Shoes On!6  
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川平慈英インタビュー
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『Shoes On! 6』に向けて。川平慈英インタビュー 2

●このように『Shoes On!』が続いてきた原動力は何だと思いますか

 ・・・いっぱい言葉は浮かぶんですけれども、単純に・・・このバランスがとっても皆好きなんでしょうね。非常に放し飼いにされているところと、その分自分で自分を管理すると言うか、自分で自分を奮い立たせられる、そして表現できる。なおかつ自分のアイデアだとか、そのパフォーマンスと言う形での価値観を本当に実現出来る場所なんですよね。
 普通は台本があって、スコアがあって、演出家が居て、――ある程度、自分の価値観も当然その役に入れるんですけれども、――やっぱりスタート地点はその脚本のチカラ、脚本が要求してくるもの、演出家が要求してくるもの、音楽監督あるいはそのスコアが、音楽自体が要求してくるものに如何に自分が乗って成功させるか、っていうところが殆どだと思うんです。
 でも『Shoes On!』は、そうではないんですよ。言葉が中々無いんですけれど、劇団といえば劇団ぽいし、部活といえば部活っぽいし、自分たちがやればやるほど、自分たちが練れば練るほど、苦しめば苦しむほど返ってくるんですよね。尚且つ自分の発言が許され、それが説得力の在るものであれば、周りの全員が瞬時にして動くんですよ、「それ、やろう!」。その面白さを皆が凄く感じているんじゃないか、と思います。自分の世界で染められる何曲かが有る、っていう。
 さらに、表現者としても認めている人たちの価値観で刺激させられる楽しさ。だから好きなんでしょうね、その仲間――細かいところで腹立つところはいっぱい有りますよ(笑)、「もう、何やってんだよ!」って僕も言われるし、――でもそれを全部卓越した凄いリスペクト、敬意を持ってお互いとのぶつかり合いがある楽しさ、がやっぱり好きなのかな。

●客席からは常に新しいもの、グレードアップしたものを求められると思うのですが

 ああ、怖い(笑)

●そのプレッシャーも有ると思うのですが、それよりも楽しさが勝っているから続いているということなのでしょうか

 皆、始まる前の考える段階、練る段階、頭を使って創り上げている作業の過程では非常にプレッシャーを感じているんですよ。「ヤバイよ、本当に今年。」――毎年そう言っているんですけれど、――「今年はハズせない」「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」「これもう、半端なこと出来ないよ」。「じゃそのためにはコレ、コレ」「こうやってこう」「いや、もっともっと」って。頭を使った段階では危機感を持っているんですけれど、いざ稽古場に来て、タップシューズを履いて始まると、「お前ら、ガキか!?」って言うくらい、何か「ウヒャヒャヒャ」ってこう転がり始めるんですよ。単純に言えば、凄く楽しくなるんですよね。それだけにその前の段階が非常に大事なんですけれども、いざ始まったら、部活的なんですよね。「何やってんだよ!」「うっひゃひゃ〜」「じゃ、こうやれば」「あ、面白い」「じゃ、こうやれば?」「わー、それ笑える、ガハハハ〜」っていう、非常に良く言えば、子供たちが何かを創り出す時ってもう恐れも何も知らなくて、信じ込んでいて何かを産み出すじゃないですか。そういう時があるんですよ。
 そうすると、物凄いスピードでガーッと出来上がる利点が有るんですけれど、一回壁に当たると脚本とかが無いので、もう皆1〜2時間しょんぼり、「ん、どうする?」「じゃ、これは?」「ダメ、全然イケてない。」「じゃ、あれは?」「ダメ!」、物凄いスローダウンというか、ストップするんですよね。ホント紙一重ですよ、良い時と悪い時が。
 その上に、今年のプレッシャーは、去年の完成度が僕たちなりに、――全体的なバランスと言う意味で――非常に完成度が高いという認識が有ったので、怖いです、今度が。怖い。でも結局稽古が始まったら「ヨッシャー!」ってなると信じているんですけれども、その前の段階では、今まで以上に危機感を持っていますね。

●確かに去年の完成度は高かったと思います

 そう肌に感じるものが有ったんですよ。それを逆に恐れず、自分たちのペースをしっかりと守って、また熱く、熱く、そういう人間もまた入ってくるし、それを大事にして行きたいですね。

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