一条ゆかり原作『プライド』。一条作品初の舞台化で製作発表
左より:寺ア秀臣、一条ゆかり、佐々木喜英、笹本玲奈、新妻聖子、鈴木一真、大石静
「デザイナー」「砂の城」などのシリアスな作品から、テレビドラマ化も行われた「有閑倶楽部」(第10回講談社漫画賞少女部門受賞)などのコメディまで幅広い作品を世に送り出し、日本を代表する少女漫画家であり、またエッセイ等でも幅広く活動を続ける一条ゆかり。
その一条ゆかりが2002年12月から2010年2月まで月刊「コーラス」(集英社)に連載し、2007年には第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞、コミックは全12巻で300万部を超える大ヒット作品となった『プライド』。
有名なオペラ歌手を母に持ち何不自由なく育った麻見史緒と、貧しい母子家庭に生まれた苦学生の緑川萌は、オペラ歌手志望の音大生として数々のステージでぶつかり合う。
宿命のライバルであり、至高のハ―モニィを奏でる最強ペアでもある二人は、激しく憎み合いながらも、誰より互いの実力を信頼する…。
2009年1月には、麻見史緒=ステファニー、緑川萌=満島ひかり、のキャストで映画化もされたこの『プライド』が、2010年12月に舞台化されることになり、原作の一条ゆかり氏を始めスタッフ・キャストが顔を揃えての製作発表とトークショーが開催されました。
会場には、演劇ファンはもとより一条ゆかりファンなど、2000名を超える応募者の中から選ばれた140名のオーディエンスも同席。一条ゆかり氏の作品が舞台化されるのはこれが初めてとあって、会場は期待と熱気に包まれます。
今回の舞台化で注目されるのは、まず映画では雑誌連載中でもあったために単行本の5巻までのストーリーが描かれていたのに対し、完結を迎えての今回は最終のエピソードまでが描かれる事。
そして、さらに特筆すべきは出演者が4人のみである事。脚本を手掛けるのは連続テレビ小説「ふたりっ子」(第15回向田邦子賞受賞)や大河ドラマ「功名が辻」、ドラマ「ギネ 産婦人科の女たち」など多くのヒット作で知られる大石静。
「長い原作の世界観、テーマ性を、物語の核となる史緒と萌に加え、それを見守る蘭丸、3人に振り回される神野の4人をきっちり描くことで、原作に込められている魂のようなものを描くことが出来たら」、と意気込みを語りますが、脚本を読んだ一条氏からはダメ出しが有ったそうで「これから帰って直します。」との事。
その一条氏は自身の作品の初の舞台化について、「舞台は歌を聴かせるにはぴったりだし、キャスティングも凄く楽しみです。キャストの4人もそれぞれの役にぴったりで、原作のイメージそのままですね。」と満足げ。「とにかくゴージャスに、原作の世界観をゴージャスに表現して欲しい。」と期待を寄せます。
そして出演者たち。
まず有名なオペラ歌手を母に持ち何不自由なく育った麻見史緒には、ミュージカル『ピーターパン』で5代目ピーターパンとしてデビューし、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ、『ミス・サイゴン』のキムなど、実力派として数々のヒロインを務め、2007年に第32回菊田一夫演劇賞、2008年には第15回読売演劇大賞優秀女優賞および杉村春子賞を受賞した、笹本玲奈。
そして、貧しい母子家庭に生まれ、オペラ歌手を夢見てバイトに明け暮れる苦学生の緑川萌には、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役としてデビューし、『ミス・サイゴン』のキムや、『キャンディード』のグネゴンデなどで歌唱力を絶賛され、2005年に第31回菊田一夫演劇賞受賞、2007年には第61回文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞を受賞した、新妻聖子。
これまで3回Wキャストを務め、特に世界初演となったミュージカル『マリー・アントワネット』(2006年11月〜2007年5月)のマルグリット・アルノー役では役造りの苦労を共にした2人が、遂に待望の共演を果たします。
さらに史緒・萌と音楽ユニット「SRM」を結成するピアニストの音大生・池之端蘭丸に、ミュージカル『テニスの王子様』でブレイクし、今後の活躍が期待され注目される若手俳優、佐々木喜英。
イタリア留学をかけたコンクールを主催するレコード会社「クィーンレコード」の副社長で、2人の運命を大きく左右することになる神野隆には、モデルとしてデビューし、連続テレビ小説『天うらら』でブレイク。多くのテレビ、映画のほか、『テンペスト』(蜷川幸雄演出)や『KEAN』といった舞台でも活躍する実力派、鈴木一真。
ミュージカル界を代表する若手女優の二人が役さながらの競演を魅せ、シアタークリエに初登場となる男優二人がドラマを彩るこの『プライド』
大石静の手によって、原作よりさらに濃密にパワーアップしたドラマティック・ラブ&バトル。
複雑に絡みあう愛憎のドラマと、美しい音楽に彩られた舞台は、演劇ファン、漫画ファン、音楽ファン、それぞれに必見の作品と言えそうです。
『プライド』
キャスト | 池之端蘭丸 | 佐々木喜英 |
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麻見史緒 | 笹本玲奈 | |
神野 隆 | 鈴木一真 | |
緑川 萌 | 新妻聖子 | |
スタッフ | 原作: | 一条ゆかり |
脚本: | 大石 静 | |
演出: | 寺ア秀臣 |
公演情報
日程 | 2010年12月1日(水)〜12月19日(日) |
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会場 | 日比谷 シアタークリエ |
料金 | 8,800円 (全席指定・税込) |
問い合わせ先 | シアタークリエ 03-3591-2400 |
日程 | 2010年12月22日(水) 18:30〜 |
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会場 | 岸和田 浪切ホール |
チケット発売日 | 一 般 : 11月14日(日) 友の会 : 11月 7日(日) |
料金 | 一 般 : 6,000円 友の会 : 4,000円 |
問い合わせ先 | 浪切ホールチケットセンター 072-439-4915 |
日程 | 2010年12月23日(木・祝) 16:30〜 |
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会場 | 名古屋 名鉄ホール |
料金 | 8,500円 (全席指定・税込) |
問い合わせ先 | キョードー東海 052-972-7466 |