新納慎也×大沢樹生 『GODSPELL』稽古場インタビュー
2
●お二人の共演というのは初めてですか
二人 初めてです。
大沢 初演のユダと、再演のジーザスで、再々演の今回が初めてです。
●お互いの舞台は御覧になられたのですか
大沢 僕は残念ながら、ニーニョのは観ていないんですよ。
新納 僕は初演の『GODSPELL』を観ているので。
●今回共演するまでのお互いの印象や、一緒に稽古して変わったことは
大沢 うーん、どうでしょうね。でも3年半ぶりだっけ・・・
新納 3年半ぶりですね。
大沢 稽古初日から、ちゃんと科白が入っていて、「凄げぇなぁ」と。
新納 いやあ、覚え直したんですよ。科白は、まっさらになっていましたからね。僕は初演の大沢さんを観て、その持っている独特の緊張感とか、・・・何て言うのかな、上手く言えないんですけれど、何かスレた感じが「ああ、ユダっぽい！」と。「ユダっぽい」し、役者としても凄い強烈な個性だったので、共演できると知って、「これはどうなっちゃうんだろう」と思って、実際に会って、――もちろん強烈な個性なんですけれど、 ――見た目よりも意外と繊細だったりとか（大沢・笑）、大体＂気にしぃ”だったりして、そういう部分がね、凄く今愛すべきところで、確かにアドリブとかも多いんですけれど、割と何か演りやすくて、どっかでちゃんと信頼しているし、信頼してくれるのもちょっと感じるし、凄く気持ち良く演っています。
大沢 そんな、ニーニョ・・・嬉しいわぁ！！！
新納 （大沢さんが持っている模型のマイクを指して）昨日この人、稽古中に5時間半待ち時間が有って、5時間半で作ったマイクなんです。昨日、稽古中にやったのはこれだけでした（二人・笑）。
●力作ですね
新納 力作！ 割と上手く出来てる。
大沢 これ、本番も使います（笑）。
●お互いに相手役が変わった事で、自分の役創りが変わった点はありますか
大沢 役創りって言ってもねぇ・・・創りようが無いからねぇ・・・。ユダ、ジーザスだからねぇ（笑）。
新納 でも、・・・意識として「あ、ここが全然違うな」というのはあまりはっきりは無いですけれど、多分前回とは違うものが凄く出ているんじゃないかな、とは思いますね。
 ●前回は、大沢さんの2部の衣裳が話題になりましたが、今回の衣裳はどうなるのでしょう
大沢 何か、初演よりはるかにグレードアップするみたいですよ。
●もうデザインは御覧になったのですか
大沢 一番基本形のデザインは拝見しましたけれど、なかなか（文化服装学院の）学生さんたちが気合入れてくれているので、衣裳合わせを楽しみにしてますね。
●新納さんはご覧になったのですか
新納 デザイン画だけは取り合えず。でもジーザスは基本パターンが、ああいう＂道化”としてなので、基本的にはあまり変わらないと思うんです。もちろんデザインは違ってくるんですけれど、イメージはあまり変わらないと思います。
●お客様には『GODSPELL』をどのように楽しんで欲しいと思いますか
大沢 あくまで聖書の事を歌って、語っている訳で、難しく考えると正直、俺なんかも良く解らないんですよ。でも実は人間として基本的なことをジーザスは説いている訳で、あまり、その聖書の世界という色眼鏡で、先入観で観ずに、劇中劇なんかも有って、いわゆる遊びながら進行して行くので、遊び心満載で是非お客さんにも観ていただきたいなと思っていますけれど。
新納 そうなんですよ。聖書をめくるように話が進んでいって、解りやすいストーリーがずーっと有る訳じゃない。ストーリーを追って話が進んでいく訳でもなく、聖書のセンテンス・センテンスを、劇中劇だったりゲームだったりで進んでいくだけなので、多分始まってすぐビックリしちゃうと思うんですよ。「ストーリーが解らなくて置いて行かれた。」みたいな。でもそういう事ではなくて、寓話、終わりました。はい次のお話、はい終わりました。ってやって行くうちにだんだん皆が一つになっていったり、ジーザスが行く末に或る運命を解っていて苦悩したりとか、ユダの裏切りが有ったりとか、という事が段々解ってくるので、ストーリーを追おうとして難しく考えないで、公園で、ジャングルジムで、悩みを持った、引き篭もった人たちがキリストの世界観を追体験しよう、って集まって、それを遊びながら楽しくという作品なので、お客さんも「追体験しよう」という感じで、公園に遊びに来た感じで、キリストごっこを楽しんでいただければと思います。
●ストーリー展開よりは、人物をどう捕らえるかという点から観てください、という事ですね
新納 そうですね。
|
インタビュー1へ