そして、いよいよ2007年、ウィーン版の来日公演が実現。その製作発表会見が12月18日に都内のホテルで行われ、作曲を担当したシルヴェスター・リーヴァイ氏をはじめ、エリザベート役のマヤ・ハクフォートさん、トート役のマテ・カマラスさん、ルドルフ役のルカス・ペルマンさん、同作品を製作したウィーン劇場協会・国際部長のヴォルフガング・ヒュルビック氏が出席して、来たる日本公演に向けての抱負などが語られました。
製作発表では、最初にリーヴァイ氏のピアノ演奏に合わせて「♪闇が広がる」(トート&ルドルフ)、「♪私だけに」(エリザベート)の2曲が披露され、その圧倒的な歌唱力が会場を包み込んで公演への期待が更に膨らみます。
続いて出席者からのご挨拶となり、ウィーンから来日した方々からはそれぞれ次のようなコメントを頂きました。
ヴォルフガング・ヒュルビック(ウィーン劇場協会・国際部長)
「『エリザベート』はウィーン劇場協会に於けるブラック・シープです。過去15年間に創りましたプロダクションの中でも一番素晴らしい作品です。この作品の国際的な大成功というのは、既に世界中で700万人の方が観たということでも明らかです。皆様にこの数がどういうものかと申し上げますと、オーストリーの全人口は758万人ですので、殆どのオーストリー人がこの作品を観た、ということに値します。
また過去10年の間、『エリザベート』は日本語によって上演されています。そこに私たちがドイツ語のオリジナルで公演を行う事は大変素晴らしい事だと思っています。そして私にとって非常に幸いな事は、理想的なドリーム・キャストを組む事が出来たという事です。今、リーヴァイ氏にも申し上げたのですが、――私自身はこの作品を何百回となく観ておりますが、――今の歌を聴いても背筋がぞくぞくするような気がします。そして最後に私たちに信頼を寄せてくださり、このプロジェクトを実現してくださった日本のパートナーの皆様にも感謝をいたします。」
シルヴェスター・リーヴァイ(音楽)
「私の思うには、――またこの事は全てのアーティスト、関係者の代理として申し上げられる事ですが、――この日本における『エリザベート』の公演は文化的・国際的に見ても大きな出来事だと思います。このプロダクションがこういった大きな形で海外公演を行う事は世界的に見ても初めての事だと思います。そしてこれは私達の非常に信頼できるパートナーである、10年前に始まった宝塚歌劇団との共同作業、それに続く東宝との共同作業によって可能になった事だと思います。私は大坂での公演、そして東京での公演が特別なものになる事を信じております。また我々のアーティストたちはとても興奮しておりますので、素晴らしい公演になる事を信じております。最後に私達の心の中の叫びでありますが、特に観客の皆様に対して感謝を申し上げたいと思います。日本の観客の皆様は本当に特別な観客であると思いますし、世界的にみても素晴らしい観客の皆様だと思います。この観客の皆様無しには私たちはここまで来れなかっただろうと思いますし、皆様の信頼と応援によってここまでやって来られたのだと思っています。ありがとうございました。」
マヤ・ハクフォート(エリザベート役)
「私はこの作品をもう1000回以上演じて来ました。その私にとって日本で公演が出来ることは非常に名誉な事です。私は音楽はユニバーサルなものだと信じております。私たちは自分たちの心で歌います。皆様は私たちの言葉はお解かりいただけないかも知れませんが、この音楽を通して私たちの心を御理解いただけると思っています。『エリザベート』という作品は、沢山の事を語っています。そしてこれは、一人の女性が男性社会の中で戦い、勝ち取って行く。そして自分自身を見出し、自分自身にとって忠実であるという作品だと思います。」
マテ・カマラス(トート役)
「私は単純に申し上げたいのですが、日本に来たのは初めてであり、その事を喜んでいます。私の思うには、私たちヨーロッパ人に対して日本の方々が人間とどういう風に関わって行くかを教えてくれているように思いますし、私たちが今回の体験を通して、それを知る事が出来ることに感謝を申し上げます。
私は1996年にハンガリーの大学で勉強していましたが、その時にある友人から「この『エリザベート』というミュージカル作品を観てみたらどうか、トート役がきっと合っているのではないか。」と言われました。その2年後にブタペストでこの役を得て、それ以来この役は私と共に過ごして来ました。私はウィーンで500回の公演を演じて来ましたが、この役と私を繋いでくれたリーヴァイ氏に感謝をいたします。私たちはウィーン公演のDVDを作り、そして日本で公演を行います。リーヴァイ氏、ウィーン劇場協会の皆さん、そして同僚の皆さん、私がこうして一緒に参加出来ることは私の夢が叶った事であり、感謝をいたします。アリガトウ、アリガトウ、アリガトウ。」
ルカス・ペルマン(ルドルフ役)
「とても信じられません。私が来年2ヵ月半も日本に来て、日本の文化と国と、そして食事を知る事が出来るなんて。私はこの海外公演は本当に唯一の物だと思います。私たちが海外公演をするという事は、私たちそのもの、つまり人間と世界を結びつけるという事であって、それぞれの国の人を結びつけることだと思います。人間が恥ずかしがる事なく、知り合う事が出来るのだと思います。インターネットや飛行機の発達により、世界は小さくなりました。そういったグローバル化の中でも我々は憎しみや苦しみといったものを、こういった文化の交流の中で避けていく事が出来るのではないでしょうか。そして私はこの事によりまして、皆様の文化を知る事が出来るという事に感謝したいと思います。この公演を成立させてくださった全ての皆様に対し、感謝を申し上げたいと思います。この公演の結果はきっと素晴らしいものになると思いますし、私たち自身も最後には満足出来、皆様にも満足していただけると信じています。」
スタッフ・キャスト、それぞれの熱い思いが込められた御挨拶に続いては質疑応答、そして写真撮影が行われ、その後は集まった報道陣・関係者と出席者との懇親会が催されて、日本公演に向けて、さらに詳しいメッセージを頂く事が出来ました。
この質疑応答などにつきましては、改めてお伝えをいたしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。
また、公演の詳細につきましても、改めて掲載をいたしますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
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