紫吹淳さん(フレムシェン役) 2/2
●会見でも「女っぷりを上げたい」と仰っていましたけれども
(笑)はい、基本が男なので(笑)。
●女優としての立ち居振る舞いには慣れましたか
慣れました、と言いたい所なのですが、やはり長年培ってきたものは中々抜けきれず、まだ「慣れました」ってはっきり言える程は行ってないかな、って。もうそこら辺を日々研究し、より良い素敵な女性になれるように頑張りたいな、と。
●周りの見る目も変わったと思いますし、ご自身の意識も変わられましたか
私の中では「女優だから、こうよ」とか、敢えて特別な思いと言うのは無く、一人の表現者としては変わらないで、ただ性別が男から女になった、と。でも、長いこと研究してきたのが男の部分なので、これから「女優です」と言って行くにあたっては、女の部分を研究しなくてはいけないな、って凄く思っていますね。常日頃、映画とか色んなものを見る時も、ついつい男性を目で追ってしまう自分だったんですけれど、それがちょっと癖になっていまして、今でも「あ、違う違う、女優さん見なきゃ」みたいなのが、ちょっと困っちゃうところなんですけれどね。普通に目線がそちらに行くように、そして早くすんなり「女優です」って言えるようになりたいですね。「女優ってどんなんだっけ」「女ってどんなんだっけ」ってそこから始まりましたので、そうなりたいな、って思います。ただ私の場合、男役と言うか、男の部分、男を演じるという事も抹消している訳ではないので、――他の宝塚を辞められた生徒さんって一杯居るんですけれど、――「もう男はやりません」という方が多い中、私は事務所のご理解もありまして、お話があれば男もやっていくので、自分の中では幅が広がった、というだけですね。ちょっと自分で自分の首絞めた感、と言うのは有るんですけれど、――宝塚ほどのメークで創り込むという事はしませんけれども、――お話があれば男の役もこれから演じて行きます。
●今回のフレムシェンは男役の対極にある役ですよね
誰もが本当にパッと見て「可愛いね」「あの娘、純粋だね」って思えるような役だ、っていう事もグレンに言われたので、見た目も中身もそのように見えるように。そして男性から見ても「女の子ってこんなだな」って言う、絵に描いたようなタイプの女性なんじゃないかなと思うので、本当に両極端な感じですけれど、研究して頑張りたいなと思います。
●今回の役については、周囲の期待も大きいのではないですか
『グランドホテル』に出演するという事は、応援してくださるファンの方は多分知っているんですけれど、私が果たしてどの役を演るのか、まだ知らない人の方が多いと思うので、これからかな、って感じですね。このフレムシェンという役を演るにあたって、どう思ってくれるんだろう、って凄く楽しみと言うか、私のポリシーとしていい意味で、良くも悪くもファンの方を裏切り続けたいな、という思いが凄く有るので、きっとこう、――ある程度想像すると思うんですよ。こういう感じで、こういう風にお芝居するんじゃないかな、とかって、――そういう想像できる自分じゃなくて、いい意味で裏切れたら嬉しいな、って思いますね。
●それを聞かれたファンの方は、楽しみに待っていると思います
(笑)そうあって欲しいですね。
●最後にメッセージをお願いいたします
『グランドホテル』という、とても重厚なミュージカルに出させていただきます。重厚なと言うと、暗いとか思いがちかも知れませんけれども、グランドホテルの中で沢山な人間の生き様が交差して、そこで純真無垢にハリウッドスターを夢見る少女=フレムシェンという役を演じる事になりました。悔いなく楽しく公演したいと思っております。沢山の方にホテルに来るような感覚で観に来ていただけたら嬉しいと思います。
●どうもありがとうございました
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