2005年は、日本・EU市民交流年の年にあたり、各地で相互理解と交流を目的にさまざまなイベントが行われてきました。
このEUの概念の基となったと言われているのが、リヒアルト・クーデンホーフ=カレルギー伯爵の書いた「パン・ヨーロッパ」です。彼の母は、国際結婚をしてオーストリア=ハンガリー帝国のクーデンホーフ家に嫁いできた明治の女性・青山ミツことミツコ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵夫人でした。
次男・リヒアルトが「パン・ヨーロッパ」構想について、「母がいなければこの活動は生まれなかったでしょう」と語り、「ヨーロッパ統一の母」と言われたミツコ。
彼女が晩年を過ごしたウィーンで、そのミツコの生涯がミュージカル・コンサートになります。
出演者は、オーストリアを舞台にしたミュージカル『エリザベート』のオリジナルキャストのトートであるUwe
Kroeger、『エリザベート』では唯一トートとエリザベートを演じている他、『イーストウィックの魔女たち』のアレキサンドラ、『王様と私』のアンナ、『モーツァルト!』のヴァルトシュテッテン男爵夫人など数々のミュージカルで重要な役どころを演じている一路真輝、『エリザベート』のルドルフで鮮烈なデビューを果たした後、『モーツァルト!』では主役のヴォルフガングを、『ミス・サイゴン』ではクリスを演じて、現在若手ミュージカル俳優ナンバーワンと言われる井上芳雄。
2004年6月に東京などで行われたコンサート『DIVA2004』では息の合った歌声を披露した3人であり、各人とも歌唱力には定評の有るところで、今回のコンサートにも期待が高まります。
また第二部では、『エリザベート』『モーツァルト!』『ジキル&ハイド』のハイライト場面が歌われるなど、見所が満載のコンサート。
会場となる、Museumsquartier Hall Eは、Museumsquartierにあるホールの中で最大のもので、公演に合わせて形態を変えられるようになっている可変式のホールです。
この夢のコンサートは、たった1日だけ、オーストリア時間で12月9日(金)15時30分と19時30分の2回公演となります。
日本とEUの架け橋となったミツコに心を馳せながら、たった一夜の豪華で贅沢なコンサートに身を浸すのも良いのではないでしょうか