シアターフォーラム    
シアターフォーラム ミュージカル『グランドホテル』製作発表会見 【 質疑応答 】

●小堺さんは舞台上でのアドリブがお得意ですが、今回は?
小堺 演出のグレンさんのお顔を見たら、恐いのでアドリブは言いません(会場笑)。
●外国人の演出の方とのお仕事は初めてですか
小堺 初めてですね。ただ、最初に失敗してしまいまして、演出家のグレンさんにお逢いして、皆さんが仰っているように「1989年のブロードウェイ版を観てとても良かった。」と言ったら、「私はあれと違うものを創る。」と真顔で言われてしまいました。
●あれはトミー・チューン版だからだという事ですね
小堺 「あれはトミー・チューンでしょ。これは私のだから。」と言われて、「ああ、最初からつまづいたな。」と(会場笑)。ですから、今度お逢いする時には気をつけなくてはいけないんです。

●この舞台に出演する事になった今のお気持ちをお聞かせください
前田 小堺さんのお話にあったように、私たちはチャンスがなければ自分たちが演りたいと思った役を演じられない訳ですが、自分が演りたいと思った役にこうやって挑戦できる事の喜びとプレッシャーに、今は・・・非常に胸が一杯で、言葉にならない気持ちです。でも精一杯やらせていただきます。

諏訪 今まで演った事の無い役柄に挑戦するのは、私にとっては本当に魅力的な事なので、そういう作品に巡り合わせてくれたこの機会をとても嬉しく思っています。

大澄 今回の僕の男爵の役は歌がメインになる感じなので、自分にとってはヴォーカルというのは、――踊りはともかく、――まだまだ未熟な点も沢山有りますので、2,3ヶ月前からヴォイストレーニングを始めていまして、そういう意味では新しい自分を見せる事が出来たらな、と言うふうに逆に自分の方が楽しみに思っております。

 今はまだ台本も無い、稽古も始まっていない状態なので、非常に嬉しいという感情がまず第一なのですが、先ほども言いましたが「♪ステーションの薔薇」という名曲を歌うので、この前グレンさんが日本にお見えになった時に、グレンさんのそのシーンの演出のお話をちょっと聞いたら、発想が余りにも素晴らしくて、それも楽しみになって来ています。稽古が始まってもそのワクワク感をずっと持ち続けたいと思います。

紫吹 先ほども言ったように、プレッシャーも有りますけれど、悔いなく、楽しく、公演したいな、と思っております。

田中 やっぱりチャンスをいただいたという事で、僕の場合は10年間やっていなかったので、死ぬ思いをするかも知れませんけれども、賭けられる作品ではないかな、と思っております。

パク 今まで日本で演らせていただいた役は、結構暗い役が多かったので、やっとハッピーなところを皆さんにプレゼント出来ることになって、早く11月の稽古が始まって欲しいですね。頑張ります。

藤木 僕のドクターの役は登場人物には違いないんですけれども、登場人物とお客様の中間に居るような効果を持った役なんです。ですけれども、単に中間に居る司会者だけではなく、この人もやはり人間であると思うので、その辺を探検したいと思っております。

小堺 美波里さんも仰って下さったように、僕らの仕事は呼んでいただかないとやりたくても出来ない事も多いのですが、今回この『グランドホテル』に一応予約が取れましたので、これがキャンセルされないように(笑)、一生懸命頑張ります。

会見風景

●この作品をご存知でしたか また出演が決まった時の印象をお願いします
小堺 この『グランドホテル』というのは、――映画も好きなものですから、――最初の映画も見せていただいて、「ああ、面白いな」と。その後いろいろなアメリカの映画がありますが、「アメリカの人はこういう群集劇というか、色んな人生を背負った人がひとつの所に集まるというのを、とても上手く映画にしたり舞台にしたりするんだな」という感想があります。これをニューヨークで観た時は「凄いなあ」と言うか、カンパニーがとても、――本当の事は知りませんが、――楽しそうだったんですね。非常に皆が楽しそうで、でも考えてみると非常に重いテーマを含んだお芝居なのに、それを重いまま表現するのではなくて、ウィットだったりユーモアだったりと言うところで創っていくものだなあ、と言う印象を持ちまして、非常にエンターテインメントだな、と思っていました。それでこのお話をいただいて、それも僕がブロードウェイで観た時に一番印象に残った、オットーという役だという事で、「うわっ、大変だ」と思ったんですけれども、それだけ演り甲斐も有りますし、来年の1月6日というのは、――僕は1月3日が誕生日なんですけれど、――50歳を迎えて最初の大きな舞台を、こういう素敵なお芝居で迎えられるので幸せだと思っています。

藤木 先ほどご挨拶でも話しましたが、付け加えるとしたら、こんな素敵なミュージカルに、こんな眩しいようなキャストの皆さんとご一緒出来ることを本当に嬉しく思っております。

パク 「『グランドホテル』という作品に参加させていただく事になりましたよ。」って、韓国のプロデューサーたちに言ったんですよ。そうしたら、「あ、その作品、日本でやるんだ!」という事で、「いいじゃん!」と言われました。僕は正直言って観た事も無いし、ただCDを頂いて聴いた事しかないんですけれども、とにかく音楽で圧倒されましたね。スケールが大きいし、物凄く派手ながらも、何となく感じる重みというのは何だろうと思いながら台本を読んでみたら、様々な人々がグランドホテルという場所に来て、色々エピソードが出来る、そういう物語なんですね。僕はそんなに知らない作品だったんですけれど、周りからは「その作品に出ることになったのは本当に目出度いね。」って良く言われたので、本当にこの作品に出る事に期待しています。

