線の舞台に出られるという事で凄く嬉しいです。それと聞いたところによりますと、40人近くいらっしゃる出演者の中で10代は一人だそうです。幽霊の役なのですが、弾けて頑張りたいと思います。宜しくお願いします。」(大塚ちひろ=リオ)
「本当に劇団☆新感線はずっとずっと好きで、いつも追っかけみたいに観に行っていたので、そこに参加できるのは本当に凄く興奮しています。お福という名前もなかなか縁起が良さそうで(笑)、頑張ります。宜しくお願いします。」(杏子=レシーナお福)
「セクシーくノ一役の高田聖子です(笑)。今日は劇団員代表でやって参りました。精一杯頑張ります。宜しくお願いいたします。」(高田聖子=お紅)
「セクシーくノ一役のお姉さんの秋山です(笑)。中島さんやいのうえさんと仕事が出来るのは凄く光栄に思っております。ロックミュージカル・新感線ということで、アクションとかも有ると思うんですが、体力を付けて頑張りたいと思います。宜しくお願いします。」(秋山菜津子=お蜜)
「いのうえさんや中島さんの今お話なされた意気込みをお伺いするにつれて、今自分がこの場に居ていいものかと、つくづく思い知らされております。ですので、自分の出来ることで貢献して参りたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。」(上川隆也=益田四郎時貞)

と、日本のオリジナルロックミュージカルに期する所、大といった様子。


「昨日『ミス・サイゴン』を観に行って「歌ばっかりだ!」と非常に吃驚しました。『SHIROH』もその後に演る訳ですが、こちらも小劇場出身の人間たちと東宝ミュージカルの合体で果敢にミュージカルに挑戦したいと思っています。8割位は歌にして、いのうえ歌舞伎でやっていたような物語をどこまでドラマティックにミュージカルで出来るか、ということに挑戦していきたい。今回のキャスティングもそれを象徴する異種格闘技戦のようなキャスティングになって、12月にはエキサイティングな舞台が帝劇に立ち上がると思います。期待してください。」と力強いコメントの中島さん。

「音楽で話が進行していかなければ、ミュージカルではないと思います。心情・独白をバラードで歌うのが日本のオリジナル・ミュージカルですが、そうではなく音楽がうねって行くダイナミズム、ミュージカルの良いところが出ると思います。これまで挑戦したいけれど怖いと思ってきましたが、今回は後ろから背中を押された形で初ロックミュージカルと銘打って頑張ります。」とこちらも気合を覗かせるいのうえさん。


 主演の中川・上川のお二人は、これが2度目の顔合わせということで多少遠慮が感じられるものの、「上川さんが演られた「大地の子」は小さい頃に寝るときに読んでもらった本で、テレビでも家族と一緒に見ました。そのときの感動は覚えていますし、今回一緒させて頂くので緊張していますし、失礼の無い様に頑張ります。」(中川さん)
「中川君の『モーツァルト!』を観ました。歌は抜群に上手いので、私の出来ない事を十二分に補って頂こう、と、おんぶに抱っこの気持ちで居ます。」(上川さん)
と、お互いに、その存在・才能を認め合っている様子です。


 ヴィレッヂ(劇団☆新感線)と東宝がタッグを組んで、豪華なキャストで年末・年始に上演されるロックミュージカル『SHIROH』。
 音楽・ヴィジュアルなど、様々な面で斬新な話題の公演となりそうです。

なお、この製作発表の模様は、改めて動画にて掲載を予定しております。
どうぞ楽しみにお待ちください。

中島かずき
中島かずき(作)
いのうえひでのり
いのうえひでのり(演出)
中川晃教
中川晃教(シロー)
高橋由美子
高橋由美子(山田寿庵)
大塚ちひろ
大塚ちひろ(リオ)
杏子
杏子(レシーナお福)
高田聖子
高田聖子(お紅)
秋山菜津子
秋山菜津子(お蜜)
上川隆也
上川隆也(益田四郎時貞)

ポスター
SHINKANSEN☆RX
 ROCK MUSICAL 『SHIROH』

【作】中島かずき 【演出】いのうえひでのり

東京公演
  日時 2004年12月7日(火)〜12月29日(水)
  会場 帝国劇場
  前売 2004年9月25日(土) 発売開始
 問合せ 帝国劇場 03-3213-7221

大阪公演
  日時 2005年1月8日(土)〜1月18日(火)
  会場 梅田コマ劇場
  前売 2004年11月3日(祝) 発売開始
 問合せ キョードー大阪 06-6233-8888


東宝サイト 
劇団☆新感線

製作発表 質疑応答 (@nifty)





   

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