シアターフォーラム    
シアターフォーラム ウィーン版『エリザベート』製作発表会見 質疑応答

 2007年3月〜5月に初の来日引越し公演が行われる、ウィーン版ミュージカル『エリザベート』。
 12月18日に行われた製作発表会見には、報道陣・関係者など300人近い人が集まり、この舞台への期待と関心の高さが改めて感じられました。

 出演者による劇中ナンバーの歌唱、出席者からのご挨拶に続いて、報道陣との質疑応答が行われます。

 ●改めて、『エリザベート』誕生の経緯を教えてください

 シルヴェスター・リーヴァイ「私のパートナーであるミヒャエル・クンツェが、まず最初に「ルドルフ」という素材を扱ってミュージカルを創ろうと考えておりました。この考えが、他の登場人物のキャラクターをリサーチして深く掘り下げて行くうちに、皇后エリザベートの方がずっと興味深い人物であるという結論に至りまして、その後で私に電話をして「一緒にやらないか」と言われたので、私も「やりましょう」と答えた訳です。」


●『エリザベート』が世界的に成功した理由は何だと思われますか

 マヤ・ハクフォート「この『エリザベート』という作品が、なぜこれだけの成功を収めたかというのは、エリザベートという人物が深く関係しているのだと思います。エリザベートは言ってみれば非常に難しいキャラクターの人物であり、非常に夢多き人間で、詩も書きましたし、作家としても非常に活躍をしています。また彼女はとても柔らかい心を持っていた人間であり、その柔らかい心というのは理想主義と結びついていました。そのことによって彼女自身は落胆や苦い経験をする訳ですが、そういった感情をエリザベートとして舞台で持つ事は非常に素晴らしい仕事だと思っています。ルキーニがこのドラマを語り部として進行するというのは、非常に素晴らしいアイデアで、この作品を少し柔らかくしていると思います。そしてトートとの、言わばエロティックな夢というかトートに対する自分の憧れというのが、この作品をまた違うレベルのものにしているのではないかと思いますし、この作品の内容が非常に緻密に出来ていることも、この作品がこれだけの成功をした理由だと思います。この作品が存在している事に対して私は感謝をしたいと思いますし、この作品がその時代と未来を結びつけ、私たちの心も結びつけてくれるもののだと思います。」

 マテ・カマラス「この作品の成功というのは、――マヤが色々な事を沢山話してくれましたが、――人間というのは、子供がメルヘンを愛しているという事ではなくて、人間全てがメルヘンを愛していると思います。この作品は本当にパーフェクトな作品だと思いますし、ひとりひとりのキャラクターが本当に色々な形で紹介され、舞台でそれがきちんと説明されています。また私の思うのには、この作品の成功というのは「心が動いている」ことで、その心を私たち出演者自身が感じ、この作品を動かしている事だと思います。この心というのが自分たちがこの作品を上演することに繋がっていると思います。」

 マヤ・ハクフォート「私が出演した舞台の中で、これほど多く出演した作品はありません。しかし、私がこの作品で舞台に登場するときは、本当に毎回楽しみ喜んでおります。この音楽は非常に高いレベルのものであり、これを歌うことが自分を別のレベルに高めてくれるということだと思います。」

 ルカス・ペルマン「自分自身にとって作品の成功というのは、観た人が人間自身をその作品の中に見る事が出来れば、それは成功だと思います。そしてこの『エリザベート』という作品は、演劇でミュージカルであっても、その中に本当の人間を見つける事が出来る素晴らしい作品であると言えると思います。またこの『エリザベート』という人物像は、言わば一つの狭いコルセットの中に固められたような人物だと思いますけれども、そういう人物がこの作品の中で素晴らしく語られているということが、この作品の成功の秘密だと思います。トートに対してエリザベートが感じている愛の物語、あるいはルドルフとの間における落胆、そしてルキーニを通じて自分の死というものを自分が見つける、そういった事が全てこの作品の中で語られているのが、この作品が成功している理由のだと思います。」


