キャスト紹介 |
朗読・若菜 平野啓子さん | |
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![]() 語り部・キャスター 東京都歴史文化財団で、都の 文化イベントのプロデュースに 携わった後、「おはよう日本」 などNHKのニュースキャスター に。また、大河ドラマ「毛利元就」 の”語り”を担当し、情感豊かな 語り口で好評を得た。一方、 語り芸術家として舞台やテレビで 活躍。 舞台の語りで、平成9年度文化 庁芸術大賞を受賞。 現在、NHK総合「どんとこい民謡」 で全国各地の物語を語る。 ![]() |
平野啓子です。どうぞよろしくお願いします。 前回5月に博品館で『若菜』の「上」の部分を読ませていただきまして、じっくりと源氏物語の世界を改めて読みました。実は私、源氏物語は学校で習って以来、何となく部分的にしか読んでなかったんですが、瀬戸内先生の訳された本が出てから一巻から十巻まで全部続けて読んでしまいまして、そのとき初めて、当時の女性たちって今と全然変わらないじゃないか、と思ったんですね。 特に・・・特にっていうわけではないですが、私がやらせていただきます――今回は『若菜』の「下」という前回の続きになるわけですが――『若菜』の部分では、もう本当に光源氏に最高の寵愛を受けていた紫の上だったんですが、そこへ何と女三の宮が正妻として迎えられて心が大きく乱れていく、その心模様がとても詳しく書かれて、手にとるように、わかるように訳されているんですね、それを前回読ませていただきました。 今回はその続き、やはり読めば読むほど「あ、そうよね、そうよね」と思ってしまうぐらい女心が伝わって来るんです。そこまでして迎えた女三の宮が今度は柏木の右衛門督と不倫をしてしまいます。そのことが源氏にバレないかとドキドキしながら本当に苦しむ、その心模様。そして、そんな最中に紫の上が「私はここまで源氏と仲良くしてきたけれど、一体私の人生どうだったのかしら」というようにだんだんエネルギーが失われてきたのか、とうとう息を引き取ってしまうんです。 ただこの息を引き取ったのには、またここにちょっと、六条御息所の物の怪が取りついていたからという理由があるなど、とてもSF的でもあり、ダイナミックでもある『若菜』の「下」の部分を読ませていただきます。 物語としての展開がダイナミックで素晴らしいこともさることながら、とにかく女心・人間の心が現代にも通じることがよく伝わる場面でして、そのことを上手に表現できたらな、と思っております。 一回目読んだ時は「どういうふうに読もうか、どういうふうに読もうか」とそればかり考えていたんですが、今回二回目で、この瀬戸内先生の訳された源氏物語というのは、その訳に身を委ねて読んでいけば、そのまま観客の皆さんに伝わるのではないかな、とそう思っております。どれだけ身をまかせられるか、また挑戦したいと思います。 どうぞ宜しくお願いします。 |
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