2005年12月9日、オーストリア・ウィーンのMuseumsquartier
Hall Eで、一日限りで上演された『MITSUKO』&ミュージカルハイライト。
第1部の『MITSUKO』に続き、第2部は人気ミュージカルナンバーからのハイライト集となります。
一路真輝さん、井上芳雄さん、そしてUwe
Kroegerさんの3人のコンサートといえば、2004年6月に、東京・大阪・名古屋で行われた『DIVA2004』を思い出しますが、この時の共演が縁で企画された今回のステージ。
更にさかのぼれば、ウィーンで初演され、Uweさんがオリジナルキャストとしてトートを演じ、日本初演の宝塚で同じくトートを演じた一路さん、東宝版のオーディションからルドルフ役でデビューした井上さんと、ミュージカル『エリザベート』がこの3人を結びつけ、このコンサート実現までに至ったのは周知の通りです。
第2部も第1部と同じく、舞台奥にオーケストラ、左右にコーラス用のマイクが並ぶステージ。スタートは第1部の『MITSUKO』の作曲者でもある、フランク・ワイルドホーン氏の代表的なミュージカル『ジキル&ハイド』からジキル博士のナンバー「♪時が来た」をUweさんが英語で披露。以後はUweさんがメインとなって進行し、まずは一路さんを紹介。
濃紺のドレスで登場した一路さんは最初の挨拶をドイツ語で行い、以後は通訳を挟んでお客様にご挨拶。そして同じく『ジキル&ハイド』でルーシーが歌う「♪あんなひとが」を歌い上げます。
続いてUweさんが井上さんを紹介。お二人が共にクリス役を演じた『ミス・サイゴン』についての会話の後、話は先月まで井上さんがタイトルロールを演じていた『モーツァルト!』に移り、井上さん、一路さん、Uweさんが『モーツァルト!』のそれぞれの持ち役からのナンバーを披露します。
そして、3人にとって運命の絆とも言える作品『エリザベート』。最初はUWEさんが歌う「♪最後のダンス」、サビの部分を日本語で歌うサービス精神を発揮しながら、圧倒的な迫力で歌い上げます。深紅のドレスに着替えて登場した一路さんが歌う「♪私だけに」の後は、UWEさん、井上さんによる「♪闇が広がる」、そしてUweさん、一路さんの「♪私が踊るとき」。簡単な動きを交えながらのデュエットに、本公演のイメージをオーバーラップさせて御覧になられた方も多いと思います。
そして最後は、Uweさんが現在出演中(宰相リシュリュー役)のミュージカル『三銃士』より「♪Oh
Herr」で締め括りとなり、出演者・指揮者が改めて紹介されて、一同が袖に下がります。
しかし、観客席からの拍手は鳴り止まず、再度全員が登場した後、アンコールとしてUweさんが、来年出演するという『オペラ座の怪人』から「♪Die
Musik der nacht」を披露し、観客の声援に応えていました。
100年以上前にこのオーストリアで、日本人として社交界を魅了した、ミツコ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵夫人。そして今、音楽でこの国の観客を魅了した一路真輝さん、井上芳雄さん。
先日には、クンツェ、リーヴァイ両氏の手による新作ミュージカル『マリー・アントワネット』が日本で初演される事や、ワイルドホーン氏が作曲を手掛け、小池修一郎氏が脚本・作詞を担当する宝塚歌劇団公演『Never
Say Goodbye』が発表されるなど、国境を越えたワールドワイドなミュージカル、そしてステージが展開されつつあります。
ファンにとっては、これからも大いに楽しみな舞台が増えることになりそうです。