●来日記念コンサートで指揮をされることについてどう考えられていますか

 シルヴェスター・リーヴァイ「私が今回の来日記念コンサートで指揮を執るというアイデアは、私たちのパートナーである日本の方から提案がありました。これまで我々の作家チームと観客の皆さんの関係を考えた時に、非常に身近な関係になっていると私は思っていますので、コンサートで私が客演指揮者として参加する事が実現できるならば、これがさらにその関係を強める事になるのではないか、と考えました。
 また私にとりまして、彼ら3人とこのコンサートを指揮できるという事をとても名誉に思っております。ただ私は、この事を非常にナーバスに感じておりまして、それも申し上げておきたいと思います。」
ルカス・ベルマン「今、リーヴァイ氏がナーバスになっていると聞いて、我々が舞台でナーバスになるだけではない事を、とても嬉しく思っています(笑)。」



エリザベート

マヤ・ハクフォート
マヤ・ハクフォート (エリザベート)
マテ・カマラス
マテ・カマラス (トート)
ルカス・ペルマンルカス・ペルマン (ルドルフ)

 会見終了後には懇親会が開かれ、ヴォルフガング・ヒュルビック(ウィーン劇場協会・国際広報部長)氏の音頭で、改めて日本公演の成功と両国の文化の交流の成果を祈って乾杯が行われた後、それぞれに歓談のひと時を過ごしました。

 この会場には、ウィーン劇場協会芸術監督のルディ・クラウスニッツァー氏から「大坂と東京における公演をこの様に大掛かりな規模で編成できた事は、ウィーン劇場協会の芸術監督として大変喜ばしい事です。この公演のために全力で準備を進めてきたウィーン劇場協会関係者の喜びと感慨もひとしおですが、さらに各アーティストの製作に賭ける熱意も並々ならぬものがあり、このような素晴らしいプロジェクトに参加できた事を大変光栄に感じております。私たちは最高のものを提供いたします。」というメッセージも流され、その熱意の程が伺えます。


 また、この来日公演に先立って、12月19日〜22日に大坂・梅田芸術劇場、1月4日〜8日に東京・新宿コマ劇場にて『エリザベート来日記念コンサート』が行われますが、トート役のマテ・カマラスさんに伺ったところによると、「♪愛と死の輪舞」(ウィーンの上演では無く、日本とハンガリーのヴァージョンに入っている歌です)を1月の東京でのコンサートでは自分がハンガリー語で歌う。大阪ではその曲を日本でトートを演じた姿月あさとさんが歌うことになっている、との事でした。
 ちなみに、「♪闇が広がる(リプライズ)」も大阪では姿月さんが歌いますが、東京ではマテさんとなります。

そして、マテさんからは日本のファンに対して「皆さん沢山来てください。我々は1年前にこの作品の上演を終えていますが、それから1年経ってさらに経験を積んでいますので、きっとウィーンの公演とはまた違うものになると思います。是非いらしてください。」とのメッセージをいただきました。


 日本で、そして世界で絶賛され、多くの観客の心を虜にしたミュージカル『エリザベート』。そのオリジナルであるウィーン版の日本公演が、いよいよ近くなって来たのだと実感できたこの製作発表会見。
 ミュージカルファンならずとも、「とにかく、この舞台を見逃してはいけない。」 そんな公演と言えるのではないでしょうか。


<ウィーン版>
 ミュージカル『エリザベート』

  脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ  音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
  演出:ハリー・クプファー  セットデザイン:ハンス・シャヴァノフ
  オリジナルプロダクション:ウィーン劇場協会

《 大阪公演 》
  ウィーンオリジナルの舞台装置を可能な限り再現した完全引越公演となります。

日程  2007年3月28日(水)〜4月30日(月・祝)  全40回公演
会場  梅田芸術劇場 メインホール
料金  S席 16,000円  A席 11,000円  B席 7,000円
  (全席指定・税込)
前売開始  2007年1月20日(土)
お問合せ  梅田芸術劇場  06-6377-3800


《 東京公演 》
  オリジナル・プロダクションのフルキャストとオーケストラによるコンサート形式の公演となります。

日程  2007年5月7日(月)〜5月20日(日)  全16回公演
会場  新宿コマ劇場
料金  S席 13,000円  A席 10,000円  (全席指定・税込)
前売開始  2007年3月3日(土)
お問合せ  新宿コマ劇場  03-3200-2213

公式サイト

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