田中 最初「えっ!?」と思いまして、ちょっと恐かったんですけれど、「ここで逃げていたら…」と言うのがございまして、やってみよう、と。特に岡田さんとWキャストという事で、岡田さんは大好きな俳優さんですので、また色んな物が見えて来るんじゃないかな、という思いも有りました。今ずっとCDを聴いておりまして、本当に凄い音楽で、聴いている分には良いんですけれど、果たして自分がどこまでやれるのかな、という不安はあります。これが終わった時には、きっと新しい自分が見えて来るんじゃないか、という気がしております。

紫吹 あまりこのお話はしたくなかったのですけれども・・・私、この作品を初めて観たのが、丁度宝塚でニューヨーク公演に行かせていただいた時に一番下で、最下級生でして、ニューヨークに着いたと同時に劇場に行って観たのがこの作品で、・・・気が付いたら終わっていたんですね(笑)。という事は、寝ていたという事なんですけれど、それで内容が全然解らなくて、それが初めて観た『グランドホテル』でした。そしてその後、私は月組で退団をしたんですけれど、組が転々と変わっておりまして、私が花組だった頃、丁度月組でこの『グランドホテル』が上演されまして、その時は起きていたんですけれど記憶喪失な感じで、――宝塚ヴァージョンで、ちょっと作り変えている部分も在ったりして、――本当の『グランドホテル』の記憶が無くて、――小堺さんのお話にもありましたけれど、――それをグレンさんに「観た事が有るか?」と聞かれた時に、「すみません」と事実を話したら、「それは良かった!」って逆に私は凄く誉められました。だから新たにやるに当たりまして、グレン色に染めていただきたいな、と思ってちょっとホッとしております。

 作品をブロードウェイで観た事は無いんですが、来日版と、先ほど紫吹さんが仰った宝塚版、――宝塚版は何回観たか解りません、――と言う位観ました。本当に大好きな作品で、かつ非常に大人の作品と言う印象を受けていまして、「日本でも、こういう作品がどんどん根付いて行けば、もっと大人のお客様も増えて、劇場が素敵な社交場になりそうだな。」などと思いながら観た事を覚えています。

大澄 僕も来日版を観させていただきました。このお話をいただいた時は、僕が今までやってきた舞台と言うのはダンス中心の役だったりとか、ダンスミュージカルと言われるような作品が多かったので、『グランドホテル』のお話を聞いた時に、「そんなに踊る役が有ったかな?」と思いました。それで役柄が男爵という事で、余りダンスでの印象が無かったので、逆に自分にとっては嬉しかったんですけれど、意外なというか、自分でも「大丈夫なのかな」と思いました。自分と岡君とWキャストという事で、僕も岡君の舞台は観させていただいて、本当に凄く素晴らしい歌を歌われる方なので、「自分でどうなのかな」という事を正直思いましたが、逆にこれはまた一つ自分がこれから舞台をやって行く上で、新しい世界を開けよ、って神様が言ってくれているのかな、という思いで演りたいと思います。

諏訪 映画も、来日版の公演もしっかり眠らないで観ていたんですけれど、まるっきり覚えていなくて、ただ『グランドホテル』を観に行った、という事はとても良く覚えていました。それで曲を聴かせて貰って、「ああ、こんな良い歌を歌っていたんだっけ」みたいな感じではあったんですけれど、「私も充分大人の作品に出られる年代になったんだな」という事を感じております。

前田 ブロードウェイと来日版を拝見しております。私にとっては岡さんと大澄さん、最後にお二人に恋すると言う素敵なシーンがあるのですが、ちょっとプレッシャーになっているのは、この歳になりまして、――実は私、昨夜芸能生活40周年を迎えました。41年目の最初の作品にこの『グランドホテル』で迎えさせて頂ける事に、非常に幸せを感じている反面、――この歳で、トゥシューズをもう一度履いてバレリーナのように踊れるのだろうか、と。心からこよなく愛したクラシックバレエですから、立つ事は出来ますが、川崎悦子先生の振付は大変難しいと聞いております。「ブロードウェイ版とは違う」とグレンさんが仰ったように、――グレンさんとは『ブラッド・ブラザース』の演出でご一緒させていただいて、大変厳しい方だという事を良く存じ上げておりますので、――小堺さんのように、観たという話をした時には、同じように大変怒られました。というか厳しいお言葉で「今度は私が創るのよ」という言葉を言ってらっしゃいました。それに応えられるように、今日から日々クラシックバレエ、そして精神的にも強い女で居ようと思っております。


『グランドホテル』

演出:
Glen Walford(グレン・ウォルフォールド) 振付:川崎悦子
  出演: 前田美波里 岡幸二郎 大澄賢也 紫吹淳 諏訪マリー バク・トンハ
藤木孝 岡田眞澄 田中健 小堺一機 他

日程  2006年1月6日(金)〜1月24日(火)
会場  東京国際フォーラム・ホールC
料金  S席:12,000円 A席:8,500円 B席:7,000円
プレミア(P)席:13,500円(パンフレット、1ドリンク付)
(※土日祝日、金曜日夜、千穐楽を除く公演は全席種1,000円引き)
前売  2005年10月2日(日) 発売開始
お問合せ  テレドーム 0180-993-545 (24時間テープ案内)

公式サイト

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