シアターフォーラム    
シアターフォーラム 日本語翻訳版を新演出で上演 『グランドホテル』製作発表

 1989年、ブロードウェイのマーチンベックシアターで、トミー・チューン演出により幕を開け、トニー賞全12部門にノミネート。最優秀演出賞をはじめ5部門を受賞したミュージカル『グランドホテル』。
 原作はヴィッキー・バウムによる同名の小説で、1932年にはグレタ・ガルポ、ジョン・バリモア主演で映画化されてアカデミー賞作品賞を受賞し、“グランドホテル形式”と呼ばれる多くの登場人物が一つの場所に集まるドラマスタイルの楚ともなり、2005年には、LONDON Donmar Warehouse での上演(演出:Michael Grandage、振付:Adam Cooper)も行われました。

会見風景

 日本では、1991年〜1992年にかけてオリジナルキャストを含むカンパニーでの来日公演が行われ、1993年には宝塚歌劇団により1時間半に短縮されたヴァージョンで上演されて話題となりました。(共にトミー・チューン演出)
 そのミュージカル『グランドホテル』が2006年1月、グレン・ウォルフォードの手による新演出で、日本語翻訳版での公演が行われることになり、出演者が揃っての製作発表会見が9月6日、都内のホテルで行われました。

笠井信輔さん(フジテレビアナウンサー)、乙部綾子さん(ライブドア広報)の司会で始まった会見では、出演者たちが紫のカーテンをバックに、それぞれの扮装で登場。そしてご挨拶と共に、今回の舞台に掛ける意気込みを次のように語りました。(ご挨拶順)

笠井信輔、乙部綾子
左より:笠井信輔、乙部綾子
前田美波里

前田美波里(エリザベッタ・グルーシンスカヤ)

 「ブロードウェイでこの作品を拝見した時から、私の心にはこの役が焼き付いてしまいました。小さい頃からクラシックバレエを愛し、ここまでやり続けて来た私にとってこの役が演じられる事は、役者としてとても幸せに思っております。」

諏訪マリー

諏訪マリー(ラファエラ)

 「ある一人の人を深く尊敬して愛して、その人の傍に居るのがとても幸せで、その人のために色んな事をしてあげたい、何が自分に出来るんだろうといつも考えている。そういう役どころは初めてなので、今、どういう風に自分が出来るのか解からないのですが、新しい役に挑戦するのは好きな事なので、それに魅力を感じながら進んで行きたいと思います。」

岡幸二郎

岡幸二郎(フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵)Wキャスト

 「素晴らしい作品と素晴らしい音楽に巡り会えて幸せに思っています。役創りとしてはまだ台本も手元に無くて何とも言えない状態ですが、本番までには素敵な男爵を創って行けたらと思っています。何よりも「♪ステーションの薔薇」という大変綺麗な曲が舞台上で歌えるのが、今楽しみでなりません。」

大澄賢也

大澄賢也(フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵)Wキャスト

 「僕もトミー・チューンの演出を観させていただいて、衣裳とか舞台装置とか全てにおいて大人の雰囲気の有る舞台で、「自分もいつかこの中に立てたらな」と思って観ていましたが、まさかその舞台に出られるとは思っていませんでした。あと数ヶ月で40歳になるのですが、40歳のスタートに相応しい素晴らしい舞台に巡り逢わされていただいたなと思って、素晴らしい共演者の方々と楽しみながら演りたいと思います。」

紫吹淳

紫吹淳(フレムシェン)

 「『ボーイ・フロム・オズ』に続きまして、このような大作に出させていただけることに幸せと責任とプレッシャーを感じております。今回はフレムシェンという役なんですけれど、ちゃんとした女を演るのが2回目で、前回ライザを演らせていただいた事によって、「ちょっと自分がイイ女になれたかな」って思っておりまして、今回このフレムシェンという役を演らせていただくに当たり、もっともっとイイ女になれる様に頑張りたいなと思っております。」

田中健

田中健(ヘルマン・ブライジング)Wキャスト

 「ミュージカルは大好きなんですけれど、10年ほど前に『レイディ・イン・ザ・ダーク』というミュージカルをやりまして、それ以来10年御縁が無くて、いきなりこんな素敵な出させていただきまして、どちらかと言えば今プレッシャーが凄く掛かっています。岡田(眞澄)さんとWキャストと言う事で、岡田さんは大好きな俳優さんですので色々勉強させていただきたいと思っております。」

パク・トンハ

パク・トンハ(エリック)

