AKBの元祖?! OSK日本歌劇団 8年ぶりの東京公演開幕

桜NIPPON踊るOSK!
中央左より:桐生麻耶、高世麻央、牧名ことり

 1922年(大正11年)に松竹楽劇部を前身として大阪で誕生したOSK日本歌劇団は、宝塚歌劇団・松竹歌劇団(SKD)と並ぶ日本の三大少女歌劇として人気を博し、笠置シヅ子、京マチ子などを排出。関西では戦前より「歌の宝塚、ダンスのOSK」と称され、特に「ロケット」と呼ばれるラインダンスの揃いとスピードには定評があり、“これぞレビュー”と言われる名舞台を創り続けてきました。

 そのOSK日本歌劇団の8年ぶりとなる東京での劇場公演、『桜 NIPPON・踊るOSK!』が9月15日に日本橋・三越劇場で幕を開けました。
この公演では、名橋「日本橋」架橋100周年記念の関連イベントとして日本橋にちなんだ場面を創作、さらに今では珍しくなった日舞をベースにした舞を盛り込んだレビューや、往年のヒットナンバーを織り交ぜた景など、OSKならではのスタイリッシュでスピードとパワーに溢れたステージが華麗に繰り広げられます。

 “少女歌劇”とは、少女もしくは若い女性たちによって演じられるレビューやミュージカルなどの音楽・芝居・ダンスを中心にした日本独特の舞台芸能であり、大正から昭和にかけては日本各地にさまざまな少女歌劇団が存在し、TVの無かった時代に現在のアイドルグループの様な存在となっていましたが、現在ではOSKと宝塚歌劇団のみがその形態を残しています。
しかし、「女性だけで構成されている」「専用劇場を持つ」「」「メンバーに序列がある」「アルファベット3文字で表現されるグループ名」といえば、皆様ご存知の今をときめくアイドルグループ“AKB48”との共通項が多いことに気がつきます。
来年4月には劇団創立90周年を迎えるOSKですが、まさにAKB48をはじめとするアイドルグループの元祖と言えるのかも知れません。

 普段は大阪をメインに活動しているOSKですが、そのウリは何と言ってもレビューショー。1926年(大正15年)に誕生し、今尚続く日本レビューの草分け「春のおどり」を始め、定番となっている大阪松竹座や南座での日舞と洋舞の二本立て公演など、35名の劇団員が展開する豪華絢爛のショーステージは見応充分。
さらにミュージカルや一本立ての芝居の上演、時代劇や和物レビューなど、様々な試みにも挑戦し、新たな成果をあげています。

 そうした活動の中で8年ぶりとなる今回の東京公演。初日の開幕を直前にして会見が行われ、今回のセンターを勤める高世麻央(たかせ まお)は
緊張しているドキドキのような、嬉しいドキドキのような、両方が相まった不思議な感覚がありますけれど、始めの一歩のステップの手前、マラソンのスタートラインに立っているような気持ちで、公演を観たお客様がもう一度観に来たいと思っていただけるように精いっぱい勤めたいと思います。」と力の入ったコメント。
また、二番手となる桐生麻耶(きりゅう あさや)も
大阪に残してきたメンバーも居ますので、桜花昇ぼる始め他のメンバーの気持ちも、私たちがこの東京の舞台でしっかりと伝えられるようにしたいというのと、自分自身は背筋をしゃんと伸ばして、観に来てくださったお客様に精一杯楽しんでいただけるような舞台をしたいと思っております。」と、こちらも気合いを覗かせます。
そして娘役の牧名ことり(まきな ことり)は
大阪での公演も初めていらっしゃる方が毎回居られると思うんですけれど、この公演は特に初めてOSKをご覧になるかたが多いと思うので、そういう方が大阪にまで足を伸ばして頂けるくらいお客様を掴んで、また大阪にも来ていただけるような公演にしたいと思います。」と、さらに先を見据えていました。

 また今回の公演の見どころについては、
OSKのウリはレビューショーですが、次から次へと展開されて、いつも以上に凝縮されていますので、本当にどの場面も見逃して欲しくないですね。特に一部は日舞のショーになっておりますし、洋舞の二部と休憩を合わせて二時間くらいですけれど、「あっという間に終わっちゃったね。」というのが正直な感想じゃないかと思います。その中で、「こんな場面もあった。」と、万華鏡をくるくる変えるように私たちのステージがどんどん展開されていくのを見どころにしていただきたいですね。」(高世麻央)
見どころは・・・汗(笑)。とにかく本当にハードなのですが、観ている方にはあまりハードだと思われないように演りたいんですけれど・・・、ハードです。なので、きらりと光る汗をお届けしたいと思います。」(桐生麻耶)
日本橋に掛けて橋をテーマにした歌とか、橋にまつわるストーリーが有るシーンを創っていただきましたので、是非そこを観ていただきたいと思います。」(牧名ことり)
と、それぞれに一押しのポイントを語ってくれた三人の出演者。

 「歌劇をご覧になった事の無い方、特に男性の方は歌劇というと「客席は女性ばかりじゃないの」と良く仰るんですが、OSKは男性のお客様もけっこう多いんです。本当にちょっとしたキッカケだと思いますし、折角今回東京で公演させていただきますので、どんな事をしているか、一度歌劇の舞台を是非観にいらしてください。初めての方でも楽しんでいただけますし、この空間に来ていただいて、劇場の雰囲気、私たちがお届けする『桜 NIPPON・踊る OSK!-』の雰囲気を味わっていただくことで、さらに元気になっていただけるのではないかと思いますし、そういうパワー溢れる舞台を14名が一丸となってお届けしたいと思います。」
と、新たな観客へ向けてアピールを行っていました。

 1927年(昭和2年)に開場し、今年で84年目を迎えた三越劇場で行われる89年目を迎えたOSK日本歌劇団の東京公演。
往年のファンも、まだレビューを観た事のない方も共に魅了する、懐かしくも新しいエンターテイメント。
タイトルにも付けられた“桜”は日本橋のイメージ、そしてOSKのテーマ曲でもある「♪桜咲く国」にちなんだもの。

 今、東京に再び“桜”が舞い戻ってきました。

 

名橋「日本橋」架橋100周年記念
『桜 NIPPON・踊る OSK! -Revue,the Classic-』

キャスト  高世麻央 桐生麻耶 牧名ことり 平松沙理
  恋羽みう 揚琳 悠浦あやと 愛瀬光 舞美りら
  柑奈めい 妃那マリカ 城月れい 麗羅リコ 由萌ななほ
スタッフ 作・演出: 吉峯暁子

 

公演情報
東京公演
日程 2011年9月15日(木)〜9月18日(日)  全6回公演
会場 三越劇場 (三越 日本橋 本店本館6階)
料金 7,500円 (全席指定・税込)
問い合わせ先 三越劇場 0120-03-9354 (10:00〜18:00)

 

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