リアル&ネット観劇 ミュージカル『ニコニコニーコ』

ニコニコニーコ
最後列左より:國分優香里、ニーコ、吉田仁美、明坂聡美
中列左より:國立幸、チャン・リーメイ
前列左より:稲村優奈、宮原理子、大谷美貴、庄子裕衣、寺崎裕香

 2006年の誕生以来、ユーザーのID登録制、コメントが動画の上を流れる画期的なインターフェイス、違法動画の積極的削除等のシステムを構築、ユーザー生放送のサービス提供、「大臣の記者発表」「事業仕分け」「はやぶさの帰還」の生中継など既存メディアでは難しいコンテンツを提供し、ID登録会員1997万人/プレミアム会員111万人/モバイル会員593万人(2011年1月23日現在)を有するコミュニケーションサイト“ニコニコ動画”。

 常に時代を先駆けた活動を続ける“ニコニコ動画”が、新しいエンターテイメントの試みとしてスタートさせたのが、ネットとライブの融合による【ニコニコミュージカル】です。
これまで劇場でしか観る事が出来なかった舞台公演を、コメントつきで楽しめる「ニコニコ生放送」で中継生放送を行い、またタイムシフト機能を使用して1度限りの録画視聴を楽しむことで、実際の劇場で観劇するリアルな興奮と、ネットで公演を見るバーチャルな快感の二通りの楽しみ方が出来るシステム。
観客はリアル、もしくはネットのどちらかのチケットを購入して参加することになります。

 その第一弾として2010年12月に行われた『クリスマス・キャロル』では、主役にミュージカル初主演の堀江貴文、ヒロインに安田美沙子を迎え、ディケンズの名作を現代風にアレンジして上演。各種メディアやネット上で評判となり、ネットとリアルを合わせて5,000人近い方が観劇をしました。

 また第二弾として2011年1月に上演された『ニコニコ東方見聞録』では、メインキャストの大半にニコニコでのパフォーマンスで有名なユーザーを起用、ストーリーもニコニコ動画の世界観を基にした物語でネットと演劇の融合に挑戦し、リアルの有料入場者2,595人、ネットでの観劇者4,460人という成功を収めました。

 そして、第三弾のミュージカル『ニコニコニーコ』が3月17日に東京・池袋のシアターグリーンにて初日を迎えました。
今回の公演では、ファッション誌モデルとしてティーンに絶大な人気を得る傍ら、アニメ「家庭教師ヒットマンREBORN!」では声優初挑戦で主役を務め、さらにラジオのパーソナリティやバンド活動、映画・ドラマ・CMでの女優活動など、その強烈な個性で幅広い活躍をみせるクリエイティブ少女・ニーコを主演に迎え、彼女の実体験とフィクションを織り交ぜたストーリーを、『マグダラなマリア』『クリスマスキャロル』の脚本・演出を手掛けた湯澤幸一郎がミュージカル化。女性ばかり11人のキャストで描くバックステージファンタジーとなります。

 初日に先立って行われた舞台稽古では、公演のエクゼクティブ・プロデューサーである片岡義朗氏が挨拶で今回の公演を実施する決断をした経緯を説明し、併せてメインキャストからのメッセージが寄せられました。

 挨拶の中で片岡氏は、今回の公演のネットチケットの売り上げは全額、東日本大震災の義捐金として、ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴにより日本赤十字社(予定)および、ユーザーからの意見を元に決定するその他の支援団体を通じて寄付され、被災者の方々の支援のために充てられると発表。
消費税ならびに寄付時の各種手数料も全てドワンゴが負担するとの事です。

 「リアルチケット」を購入して劇場での観劇と並行し、時間・場所・キャパシティなどの制限がないインターネット上で、“ニコニコ動画”独自のコメントを用いての一体感・臨場感を味わえるネット上での観劇システム「ネットチケット」。
ネットとライブの融合で上演される【ニコニコミュージカル】は、演劇ファンにとっても、ライブや演劇の楽しみ方を変える新しい体験となると共に、エンターテイメントが社会に貢献する一手段としても一つの試みとなりそうです。

 

ニコニコミュージカル#03
『ニコニコニーコ』

キャスト  ニーコ、稲村優奈、吉田仁美、國分優香里、明坂聡美
  チャン・リーメイ、寺崎裕香、大谷美貴、庄子裕衣、國立幸、宮原理子
スタッフ 脚本・演出・音楽 湯澤幸一郎

 

公演情報
東京公演 (終了)
日程 2011年3月17日(木)〜3月27日(日)  全16回公演
会場 シアターグリーン
料金 リアルチケット 前売・当日 2,500円 (全席指定・税込)
ネットチケット 1公演 800pt (ニコニコポイント 1pt=1円)
チケット チケットぴあ  ほかプレイガイド
問い合わせ先 サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

 

エクゼクティブ・プロデューサー 片岡義朗 挨拶

 東北北関東大震災の深刻な影響が社会全体を覆っている中、このような演劇公演を行うことの是非というのが各方面で議論に上っているということは十分承知致しております。それらの事情を踏まえながらもこの公演を実施した理由というのは唯ひとつ、我々の行う演劇がこの世の中にとってこういうピンチの時にでも必要なものなのではないだろうか、という考えかたによるものです。

 この舞台はニコニコ動画によって生中継でネットチケットとして買われた方に観て頂くことになっております。そうしたニコニコ動画の精神であります「社会にニコニコする笑顔をもたらしたい」。そういう気持ちでニコニコ動画の基本精神が有る訳ですけれど、このミュージカルも、まさに世の中にニコニコした顔を皆さんにして頂きたい、というつもりで創っております。色々と深刻な事情に陥られた方々には大変お見舞いの気持ちを持っておりますし、何とか社会全体が元気な様子を呈して頂きたい、という風に思ってはおりますけれども、そういう方向にほんの少しでもこの舞台が役に立つことが出来たら、それはこの舞台の存在意義として嬉しいことでありますし、そういう事を狙って考えてこの公演を実施致すことに致しました。

 演劇および舞台を創る人間は何とか本来の自分たちの仕事で社会に貢献したいと考えております。この舞台が少しでも世の中の良い方向に貢献出来ることを願って公演を致します。

 元々今回の『ニコニコ・ニーコ』のミュージカルは先程申しましたようにネットチケットを販売いたしております。今回はネットチケットの売り上げ全部、ネットチケットをご購入頂きましたお客様がお支払い頂いた金額全てをそっくりそのまま日本赤十字などの公的機関に対する寄付金としてドワンゴが責任を持ってお届けさせていただくことに致しました。

 我々の仕事は、もちろん企業ですので利益を追求するという基本的使命は有る訳ですけれども、その利益追求よりも今回に関しましては、やはり社会的存在であるということを踏まえて、我々なりにこの舞台から少しでも震災に遭われた方々に対して寄付をさせていただくことが出来たらということを考えました。

 ささやかではありますが、この舞台をネットで観ようと思った方々の中には、――メール等で頂いておりますけれども、――「寄付してくれるなら、ネットチケットを買って寄付しよう」「お芝居を観て寄付が出来るんだ」ということで好意的な意見を幾つか頂いております。

 ささやかではありますが、この舞台がひとつの震災に対するバックアップと言いますか、支援活動の一環として位置づけられるように動いて参りたいと思います。今日は放送してからもう一年くらい経つお芝居なんですけれども、震災の中でも稽古を続けましたし、役者・スタッフ一丸となって良い舞台を創ってきているつもりです。
どうぞ宜しくお願いいたします。

 

その他の写真

クリックすると拡大して表示されます
 

  

 


CD DVDを探す