 「日本で色々インタビューを受けると、「好きなものは何ですか」って必ず聞かれるので、「僕は制服が好きです。パイロットになりたかったんです。」って言ったんですけれど、その影響か、――日本での舞台は3本目なんですけれど、――全て制服の衣裳になってしまったんです。今回は赤の(ホテルマンの)制服を着させていただくことになりました。とにかく制服を又着られて嬉しいです(笑)。そして横を見ると一番末っ子(年下)なので、楽屋では一番後輩として、先輩達に面倒を見て貰いたいと思っております。」

藤木孝

藤木孝(オッテルシュラーグ)

 「多分15年ほど前だと思うのですが、ブロードウェイでこの『グランドホテル』を観ました。その時は今よりももう少し若かったものですから、僕の感情はどうしても男爵だとかクリンゲラインの役に釘付けになっていたんですけれども、その時僕の理性は出来ることならドクター役の出来る役者に成長したいな、と思っておりました。今それが実現できた事の幸せを噛み締めております。」

小堺一機

小堺一機(オットー・クリンゲライン)

 「僕もブロードウェイでこれを観た時に、「凄いミュージカルだな」と思いました。グランドホテル形式という言葉が有るように、失いかけた名声とか、失いつつあるお金とか、色んな物を背負った方が一つのホテルに集まって来るんですが、その中で僕は命が危ないという役です。一番重い物を背負って入って来るんですけれど、一番希望を胸に抱いてホテルを後にする役なので、普段の様にチャランポランに演っていると大変なことになりますので、皆さんにご指導ご鞭撻をいただきながら、きちんと演ろうと思っています。僕らは良い物を観ると羨ましがったり入りたがったりするんですけれど、そのチャンスが有ったり無かったりするのがこの世界で、いただいたチャンスを大事に使わせていただきたいと思います。」


(※ヘルマン・ブライジング(Wキャスト)役の岡田眞澄さんは、病気療養中のため欠席されました

 また、今回演出を手掛けるグレン・ウォルフォードさんは、イギリスを始め世界各国で、オペラ、ミュージカル、コメディなど多彩なジャンルで活躍し、近年の日本では日本語版の『CABARET』(2004年)、『Blood Brothers』(1991年、2003年)を手掛けた演出家。
 既に打ち合わせのために来日してミーティングも行ったというグレンさんは、その際に出演者に対して「真っ白な気持ちで稽古初日を迎えて欲しい。」と告げたそうですが、一方でセットプランは既に確定するなど、演出プランは着々と進行している模様。
 今回の製作発表会見に際しては、英国より以下のメッセージを寄せられました。

「皆様こんにちは グレン・ウォルフォードです。
本日は英国での仕事の都合で日本にいけなかった事、非常に残念です。

今日、おそろいのグランドホテルの出演者は、名実共に日本を代表するミュージカルスターばかりです。

前回の東京でのミーティングで皆さんにお会いして、その魅力には十分過ぎるぐらい堪能させられました。
このような素晴らしい作品とCASTを迎える事が出来て、私もおのずと力が入ります。

皆様のご期待に添えるように、トミー・チューンのバージョンとも、ドンマー・ウエハウスのバージョンとも違う、オリジナル性のある演出を考えています。

皆様どうぞご期待下さい。

それではオープニングナイトにお会いしましょう。

ロンドン、ソーホーのアトリエより。 グレン・ウォルフォード。」

 1928年のベルリン、歴史の栄華を誇る『グランドホテル』に夢と苦悩を抱えて宿泊した人々の偶然の出会いから始まる1日半の物語・・・。
 ブロードウェイでも高い評価を受けたトミー・チューン版に比して、果たしてどのような舞台が新春の東京で開幕するのでしょうか。
 ミュージカルファンならずとも、多いに興味の沸く公演となりそうです。


 なお、この製作発表会見での出席者のコメントなどの詳細は、改めて記事と動画で掲載をさせていただく予定にしております。どうぞお楽しみにお待ち下さい。



『グランドホテル』

演出:
Glen Walford(グレン・ウォルフォールド) 振付:川崎悦子
  出演: 前田美波里 岡幸二郎 大澄賢也 紫吹淳 諏訪マリー バク・トンハ
藤木孝 岡田眞澄 田中健 小堺一機 他

 

日程  2006年1月6日(金)〜1月24日(火)
会場  東京国際フォーラム・ホールC
料金  S席:12,000円 A席:8,500円 B席:7,000円
プレミア(P)席:13,500円(パンフレット、1ドリンク付)
(※土日祝日、金曜日夜、千穐楽を除く公演は全席種1,000円引き)
前売  2005年10月2日(日) 発売開始
お問合せ  テレドーム 0180-993-545 (24時間テープ案内)

公式サイト

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グランドホテル特集・動画ページ

集合写真(メインキャスト)

集合写真
後列左より:田中健、岡幸二郎、大澄賢也、諏訪マリー
前列左より:藤木孝、紫吹淳、前田美波里、小堺一機、パク・トンハ


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