湖月わたる&今村ねずみ主演、コール・ポーター『絹の靴下』〜東京公演初日会見
左より:湖月わたる、今村ねずみ
●公演を直前にしてのお気持ちをお願いします
今村 やはり、いい意味で緊張していますね。出来上がった作品が本当にミュージカルの王道というか、久々に自分が始めてミュージカルに参加した時の、何十年も昔なんですけれど、その時の感覚が蘇ってくるような作品なんで、本当に小手先ではなくドーンとお客様にお届けして、「これぞミュージカルだ」というような感覚で楽しんで欲しいと思いますね。
湖月 劇場に入って今回はオーケストラボックスが有って、舞台もちょっと張り出しの作りになっていて、私もいよいよ青山劇場に来たな、という心地よい緊張感を持っていますけれども、本当に躍動感のある楽しいミュージカルですので、私自身も――堅い共産党員ではありますけれども(笑)――楽しんで演じたいと思っております。
●鉄の女から女性に変わって行く役柄は演じていかがですか
今村 女性なのにね(笑)
湖月 女性なんですけれども、スティーブに恋をして変わって行くんですけれども、今回は下着姿にも挑戦しまして、女に目覚めて行く彼女の心の移り変わりもダンスシーンでお見せしますし、その後は彼女なりの最高のドレスアップで一幕の最後はお届けしたいな、と。
今村 僕はストレートに愛を、直球、剛速球で思い切りストライク目指して愛を伝えるような役なので、それを本当に彼女にぶつけてみたいですね。図々しいですけれど(笑)、舞台では。
湖月 鉄の鎧にその直球がビシバシと嵌まり込んで行くんです。
今村 彼女はスケールが大きいので、それに負けないくらいの愛をぶつけて見たいですね。
●今回、13年ぶりのミュージカルと伺いましたが
今村 もう一年生みたいな感じですね(笑)。浦島太郎になったような気持ちで、稽古場も若い方がアンサンブルで参加されていて、「ああ、時代ってそういう風に廻っているのかな。」って、こういう大きなカンパニーに入るとつくづく自分が改めて、いい意味で歳をとったんだなと思いましたね。
●湖月さんは、いつも一番に稽古場に来られていたとか
湖月 そうなんです。私、稽古場に入るのが早いんですよね。
今村 彼女は基本的に、滅茶苦茶真面目です。真面目って言うか、姿勢がみんなの模範生みたいでしたね。早く入って、アップして、準備して。
湖月 稽古が始まる時に自分が全開になっていないと、・・・もしかしたらエンジンを掛けるのに時間が掛かるのかも知れないんですけれど、稽古場大好きで、早く行っちゃうんです。
●毎日、一番乗りですか
湖月 一番乗りではないですけれど、早かったですね。
今村 NO.3には入ってました。
湖月 入ってましたね。
●ダンスミュージカルということですが、お薦めのシーンはどこでしょうか
今村 僕は彼女がソロで踊る「♪絹の靴下」の鎧を脱いで変わるところのダンスナンバーは凄くいいなと思います。やっぱり言葉とか理屈を超えたところでのミュージカルの醍醐味というか、ひとつのパフォーマンス、表現の在り方というのがドーンと出ていて、これは結構凄くて個人的に好きな場面です。
湖月 そのシーンはミュージカルには無くて映画版には有ったシーンで、今回ミュージカル版に入れていただいて、光栄だなと思って大切に躍らせて頂きたいですし、今回はフィナーレが付くんですよね。
今村 もう、演出が宝塚を卒業しての演出家ですから、そういうテイストも入っています。
湖月 なので最後はダルマ姿で躍らせて頂いたりと盛り沢山になっておりますので、ダンスシーンを楽しみに来て頂けたらなと思います。
●女性の象徴としての絹の靴下を履かれる場面はどんなお気持ちでしたか
湖月 本当に素敵なシルクのストッキングを用意して頂いて、本当にシャラララ〜ンと音がするみたいな感触が彼女の何かを一枚、スッと取るのではなくパラパラと取れて行く感じが凄くして、私も男役を退団してからスカートを始めて履いた時に感じた感触に似ているな、という気もするんですけれど、女性ならきっと誰でも味わった事が有る瞬間なのではないかと思います。
今村 彼女は、滅茶苦茶乙女チックなんですよ。結構クールな感じなんですけれど、実は夢見る夢子ちゃんみたいな側面を稽古場で発見したんですけれど、そういう割には意外としっかりしていてリードして貰っています。
湖月 そんなこと無いですよ(笑)。
●どんなところで乙女チックを感じたのでしょうか
今村 愛を告白するシーンで、僕の方が多分初心だろうなと思ったんですけれど――あまりそういう経験が無いので――今回、稽古から入れると人生の一生分を言いましたから・・・
湖月 甘い言葉を沢山囁いて頂いて・・・
今村 これ言った事無いなぁ・・・活字とか映画や芝居では観たことがあるけど、まさか自分が言うとは・・・と投げ掛けると、彼女の反応というのは「えっ!」って言う位、結構夢見る夢子ちゃんで、それは結構驚きました。
湖月 私も宝塚時代にそういうセリフは沢山言って来た方なんですが・・・
今村 貴女の方が言っているよね。
湖月 言われるのは初めてですので、どんな顔をしてその愛の言葉を受け止めたら良いのか、最初は本当にドキドキしてしまって・・・
今村 逆に聞きましたね。「このセリフって君の方が何度も言っているでしょ。」
湖月 言ってます。
今村 トーンを下げて「ええ、言ってます。」(笑)
湖月 音が下がっちゃうんですよね(笑)
●湖月さんのファンの方にとっても新鮮ですね
湖月 そうじゃないかと思います。
今村 でも今までも恋愛は演っているよね
湖月 でもこんなに直球は愛を告白して貰うのは滅多に無いですし、きっと女性の方は観ていて私の事が羨ましくなるんじゃないかと。
今村 いやいや、そんな事は無いんじゃない。
湖月 こんな風に男性に言って頂けたら・・・本当にニノチカは幸せ者です。
●映画でアステアが演じた役を演られるのはいかがですか
今村 映画のイメージが強いですよね。僕は舞台版は観た事がないし、台本も今回初めて見たので。でもそれはアステアを演る、では無くて、アステアの演った役を演るで、そこがちょっと自分でも始まりは「あ、アステアの役だ」という感じだったんですけれど、当然それは追い付けもしないし、冷静になって台本を読むと映画とちょっと違うんですよ。だからその中で拾って行って、勿論アステアが演じたキャンフィールドというのは凄くお手本になるし、彼のああいう軽やかさなどはお手本になりましたけれど、創り上げて行く内にアステアというのは余り意識しなくなってしまいましたね。やっぱり自分の中の素材を充分生かし切る事で最終的にはいいんじゃないか、と。それ以上の何かというのは無いですからね、やっぱり敵わないし。ただ、アステアが演った役を僕が出来るというのは凄く光栄な事ですよね。ただ、舞台と映画はちょっと違うので、今は自分の素材を生かし切れば良いと思っています。
●最後にお客様にメッセージをお願いします
今村 久々にこうドーンと迫力のある、余計な事を考える必要もないし、是非楽しんで下さい、というミュージカルなので、それを味わっていただきたい、と。
湖月 コール・ポーターの曲がとても素敵ですし、ブロードウェイ・ミュージカルならではの色んなヴァリエーションの音楽が組み込まれていますので、これは是非楽しんで頂きたいですし、やっぱりあの時代ならではの暖かさが凄く有る作品だと思いますし、その中で最後は元気を貰っていただけるんではないか、と。
今村 ちょっと忘れかけていた宝物を探した、みたいな感じのミュージカルなので、これまで誰も手を出していないので・・・って手を出した僕が言うのも可笑しいですけれど、そういうミュージカルなので、是非この時代に楽しんで貰いたいと思います。
湖月 本当に理屈抜きで楽しめる作品だと思います。
●ありがとうございました
ダンス・ミュージカル『絹の靴下』
キャスト | ニノチカ | 湖月わたる |
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スティーブ・キャンフィールド | 今村ねずみ | |
ジャニス・デイトン | 樹里咲穂 | |
ペーター・イリィチ・ボロフ | 渡部豪太 | |
イワノフ | 戸井勝海 | |
ビビンスキー | 伊礼彼方 | |
ブランコフ | 神田恭兵 | |
マルコヴィチ | 小宮健吾 | |
ひのあらた、笹木重人、長内正樹、高原紳輔、小南竜平 |
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池谷京子、金城尚美、小嶋亜衣、園田弥生、橋千佳 | ||
スタッフ | 作詞・作曲 | コール・ポーター |
脚本 | ジョージ・S・カウフマン/ルイーン・マクグラウ /エイブ・バロウズ(原作:映画「ニノチカ」) |
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演出・訳詞・上演台本 | 荻田浩一 | |
音楽監督 |
玉麻尚一 |
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振付 | 名倉加代子/港ゆりか | |
美術 | 二村周作 | |
照明 | 笠原俊幸 | |
音響 | 実吉英一 | |
衣装 | 朝月真次郎 | |
ヘアメイク | 田中エミ | |
演出助手 | 河合範子 | |
企画・制作 |
(株)梅田芸術劇場 |
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公演情報
日程 | 2010年5月16日(日)〜30日(日) | |
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会場 | 青山劇場 | |
料金 | S席 11,500円 A席 9,500円 (全席指定・税込) | |
チケット | 東京宝塚劇場窓口 | (10:00〜18:00) |
電子チケットぴあ | 0570-02-9999 (Pコード 400-022) http://pia.jp.t (PC&携帯) |
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ローソンチケット | 0570-084-003 (Lコード:32193) http://l-tike.com (PC&携帯) |
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CNプレイガイド | 0570-08-9999 (10:00〜18:00) |
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イープラス | http;//epus.jp/ | |
キョードー東京 | 03-3498-6666 (10:00〜18:00 | |
問い合わせ先 | キョードー東京 03-3498-6666 |

日程 | 2010年6月4日(金)〜6日(日) | |
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会場 | 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ | |
料金 | S席:11,500円 | |
チケット | 電子チケットぴあ | 0570-02-9999 (Pコード 400-023) http://pia.jp/t |
ローソンチケット | 0570-084-005 (Lコード 54639) 0570-000-407 (オペレータ) http://l-tike.com/ |
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CNプレイガイド | 0570-08-9999 http://cnplayguide.com/ (PC&携帯) |
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イープラス | http://eplus.jp (PC&携帯) | |
梅田芸術劇場 窓口 | (10:00〜18:00) | |
問い合わせ先 | 梅田芸術劇場 06-6377-3888 |